アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

平成30年2月8日

2017年12月の経済情勢

概要
(1) 10~13日、第11回WTO閣僚会議(MC11)がブエノスアイレスで開催されたが、閣僚宣言が発表されないまま閉会した。
(2) 28日、政府はインフレ目標達成を実質一年先送りし、2018年の目標を8~12%から15%に修正すること発表した。2017年のインフレ率は24.8%(目標は12%~17%)。

1 経済の主な動き

(1)10~13日、第11回WTO閣僚会議(MC11)がブエノスアイレスで開催されたが、閣僚宣言が発表されないまま閉会した。
(2)19日、年金改正法案が可決・成立した。CGTが0時~12時ストを実施したが参加労組は少なく、バスは通常通り運行した。
(3)ムーディーズは、2018年の亜の経済成長率を3.5%、インフレ率を15%とし、また財政赤字は減少すると見ていると発表した。
(4)27日、2018年予算法案、税制改革法案、金融取引税延長・改正法案が上院本会議で可決・成立した。
(5)28日、政府はインフレ目標達成を実質一年先送りし、2018年の目標を8~12%から15%に修正すること発表した。2017年のインフレ率は24.8%(目標は12%~17%)。

2 経済指標の動向

(1)経済活動全般
  10月の経済活動指数(INDEC発表)は、前年同月比5.2%増、前月比0.2%増となった。

(2)消費:自動車販売
 12月の自動車販売台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)は、前年同月25.4%増、前月比14.8%増となった。

(3)工業生産・建設活動
(ア)工業生産
 11月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月3.5%増となった。
 11月の稼働率(INDEC発表)は、前月比0.9ポイント増の69.2%となった。
(イ)建設活動
 11月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比21.6%増となった。
(ウ)自動車生産
 12月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比17.0%減、前月比26.4%減となった。

(4)物価
 12月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比3.1%の上昇、これによって2017年のインフレ率は24.8%となった。
 12月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比1.6%の上昇となった。

(5)金融
(ア)Merval指数(株価指数)は、12月末には、前月末3160.35ポイント増の30065.61ポイントとなった。
 また、EMBI+指数は、12月末には前月末比6ポイント減の350ポイントとなった。
(イ)12月末の為替レートは、前月末比7.99%ペソ安、前年同月比18.45%ペソ安の1ドル=18.77ペソであった。
 コールレートは、12月末には27.50%となった。対民間貸出残高は12月末には16,194億ペソとなった。
 外貨準備高は、12月末には前月末比27.53億ドル増の550.55億ドルとなった。


(6)財政
(ア)財政収支
 11月の財政収支(財務省発表)は、歳入が前年同月比24.2%増、一次歳出が同5.9%増となった結果、基礎的財政収支は324.95億ペソの赤字となった。また、総合収支は、619.32億ペソの赤字となった。
 
(イ)税収
 12月の税収(以下、財務省発表)は、前年同月比14.6%増の2352.38億ペソ、付加価値税収が同31.8%増の719.38億ペソ(うち、国内分については同30.4%増、税関分については30.1%増)、法人及び個人に係る所得税収が同25.1%増の530.60億ペソ、輸出税収が同4.9%減の37.16億ペソ、社会保障雇用主負担金が同28.2%増の350.18億ペソとなった。

(7)貿易
 11月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比4.4%減の4,610百万ドル、輸入が同30.3%増の6,151百万ドルとなった結果、貿易赤字は1,541百万ドルとなった。
(了)

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