アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和6年6月18日
2024年4月の経済情勢
<概要>
(1)11日、中銀は政策金利を年率で10ポイント引き下げ、名目で年率70%とした。25日にも引き下げを行い、名目で年率60ポイントとした。(実効利子率では年率82.12%となった。)
(2)18日、世銀・IMF春会合及びG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席するために訪米したカプート経済大臣は、ゴピナートIMF筆頭副専務理事や米国財務省幹部等と会談した。(3)29日、モンディーノ外相とバウシリ中銀総裁は潘功勝・中国人民銀行総裁と会談し、通貨スワップ協定更新に関する技術面での手続き等につき協議した。 (4)8日、パラグアイのアスンシオンで第5回「日・メルコスール経済関係緊密化のための対話」が開催された。アルゼンチン政府からは、マルティネス外務省国際経済交渉・統合担当次官がリモート形式で参加し、在パラグアイ大使館のパドロ公使らが対面で参加した。 |
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1) 4日、ラプラタ河流域開発基金(FONPLATA)は、食料補助プログラムの実施を促進するために、2億米ドルのアルゼンチン向け融資を承認した。
(2) 5日、政府は、教育クーポンプログラムの施行開始を発表した。また、妊娠期・幼児期の補助プログラム「生後1000日プラン(Plan Primeros mil dias de vida)」の給付を500%引き上げる旨発表した。
(3) 8日、政府は、旧インフラ省の所管事業を経済省の管轄下に置く旨を公式に発表した。
(4) 8日、パラグアイのアスンシオンで第5回「日・メルコスール経済関係緊密化のための対話」が開催された。アルゼンチン政府からは、マルティネス外務省国際経済交渉・統合担当次官がリモート形式で参加し、在パラグアイ大使館のパドロ公使らが対面で参加した。
(5) 11日、モンディーノ外相は、OECD加盟に向けた省庁間調整会議の第一回会合を開催した。
(6) 11日、中銀は政策金利を年率で10ポイント引き下げ、名目で年率70%とした。25日にも引き下げを行い、名目で年率60ポイントとした。(実効利子率では年率82.12%となった。)
(7) 15~18日、メルコスール・EFTA自由貿易協定締結に向けた第11回交渉会議が開催された。
(8) 18日、世銀・IMF春会合及びG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席するために訪米したカプート経済大臣は、ゴピナートIMF筆頭副専務理事や米国財務省幹部等と会談した。
(9) 25日、人的資本省は食料補助プログラム(Tarjeta Alimentar)の給付額をインフレに応じて5月から11%引き上げる旨発表した。
(10)29日、モンディーノ外相とバウシリ中銀総裁は潘功勝・中国人民銀行総裁と会談し、通貨スワップ協定更新に関する技術面での手続き等につき協議した。(11) 30日、中銀は、利益や配当金の支払いを保留している企業等にもBOPREALの購入を認める通達を公布した。
(11)30日、中銀は、利益や配当金の支払いを保留している企業等にもBOPREALの購入を認める通達を公布した。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
3月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比1.4%減、前年同月比8.4%減となった。
(2)消費
(ア)自動車販売(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 2024年計 | |
台数 | 43,282 | 40,788 | 29,715 | 25,072 | 15,942 | 33,234 | 30,176 | 22,450 | 101,802 |
前年比 | 25.1% | 23.3% | ▲27.1% | ▲25.2% | ▲27.9% | 10.3% | ▲20.8% | ▲33.6% | ▲18.0% |
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 2024年計 | |
台数 | 35,555 | 28,563 | 30,397 | 22,605 | 15,302 | 23,584 | 23,484 | 20,611 | 82,981 |
前年比 | 0.5% | ▲23.8% | 6.4% | ▲3.5% | 34.7% | ▲1.6% | ▲27.6% | ▲32.9% | ▲15.7% |
(イ)小売
3月の実質ベースのスーパーマーケット売上高(INDEC発表)は、前月比0.1%増、前年同月比9.3%減となった。
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 2024年計 | |
台数 | 56,750 | 51,937 | 56,569 | 36,973 | 22,643 | 37,491 | 43,159 | 42,974 | 146,267 |
前年比 | 8.7% | ▲0.9% | 8.9% | ▲0.4% | ▲16.7% | ▲19.0% | ▲29.4% | ▲21.0% | ▲22.6% |
(イ)製造業
3月の製造業生産指数(INDEC発表)は、前月比6.3%減、前年同月比21.2%減となった。
(ウ)建設
3月の建設活動指数(INDEC発表)は、前月比14.2%減、前年同月比42.2%減となった。
(エ)鉱業
3月の鉱業生産指数(INDEC発表)は、前月比2.8%減、前年同月比4.8%増となった。
(4)物価
3月の消費者物価指数(INDEC発表)は、前月比8.8%、前年同月比289.4%の上昇となった。
3月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比3.4%、前年同月比316.5%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、4月末には前月末比223ポイント減の1,216ポイントとなった。
(イ)為替レートは、4月末には前月末2.2%ペソ安の1ドル=876.75ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、4月末には前月末比4.5億ドル増の275.8億ドルとなった。
(6)財政
4月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比212.7%増、一次歳出が同175.8%増となった結果、基礎的財政収支は2,650億ペソの黒字となった。また、総合収支は174億ペソの黒字となった。
(7)貿易
4月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比10.7%増の6,527百万ドル、輸入が同22.7%減の4,708百万ドルとなった結果、貿易収支は1,820百万ドルの黒字となった。
(了)