経済情報
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2014年3月アルゼンチンの経済情勢

 

2014年4月作成

在アルゼンチン大使館

 

 

1 概要

 

(1)亜国家統計局(INDEC)は、GDPの計算方法を変更して、2013年の経済成長率を3%と公表した。

 

(2)パリクラブは正式な交渉を開始するため、亜政府を5月会合に招待した。

 

(3)3月の民間コンサルタント会社8社推計のインフレ率は、前年同月比37.26%の上昇となった。3月末の為替レートは、前年同月比56.37%ペソ安の1ドル=8.0098ペソとなった。

 

 

2 経済の主な動き

 

(1)経済全般

 

 19日、フェルナンデス大統領は、オランド仏大統領と会談し、残存債務問題についての米国での裁判に、仏政府が第三者意見書を提出する決断をしたことについて感謝の意を表すとともに、パリクラブ交渉における仏政府の亜への支持に対する謝意を表した。  

 27日、経済省は、GDPの計算方法を変更したとして、2013年の経済成長率を3%と発表した。これにより、3.2%以上の経済成長率の場合に発生するGDP連動クーポンへの本年の支払い義務が不要となった。

 

(2)貿易・通商

 

 14日、佐々木三菱商事相談役(日亜経済委員会会長)は、フェルナンデス大統領と会談した(カピタニッチ官房長官、キシロフ経済相、デビード公共事業相、ジョルジ産業相同席)。  

 27日、亜政府は、EUをWTO提訴しているバイオディーゼルの件について、パネルの設置を要請した。

 

(3)金融・財政

 

 14日、パリクラブは亜の未払債務につき、正式な交渉を開始するため、亜政府を5月会合に招待した。  

 17日、民間格付会社ムーディーズは、外貨建て亜国債の格付をCaa1からCaa2に1段階引き下げた。

 24日、パリパス条項(債権者平等条項)をめぐる米国での残存債務(ホールドアウト)裁判について、第三者意見書(Amicus Brief)の提出が締め切られた。伯、墨、仏政府のほか、在米商工会議所、スティグリッツ教授等から提出がなされた。

 

(4)物価・賃金

 

 27日、亜政府は、ガス及び水道料金の補助金を削減する旨発表した。補助金は最大80%の削減となり、大幅な料金引き上げが4月、6月、8月の3段階で実施される予定。

 

 

3 経済指標の動向

 

(1)経済活動全般

 

 3月、亜政府はGDPの基準年などGDP統計の計算方法を変更して、2013年の実質GDP(INDEC発表)を前年比3.0%増と発表した。同数値は暫定値であり、7月に新たな改訂暫定値が発表される。なお、2013年第4四半期のGDPデータは公表されていない。

 1月の経済活動指数(INDEC発表)は前年同月比1.2%増、前月比▲0.4%増となった。

 

(2)消費

 

(ア)自動車販売

 3月の自動車販売台数(自動車協会(ADEFA)発表)は、前年同月比35.5%減、前月比9.2%減となった。

 

(3)工業生産・建設活動

 

(ア)工業生産

 2月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比0.6%減、前月比0.2%増となった。分野別では、基礎金属等において増加が見られた一方で、化学や紙・プラスティック等において減少が見られた。

 2月の稼働率(INDEC発表)は、前年同月比1.4%減、前月比6.4%増の70.1%となった。分野別では、石油化学や化学等において上昇が見られた一方で、金属や自動車等において下落が見られた。

 

(イ)建設活動

 2月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比5.2%減、前月比3.4%減となり、前年同月比が13ヶ月ぶりの減少となった。

 

(ウ)自動車生産

 3月の自動車生産台数(自動車協会発表)は、前年同月比26.2%減、前月比10.2%増となった。

 

(4)物価・雇用

 

(ア)物価

 全国規模の新しいCPI統計(IPCNu)では、3月のインフレ率は前月比2.6%の上昇とされた。教育費において、前月比6.2%増と、高い伸びが見られた。

 3月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比37.26%、前月比3.3%の上昇と発表された。2月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比33.9%、前月比4.4%となった(3月分は未発表)。

 3月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前年同月比25.8%、前月比2.4%の上昇となった。

 

(イ)雇用・賃金等

 2月の給与指数(INDEC発表)は、前年同月比29.07%増、前月比2.13%増となった。

 2013年第4四半期の失業率(INDEC発表)は、前年同期比0.5ポイント減、前期比0.4ポイント減の6.4%となり、また、準失業率(非自発的に週35時間未満の労働にしか従事できない者)は、前年同期比1.2ポイント減、前期比0.9ポイント減の7.8%となった。

 

(5)金融

 

(ア)Merval指数(株価指数)は、3月末には、前月末比589ポイント増の6,373ポイントとなった。

 また、EMBI+指数は、3月末には前月末比113ポイント減の800ポイントとなった。(なお、同指数は、主にドル建て流通国債に対する市場の評価を表すが、亜政府は、2002年以降ドル建て新規国債を発行していないことに留意する必要がある。)

 

(イ)為替レートは、ペソ高となり、2月末には前月末比1.67%ペソ安、前年同月比56.37%ペソ安の1ドル=8.0098ペソとなった。

 コールレートは、3月末には前月末比18.00%減の12.00%となった。民間金融機関預金残高は、3月末において、前年同月末比29.3%増の5,730億ペソとなった。対民間貸出残高は、3月末には前年同月末比29.3%増となった。

 外貨準備高は、3月末には前月末比5.39億ドル減の270.07億ドルとなった。

 

(6)財政

 

(ア)財政収支

 2月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比35.0%増、一次歳出が同44.4%増となった結果、基礎的財政収支は56.27億ペソの赤字となった。また、総合収支は、77.62億ペソの赤字となった。

 

(イ)税収

 3月の税収(経済省発表)は、前年同月比30.6%増の787.10億ペソとなった。付加価値税収が同39.1%増の25,530百万ペソ(うち、国内分については同30.9%増、税関分については52.0%増)、法人及び個人に係る所得税収が同27.8%増の14,939百万ペソ、輸出税収が同33.7%増の5,343百万ペソ、社会保障雇用主負担金が同25.7%増の12,195百万ペソとなった。

 

(ウ)債務残高

 2013年9月末の債務残高対名目GDP比は、13年6月末比1.0%減の44.6%(201,009百万ドル)となった。

 

(7)貿易

 

 2月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比6.1%減の5,393百万ドル、輸入が同2.4%増の5,349百万ドルとなった結果、貿易黒字は同91.5%減の44百万ドルとなった。輸出では、主に乳製品等が増加した一方、穀物や鉱石等が減少した。輸入では、主に燃料等が減少した一方、主に輸送機器等が増加した。

 

(8)国際収支

 

 2013年第4四半期の国際収支(INDEC発表)は、貿易収支が前年同期比353百万ドル減の2,621百万ドルの黒字、所得収支が同222百万ドル増の2,606百万ドルの赤字等となった結果、経常収支は1,721百万ドルの赤字となった。また、資本収支は、同1,059百万ドル減の1,880百万ドルの赤字となった。

 

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