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(Parque Nacional Perito Moreno)
 
 
 

 

 

2014年12月アルゼンチンの経済情勢

 

2015年1月作成
在アルゼンチン大使館

 

 概要

 

(1)亜中銀は中国との通貨スワップ協定の第3弾(約10億ドル)を実施した。それにより外貨準備水準は300億ドル台に回復した。

 

(2)ティメルマン亜外相及びムニョス智外相は、サンティアゴ(チリ)で、両国を結ぶトンネル2ヶ所の建設の入札に関する議定書に署名した。

 

(3)12月INDEC発表のインフレ率は前年同月比23.9%、前月比1.0%であったのに対し、民間コンサルタント会社8社推計のインフレ率は、前年同月比38.5%の上昇となった。12月末の為替レートは、前年同月比31.21%ペソ安の1ドル=8.5520ペソとなった。

 

 

 経済の主な動き


(1)経済全般

 

 3日、豊田通商が25%出資し、フフイ州オラロス塩湖で進められているリチウム開発プロジェクトのリチウム生産工場開所式が実施された。

 4日、キシロフ経済財政大臣は2015年期限の国債(BODEN2015債)の期限前買い戻し及び借り換え、BONAR2024債の入札の実施を発表した。なお、12日のキシロフ経済大臣の発表によるとBODEN2015債の買い戻し申込額は1.85億ドル、BODEN2015債の借り換え(BONAR2024債との交換)は3.77億ドル。また、BONAR2024債の追加発行額は2.86億ドルにすぎず、当初政府が期待した15億ドルに遠く及ばなかった。

 5日、第23回日亜経済合同委員会が当地エンペラドールホテルにて開催された。

 11日、亜中銀は中国との通貨スワップ協定による第3回目のスワップを実施した。今回のスワップ額は約10億ドル相当。(これまで実施されたスワップと合わせると約23億ドル。)これを受け、外貨準備高は300億ドル台に回復した。なお、300億ドルになったのは2014年1月以来初めて。

 同日、ニューヨーク・タイムズ主催のセミナーに投資ファンドNMLのオーナー、ポール・シンガー氏がスピーカーとして参加し、(1)亜との問題をできるだけ早く解決したい。簡単な解決を目指して交渉の席につくことが勝利を意味する、(2)しかし、遺憾ながら本来は商事訴訟である本件を、亜は国家の尊厳にかかる争いに転化した、(3)我々が1月に交渉の席につくことを皆が望んでいるし、我々にはその用意がある。しかし、亜がどうするのかを予想することは非常に困難である、と述べた。

 15日、IMFはINDECの統計に関するステートメントを発表した。これによると、亜は、INDECのインフレ率(消費者物価指数)とGDPを改善するために「必要な特定の措置を全て」実施したとし、また、IMFは、これらの統計データの「質の改善のために成し遂げられた初期の前進」を歓迎するとした。IMFは今後、より詳細を検討し、問責決議を撤回するかどうかを遅くとも来年4月15日までに決定する予定。

 23日、ティメルマン亜外相及びムニョス智外相は、サンティアゴ(チリ)で、両国を結ぶトンネル2ヶ所の建設の入札に関する議定書に署名した。トンネルのうち一つは、サンフアン州(亜)とチリを結ぶ「アグア・ネグラ」トンネルで、建設費用は14億ドル。もう一つは、メンドーサ州(亜)とチリを結ぶトンネルで、建設費用は30億ドル。

 

(2)貿易・通商

 

 23日、キシロフ経済大臣とデビード公共事業大臣は記者会見を行い、来年1月1日から国内のガソリン及び軽油価格を5%値下げすると発表した。

 

 

 

 経済指標の動向


(1)経済活動全般

 

 10月の経済活動指数(INDEC(国家統計局)発表)は前年同月比0.1%増、前月比0.8%増となった。

 

(2)消費

 

 12月の自動車販売台数(自動車協会(ADEFA)発表)は、前年同月比40.7%減、前月比27.6%増となった。

 

(3)工業生産・建設活動

 

 (ア)工業生産

 11月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比1.2%減、前月比1.0%減となった。

 11月の稼働率(INDEC発表)は、前年同月比2.1%減、前月比0.9%減の73.2%となった。

 

 (イ)建設活動

 11月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比8.7%減、前月比1.0%減となった。

 

 (ウ)自動車生産

 12月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比9.5%減、前月比25.5%減となった。

 

(4)物価・雇用

 

 (ア)物価

 INDEC発表の全国規模の新しいCPI統計(IPCNu)では、12月のインフレ率は前年同月比23.9%、前月比1.0%の上昇とされた。

 これに対し、12月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比38.5%の上昇と発表された。12月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比38.0%、前月比1.5%の上昇となった。

 12月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前年同月比28.3%、前月比1.0%の上昇となった。

 

 (イ)雇用・賃金等

 11月の給与指数(INDEC発表)は、前月比1.64%増となった。

 

(5)金融

 

 (ア)Merval指数(株価指数)は、12月末には、前月末比1,229ポイント減の8,579ポイントとなった。

 また、EMBI+指数は、12月末には前月末比28ポイント増の719ポイントとなった。(なお、同指数は、主にドル建て流通国債に対する市場の評価を表すが、亜政府は、2002年以降国外でドル建て新規国債を発行していない(債権交換を除く)ことに留意する必要がある。)

 

 (イ)為替レートは、ペソ安となり、12月末には前月末比0.31%ペソ安、前年同月比31.21%ペソ安の1ドル=8.5520ペソとなった。

 コールレートは、12月末には前月末比8.00%増の28.00%となった。民間金融機関預金残高は12月末には9,672億ペソ、対民間貸出残高は12月末には5,968億ペソとなった。

 外貨準備高は、12月末には前月末比25.32億ドル増の314.43億ドルとなった。

 

(6)財政

 

 (ア)財政収支

 11月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比57.5%増、一次歳出が同44.9%増となった結果、基礎的財政収支は3.88億ペソの黒字となった。また、総合収支は、33.93億ペソの赤字となった。

 

 (イ)税収

 12月の税収(以下、経済省発表)は、前年同月比42.8%増の1085.98億ペソ、付加価値税収が同35.9%増の304.27億ペソ(うち、国内分については同56.1%増、税関分については2.8%増)、法人及び個人に係る所得税収が同51.6%増の258.70億ペソ、輸出税収が同69.7%増の50.90億ペソ、社会保障雇用主負担金が同38.3%増の152.60億ペソとなった。

 

(7)貿易

 

 11月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比23%減の5,279百万ドル、輸入が同19%減の4,818百万ドルとなった結果、貿易黒字は461百万ドルとなった。

 

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