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2015年1月アルゼンチンの経済情勢
2015年2月作成
在アルゼンチン大使館
概要
(1)亜中銀は、中国との通貨スワップ協定による第4回目のスワップが実施されたと発表した。今回のスワップ額は4億ドル相当。なお、第1~4回目までのスワップ額は合計27.13億ドル。
(2)亜の輸入規制に関するWTO訴訟は、WTO紛争処理上級委員会が亜の規制をWTO協定違反とする報告書を提出したことにより、日・米・EUの主張が最終的に認められた。
(3)1月の国家統計局(INDEC)発表のインフレ率は前月比1.1%であったのに対し、民間コンサルタント会社8社推計のインフレ率は、前月比2.08%の上昇となった。1月末の為替レートは、前年同月比7.75%ペソ安の1ドル=8.6395ペソとなった。
経済の主な動き
(1)経済全般
6日、亜とチリの両国は「ラス・レニャス国際トンネル」(メンドーサ州)建設のための二国間機関設立にかかる合意書に署名した。亜とチリを結ぶトンネル建設プロジェクトとしては、アグア・ネグラ・プロジェクト(サンフアン州)、アコンカグア・プロジェクト(メンドーサ州)に次ぐ3番目のもの。
8日、北京で開催中の第一回中国・中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)フォーラムが開催された。亜国から出席したティメルマン外相は、同フォーラム演説にて、対中関係において、インフラ整備分野での融資が基礎となっているが、亜の生産能力向上のため、科学技術、教育、人材育成等にも力を入れていく必要があると述べた。また、習近平中国国家主席は、今後10年間、中南米カリブ地域に2,500億ドル投資すると発表した。同主席は、中国と同地域との貿易量を、同じく10年間で5,000億ドル超(現在の2倍)に拡大することを目指すとも述べた。
12日、フェルナンデス大統領が1週間前、投資ファンドNML及びAureliusとの交渉を急がないようキシロフ経済大臣に指示した、と報じられた。
13日、亜中銀は、中国との通貨スワップ協定による第4回目のスワップが実施されたと発表した。今回のスワップ額は4億ドル相当。なお、第1~4回目までのスワップ額は合計27.13億ドル。
15日、亜の輸入規制に関するWTO訴訟は、WTO紛争処理上級委員会が亜の規制をWTO協定違反とする報告書を提出したことにより、日・米・EUの主張が最終的に認められた。WTO紛争処理上級委員会が亜の輸入制限措置をWTO協定違反と判断する報告書を出したことについて、カピタニッチ官房長官は、16日、事前輸入宣誓供述制度(DJAI)は「税関を支援するための基本的な要素だ」と述べた。 |
経済指標の動向
(1)経済活動全般
11月の経済活動指数(INDEC発表)は前年同月比0.2%増、前月比0.1%減となった。
なお、1月の自動車販売台数(自動車協会(ADEFA)発表)は、前年同月比27.0%減、前月比35.4%減となった。 |
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(2)工業生産・建設活動
12月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比2.1%減、前月比1.0%減となった。
12月の稼働率(INDEC発表)は、前年同月比1.5%減、前月比2.6%減の70.6%となった。
12月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比1.8%減、前月比4.0%減となった。
1月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比29.1%減、前月比36.9%減となった。 |
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(3)物価・雇用・賃金等
INDEC発表の全国規模のCPI統計(IPCNu)では、1月のインフレ率は前年同月比20.9%、前月比1.1%の上昇とされた。
これに対し、1月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比35.21%、前月比2.08%の上昇と発表された。1月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比34.3%、前月比2.0%の上昇となった。
1月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前年同月比22.2%の上昇となった。
12月の給与指数(INDEC発表)は、前月比1.0%増となった。 |
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(4)金融
(ア)Merval指数(株価指数)は、1月末には、前月末比89ポイント減の8,490ポイントとなった。また、EMBI+指数は、1月末には前月末比21ポイント増の740ポイントとなった。(なお、同指数は、主にドル建て流通国債に対する市場の評価を表すが、亜政府は、2002年以降国外でドル建て新規国債を発行していない(債権交換を除く)ことに留意する必要がある。) |
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(イ)為替レートは、ペソ安となり、1月末には前月末比1.02%ペソ安、前年同月比7.75%ペソ安の1ドル=8.6395ペソとなった。
コールレートは、1月末には前月末比1.50%減の26.50%となった。民間金融機関預金残高は1月末には9,799億ペソ、対民間貸出残高は1月末には6,011億ペソとなった。
外貨準備高は、1月末には前月末比0.09億ドル増の314.52億ドルとなった。 |
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(5)財政
12月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比57.1%増、一次歳出が同49.8%増となった結果、基礎的財政収支は233.36億ペソの赤字となった。また、総合収支は、318.97億ペソの赤字となった。
1月の税収(経済省発表)は、前年同月比30.1%増の1174.58億ペソ、付加価値税収が同23.2%増の335.44億ペソ、法人及び個人に係る所得税収が同40.8%増の258.75億ペソ、輸出税収が同8.5%増の43.43億ペソとなった。 |
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(6)貿易
12月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比16%減の4,573百万ドル、輸入が同13%減の4,499百万ドルとなった結果、貿易黒字は74百万ドルとなった。 |
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