アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和4年12月16日
2022年9月の経済情勢
<概要>
(1)4日、マサ経済大臣は、農業事業者が大豆及び大豆関連製品の輸出で得られた外貨の両替について1ドル=200ペソの優遇レートを9月中提供することを発表した。
(1)4日、マサ経済大臣は、農業事業者が大豆及び大豆関連製品の輸出で得られた外貨の両替について1ドル=200ペソの優遇レートを9月中提供することを発表した。
(2)15日、マサ経済大臣は、2023年予算法案を議会下院に提出した。
(3)19日、IMFは、亜政府とIMFプログラムに係る二次レビューのスタッフレベル合意が成立したことを発表した。
(3)19日、IMFは、亜政府とIMFプログラムに係る二次レビューのスタッフレベル合意が成立したことを発表した。
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1) 1日、YPF社とマレーシア国営ペトロナス社は、亜への100億ドル超の投資を含む液化天然ガス(LNG)生産計画の締結を発表した。
(2) 1日、自動車産業投資促進法案及びバイオテクノロジー促進法案が上院で可決され成立した。
(3) 1日、韓国POSCO社は、リチウム生産の拡大に向けて亜への投資額を最大40億ドルに引き上げることを発表した。
(4) 4日、マサ経済大臣は、輸出促進策として、農業事業者が大豆及び大豆関連製品の輸出で得られた外貨の両替について1ドル=200ペソの優遇レートを9月中提供することを発表した。右に対し、農業団体は9月中に50億ドルの輸出決済を行うことを約した。
(5) 6日、訪米中のマサ経済大臣は、クレバー・キャローンIDB総裁と会談を行い、本年中にIDBが12億ドルのディスバースメントを実施することを確認した。
(6) 8日、亜中央銀行は、通達第A7601号を通じ、大宗の品目について輸入代金決済を通関後180日以降に制限した通達第A7532号の期限を12月末まで延長することを決定した。
(7) 12日、訪米中のマサ経済大臣は、イエレン米財務長官及びゲオルギエバIMF専務理事とそれぞれ会談を行った。
(8) 15日、マサ経済大臣は、2023年予算法案を議会下院に提出した。GDP2.0%成長、インフレ年率60%、1ドル=269.9ペソの見通しのもとで、IMFプログラムに従って基礎的財政収支対GDP比▲1.9%を目指すもの。
(9) 15日、亜中央銀行は、政策金利を69.5%から75%に引き上げた。本年に入ってから9か月連続の引上げとなる。
(10) 15日、亜中央銀行は、公共サービス補助金受給者に対する外貨取得禁止措置を発表した。
(11) 15日、政府は、2028年までにエネルギー関連輸入280億ドル分の輸入代替を目指す「Plan Gas IV」 及び「Plan Gas V」計画の始動を発表した。
(12) 19日、国連総会への出席のため訪米中のフェルナンデス大統領は、在ニューヨーク亜総領事館においてゲオルギエバIMF専務理事と会談を行った。
(13) 19日、IMFは、亜政府とIMFプログラムに係る二次レビューのスタッフレベル合意が成立したことを発表した。
(14) 19日、亜中央銀行は、大豆輸出に係る優遇両替レートを利用した農業事業者(法人)に対する外貨取得禁止措置を発表した。
(15) 23日、連邦公共歳入庁は、国際クーリエ便による非商業目的の輸入限度額を1便当たり3,000ドルから1,000ドルに引き下げた。
(16) 24日、マサ経済大臣は、不正行為を行ったとされるクレバー・キャローンIDB総裁に対する理事会の解任議案にオンラインで賛成票を投じた。
(17) 24日、G20貿易・投資大臣会合への出席のためインドネシアを訪問中のトデスカ外務副大臣(国際経済関係担当)は、太田房江経済産業副大臣と二国間会談を行った。
(18) 28日、国家統計局は、2022年上半期の貧困率が36.5%(前期比▲0.8%)に低下した一方で、極貧率が8.8%(前期比+0.6%)増加したことを発表した。
(19) 30日、タイヤ労働組合は、賃上げについて使用者側との合意に至り、供給不足により数日間生産中止を余儀なくされていたトヨタやフォード等の生産が再開した。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
8月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.4%増、前年同月比6.4%増となった。
(2)消費:自動車販売
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 2022年計 | |
台数 | 25,432 | 33,827 | 30,861 | 33,730 | 37,236 | 29,432 | 29,171 | 34,605 | 274,441 |
前年比 | ▲4.7% | 4.5% | 3.3% | 20.4% | 32.1% | 20.8% | 11.9% | 34.6% | 10.4% |
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 2022年計 | |
台数 | 20,024 | 24,623 | 27,431 | 26,781 | 31,892 | 22,937 | 32,479 | 35,391 | 230,856 |
前年比 | 33.0% | 10.0% | 73.1% | 34.4% | 40.3% | ▲1.0% | 30.2% | 40.3% | 27.4% |
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 2022年計 | |
台数 | 37,661 | 48,746 | 43,826 | 46,422 | 48,392 | 44,033 | 54,057 | 52,193 | 393,981 |
前年比 | 72.7% | 12.9% | 49.5% | 32.8% | 20.9% | 37.9% | 40.9% | 19.9% | 28.2% |
(イ)工業生産
8月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比7.6%増となった。
(ウ)建設活動
8月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比7.3%増となった。
(4)物価
9月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比6.2%、前年同月比83.0%の上昇となった。
9月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比5.5%、前年同月比78.4%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、9月末には前月末比427ポイント増の2812ポイントとなった。
(イ)為替レートは、9月末には前月末比6.2%ペソ安の1ドル=147.3ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、9月末には前月末比9億ドル減の376.3億ドルとなった。
(6)財政
(ア)財政収支
9月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比41.9%増、一次歳出が同63.1%増となった結果、基礎的財政収支は806億ペソの黒字となった。また、総合収支は、44億ペソの赤字となった。
(イ)税収
9月の税収(経済省発表)は、前年同月比117.9%増の2兆1,272億ペソとなった。
(7)貿易
9月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比1.9%減の7,407百万ドル、輸入が同18.8%増の6,993百万ドルとなった結果、貿易収支は414百万ドルの黒字となった。
(了)