アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和7年1月28日
2024年9月の経済情勢
〈概要>
(1)2日、政府は、外貨購入時に課されるPAIS税のうち、財の輸入代金や輸出入に付随する貨物輸送サービス代金の支払いを目的とした外貨購入に課税されるPAIS税の税率を、17.5%から7.5%に引き下げた。
(2)6日、アルゼンチン航空の航空パイロット協会(APLA)は給与の見直しを求めて午前5時から9時間のストライキを実施した。これにより、アエロパルケ空港とエセイサ空港を発着する185便が運休となり、1万6000人以上の乗客に影響が生じた。13日にも正午から24時間のストライキを実施し、前述の2空港を発着する319便が運休となり、3万7000人以上の乗客に影響が生じた。 (3)15日、政府は、2025年予算法案を議会に提出した。本予算案では、(1)仲介を排した社会支援、(2)安全保障と防衛装備の近代化、(3)国家機構の近代化及び簡素化を掲げ、基礎的財政収支対GDP比1.3%を目指すとともに、将来的にも財政均衡を維持する規定を盛り込んでいる。 |
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1)2日、政府は、外貨購入時に課されるPAIS税のうち、財の輸入代金や輸出入に付随する貨物輸送サービス代金の支払いを目的とした外貨購入に課税されるPAIS税の税率を、17.5%から7.5%に引き下げた。
(2)2日、モンディーノ外相は、モンテビデオで開催されたメルコスール外相会合に出席し、「アルゼンチンはメルコスールの成果を認めつつも、対外的なプラットフォームとしてのポテンシャルが未開拓である現状を批判的にとらえている」旨表明した。
(3)5日、IDBインベストは、民間セクター開発促進に向けた同社による10億ドル以上の融資を発表した。
(4)6日、アルゼンチン航空の航空パイロット協会(APLA)は給与の見直しを求めて午前5時から9時間のストライキを実施した。これにより、アエロパルケ空港とエセイサ空港を発着する185便が運休となり、1万6000人以上の乗客に影響が生じた。13日にも正午から24時間のストライキを実施し、前述の2空港を発着する319便が運休となり、3万7000人以上の乗客に影響が生じた。
(5)15日、政府は、2025年予算法案を議会に提出した。本予算案では、(1)仲介を排した社会支援、(2)安全保障と防衛装備の近代化、(3)国家機構の近代化及び簡素化を掲げ、基礎的財政収支対GDP比1.3%を目指すとともに、将来的にも財政均衡を維持する規定が盛り込まれている。
(6)16日、政府は、航空旅客サービスを必要不可欠なサービスと位置付ける政令を公布し、労働争議が発生して当事者間で合意に達しない場合でも、航空関連サービスの正常かつ定期的な活動又は提供が最小限確保されることを要請した。
(7)17日、ルノー・アルゼンチンは、コルドバのサンタ・イサベル工場で中型ピックアップを生産するために3億5000万ドルの投資を行うと発表した。
(8)18日、政府は、未申告資産の正規化制度の下で正規化された資金を、従来認められていた公債等の購入に加えて、生産的な投資を目的とした財の購入に利用できるようにした。25日には、未申告資産の正規化の第一段階の期限を10月31日まで一ヶ月延長した。
(9)20日、中銀は、完成自動車及び所謂贅沢品(高価な酒など)の輸入代金の支払い可能時期を、従来の通関後90暦日から60暦日に短縮するとともに、CCL取引やMEP取引など債券取引を介して外貨を取得した場合に課される公式為替市場へのアクセス制限を緩和する通達を公布した。
(10)23日、訪米中のミレイ大統領はニューヨーク証券取引所で演説した。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
7月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比1.7%増、前年同月比1.3%減となった。
(2)消費 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
(ア)自動車販売 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 2024年計 | |
台数 | 33,234 | 30,176 | 22,450 | 27,851 | 32,333 | 33,043 | 38,682 | 44,488 | 278,199 |
前年比 | 10.3% | ▲20.8% | ▲33.6% | ▲27.9% | ▲26.7% | 6.8% | 27.7% | 2.8% | ▲10.7% |
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 2024年計 | |
台数 | 23,584 | 23,484 | 20,611 | 22,974 | 20,884 | 28,330 | 32,754 | 31,918 | 219,841 |
前年比 | ▲1.6% | ▲27.6% | ▲32.9% | ▲24.1% | ▲10.3% | ▲1.2% | 13.5% | ▲10.2% | ▲10.3% |
(イ)小売販売
7月のスーパーマーケット販売指数(INDEC発表)は、前月比0.1%減、前年同月比12.3%減となった。
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 2024年計 | |
台数 | 37,491 | 43,159 | 42,974 | 38,440 | 32,029 | 44,436 | 51,650 | 49,611 | 362,433 |
前年比 | ▲19.0% | ▲29.4% | ▲21.0% | ▲27.9% | ▲40.2% | ▲9.8% | ▲18.6% | ▲12.6% | ▲22.1% |
(イ)製造業
8月の製造業生産指数(INDEC発表)は、前月比1.5%増、前年同月比6.9%減となった。
(ウ)建設活動
8月の建設活動指数(INDEC発表)は、前月比2.9%減、前年同月比26.4%減となった。
(エ)鉱業活動
8月の鉱業生産指数(INDEC発表)は、前月比1.6%減、前年同月比2.1%増となった。
(4)物価
8月の消費者物価指数(INDEC発表)は、前月比3.5%、前年同月比209.0%の上昇となった。
8月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比2.0%、前年同月比197.3%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、9月末には前月末比194ポイント減の1,290ポイントとなった。
(イ)為替レートは、9月末には前月末2.1%ペソ安の1ドル=970.92ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、9月末には前月末比6.9億ドル減の271.7億ドルとなった。
(6)財政
9月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比183.9%増、一次歳出が同131.1%増となった結果、基礎的財政収支は8,164億ペソの黒字となった。また、総合収支は4,663億ペソの黒字となった。
(7)貿易
9月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比20.6%増の6,934百万ドル、輸入が同8.8%減の5,954百万ドルとなった結果、貿易収支は981百万ドルの黒字となった。
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