アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和5年3月14日
2023年1月の経済情勢
<概要>
(1) 18日、マサ経済大臣は、最大10億ドルを用いてドル建て債を買い戻すことを発表した。
(2) 22日、フェルナンデス大統領及びルーラ伯大統領は、両国を含む南米における共通通貨の創設に向けた検討を開始することを発表した。
(2) 22日、フェルナンデス大統領及びルーラ伯大統領は、両国を含む南米における共通通貨の創設に向けた検討を開始することを発表した。
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1) 8日、ペッセ亜中央銀行(BCRA)総裁及び易鋼中国人民銀行総裁は、二国間貿易に利用することのできる約50億ドル相当の特別な通貨スワップ協定の有効化を確認した。
(2) 9日、政府は、2020年の民間債務再編に基づく初回の満期到来に伴い、約10億ドルの返済を実行した。
(3) 10日、林外務大臣は訪亜し、フェルナンデス大統領、カフィエロ外務大臣及びマサ経済大臣とそれぞれ会談を行い、両国経済関係の更なる強化の観点から亜の各種規制等のビジネス・投資環境に関する要望を伝えた。
(4) 17日、ラ・リオハ州は、リチウムを同州の戦略的資源として位置づけ、探鉱開発などへの州公社参加の義務付け等を内容とする法律を公布した。
(5) 18日、マサ経済大臣は、亜の債務返済スケジュールを緩和しカントリーリスクを低減させるためとして、最大10億ドルを用いてドル建て債を買い戻すことを発表した。実際には、並行為替レートの高騰を抑制するための債券市場への介入が目的と見られている。
(6) 22日、フェルナンデス大統領及びルーラ伯大統領は、CELAC首脳会議に先立ち発表した共同声明において、両国を含む南米における共通通貨の創設に向けた検討を開始することを発表した。
(7) 23日、マサ経済大臣及びアダッジ伯財務大臣は共同記者会見において、南米共通通貨構想について、自国通貨と並存する二国間貿易決済用通貨を想定し、通貨統合は目指していないと説明した。
(8) 25日、マサ経済大臣は、ディアス・グラナドス・ラテンアメリカ開発銀行(CAF)総裁と会談を行い、新たなガスパイプライン建設等に係る5.4億ドルの融資計画について合意した。
(9) 25日、マサ経済大臣は、医療用・産業用大麻の使用規制に基づき公共政策を省庁横断的に調整するため設立された国家大麻庁の初回作業部会を主催した。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
12月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比1.0%減、前年同月比1.2%減となった。
(2)消費:自動車販売
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2023年計 | |
台数 | 37,236 | 29,432 | 29,171 | 34,605 | 33,087 | 35,212 | 33,517 | 22,112 | 22,112 |
前年比 | 32.1% | 20.8% | 11.9% | 34.6% | 30.8% | 26.6% | 2.4% | 9.8% | 9.8% |
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2023年計 | |
台数 | 31,892 | 22,937 | 32,479 | 35,391 | 37,326 | 31,365 | 22,605 | 11,358 | 11,358 |
前年比 | 40.3% | ▲1.0% | 30.2% | 40.3% | 43.9% | ▲3.5% | 15.2% | 22.2% | 22.2% |
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2023年計 | |
台数 | 48,392 | 44,033 | 54,057 | 52,193 | 52,415 | 53,378 | 37,119 | 27,184 | 27,184 |
前年比 | 20.9% | 37.9% | 40.9% | 19.9% | 27.8% | 14.8% | ▲6.9% | 45.8% | 45.8% |
(イ)工業生産
12月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比2.7%減となった。
(ウ)建設活動
12月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比10.6%減となった。
(4)物価
1月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比6.0%、前年同月比98.8%の上昇となった。
1月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比6.5%、前年同月比100.0%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、1月末には前月末比396ポイント減の1817ポイントとなった。
(イ)為替レートは、1月末には前月末比5.5%ペソ安の1ドル=186.9ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、1月末には前月末比32億ドル減の414.2億ドルとなった。
(6)財政
(ア)財政収支
1月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比99.3%増、一次歳出が同114.9%増となった結果、基礎的財政収支は2,039億ペソの赤字となった。また、総合収支は、5,380億ペソの赤字となった。
(イ)税収
1月の税収(経済省発表)は、前年同月比93.4%増の2兆2,660億ペソとなった。
(7)貿易
1月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比11.7%減の4,900百万ドル、輸入が同2.5%増の5,384百万ドルとなった結果、貿易収支は484百万ドルの赤字となった。
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