アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和7年10月2日
2025年4月の経済情勢
<概要>
(1)10日、中銀は、中国人民銀行との二国間通貨スワップ協定について、350億人民元(50億米ドル)の発動済み枠の全額を12ヶ月間更新したと発表した。
(2)11日、中銀は、外貨・為替規制の大幅な緩和を発表した。この結果、為替バンド制(為替レートが一定の範囲内で需給に応じて自由に変動)の導入、個人の貯蓄目的での外貨購入量の上限撤廃、法人の2025会計年度以降の利益に対応する配当の国外送金の解禁、通関時点での輸入代金支払いの実現といった措置が実施された。 (3)11日、IMF理事会は、4年総額200億ドルの拡大信用供与措置によって支援されるアルゼンチンの新たなプログラムを承認し、120億ドル相当の資金がディスバースされた。世銀グループとIDBグループも、それぞれ3年総額で120億ドル、100億ドルの支援パッケージを発表した。 (4)14日、ベッセント米財務長官がブエノスアイレスを訪問し、ミレイ大統領及びカプート経済相と会談を行った。 |
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1)1日、アルゼンチン史上初となるブラジル向け天然ガス輸出が、仏エネルギー会社Total Energies社によって行われた。
(2)2日、訪米中のウェルテイン外相は、ラトニック米商務長官及びグリア米通商代表と会談し、米国の関税措置や二国間貿易等について協議した。
(3)2日、バンガ世銀総裁がブエノスアイレスを訪問し、ミレイ大統領及びカプート経済相と会談を行った。
(4)9~10日、労働総同盟(CGT)は、36時間に及ぶゼネラルストライキを実施した。
(5)10日、中銀は、中国人民銀行との二国間通貨スワップ協定について、350億人民元(50億米ドル)の発動済み枠の全額を12ヶ月間更新したと発表した。
(6)11日、メルコスール外相会合がブエノスアイレスで実施された。
(7)11日、中銀は、外貨・為替規制の大幅な緩和を発表した。この結果、為替バンド制(為替レートが一定の範囲内で需給に応じて自由に変動)の導入、個人の貯蓄目的での外貨購入量の上限撤廃、法人の2025会計年度以降の利益に対応する配当の国外送金の解禁、通関時点での輸入代金支払いの実現といった措置が実施された。
(8)11日、IMF理事会は、4年総額200億ドルの拡大信用供与措置によって支援されるアルゼンチンの新たなプログラムを承認し、120億ドル相当の資金がディスバースされた。世銀グループとIDBグループも、それぞれ3年総額で120億ドル、100億ドルの支援パッケージを発表した。
(9)14日、ベッセント米財務長官がブエノスアイレスを訪問し、ミレイ大統領及びカプート経済相と会談を行った。
(10)15日、中銀は、非居住者による6ヶ月以上の投資を可能とする措置を導入した。
(11)16日、経済省は、米国通商代表部の年次報告書で非関税障壁として指摘されていた、中古品の輸入規制を緩和する政令を公布した。
(12)17日、政府は、金融情報ユニット(UIF)の機能をマネーロンダリングの調査・防止に集中させ、司法手続きへの関与を限定的なものとする組織再編を実施した。
(13)25日、政府は、国営エネルギー会社ENARSAを完全民営化する旨を定めた政令を公布した。
(14)23~25日、カプート経済相は、ワシントンDCで行われたIMF・世銀春会合に参加し、ゲオルギエバIMF専務理事、バンガ世銀総裁、ロンバール仏経済・財務相、クキース独財務相、ジョルジェッティ伊経済財政相、ハイネン蘭財務相とのバイ会談を実施した。
(15)28~30日、メルコスール・EFTA自由貿易協定締結に向けた第13次交渉がブエノスアイレスで実施された。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
2月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.8%増、前年同月比5.7%増となった。
(2)消費 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
(ア)自動車販売 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 2025年計 | |
台数 | 44,488 | 43,627 | 40,118 | 49,462 | 34,089 | 45,617 | 47,915 | 52,621 | 180,242 |
前年比 | 2.8% | 7.0% | 35.0% | 97.3% | 113.8% | 37.3% | 58.8% | 134.4% | 77.1% |
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 2025年計 | |
台数 | 31,918 | 35,965 | 32,262 | 26,667 | 11,132 | 22,496 | 24,292 | 22,628 | 80,548 |
前年比 | ▲10.2% | 25.9% | 6.1% | 22.3% | ▲27.3% | ▲4.6% | 3.4% | 9.8% | ▲2.9% |
(イ)小売販売
2月のスーパーマーケット販売指数(INDEC発表)は、前月比0.3%減、前年同月比1.5%増となった。
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 2025年計 | |
台数 | 49,611 | 52,419 | 53,701 | 38,018 | 30,058 | 42,419 | 41,565 | 45,479 | 159,521 |
前年比 | ▲12.6% | 0.9% | ▲5.1% | 2.8% | ▲20.9% | 13.1% | ▲3.7% | 5.8% | 9.1% |
(イ)製造業
3月の製造業活動指数(INDEC発表)は、前月比4.5%減、前年同月比5.2%増となった。
(ウ)建設活動
3月の建設活動指数(INDEC発表)は、前月比4.1%減、前年同月比15.8%増となった。
(エ)鉱業活動
3月の鉱業生産指数(INDEC発表)は、前月比1.1%減、前年同月比2.3%増となった。
(4)物価
3月の消費者物価指数(INDEC発表)は、前月比3.7%、前年同月比55.9%の上昇となった。
3月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比1.5%、前年同月比27.7%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、4月末には前月末比90ポイント減の726ポイントとなった。
(イ)為替レートは、4月末には前月末比8.4%ペソ安の1ドル=1172.00ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、4月末には前月末比139.4億ドル増の389.3億ドルとなった。
(6)財政
3月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比54.8%増、一次歳出が同58.8%増となった結果、基礎的財政収支は7,453億ペソの黒字となった。また、総合収支は3,989億ペソの黒字となった。
(7)貿易
3月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比2.5%減の6,329百万ドル、輸入が同38.7%増の6,006百万ドルとなった結果、貿易収支は228百万ドルの黒字となった。
(了)
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