アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和3年8月27日
2021年1月の経済情勢
<概要>
(1)11日、政府は、農牧団体によるストライキを受けて、トウモロコシ輸出の一時停止決定を撤回した。
(2)21日、フェルナンデス大統領は、ゲオルギエバIMF専務理事とオンライン会談を行った。
(1)11日、政府は、農牧団体によるストライキを受けて、トウモロコシ輸出の一時停止決定を撤回した。
(2)21日、フェルナンデス大統領は、ゲオルギエバIMF専務理事とオンライン会談を行った。
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1) 4日、政府は、新たな年金給付額改定法(法律27609号)を公布した。
(2) 4日、フェルナンデス大統領は、延べ16州30事業にわたる計135億ペソ規模の公共事業計画を発表した。
(3) 5日、農牧団体は、政府のトウモロコシ輸出の一時停止決定に反発し、11日から13日までの72時間のストライキ(全穀物販売の停止)を行うことを発表した。
(4) 6日、BCRA(中銀)は、通達A7201により、消費財の輸入業者による代金支払目的の外貨購入を一定期間(90~365日間)禁止することを決定した。
(5) 7日、茂木外務大臣が亜を訪問し、フェルナンデス大統領及びソラー外務大臣とそれぞれ会談を行い、基本的価値を共有する戦略的パートナーとして両国間の経済関係の強化に向けた取組みを推進することを確認した。
(6) 11日、政府は、トウモロコシ輸出の一時停止決定を撤回した。農牧団体は、輸出の完全な自由化を求めて同日から開始したストライキを継続することを発表した。
(7) 12日、証券取引委員会(CNV)は、MEP取引について、個人及び法人による最短債券保有(パーキング)期間を2日から1日に短縮するとともに、CCL取引について、ドル建て債券の売却を1週間当たり10万件までに制限することを発表した。
(8) 13日、シオリ駐伯大使は、ボルソナーロ伯大統領と会談を行い、メルコスール域外からの小麦輸入に75トンの無関税枠を設けた伯の政令に対する懸念を伝えた。
(9) 13日、政府は、新たな知識経済法(法律27570号)を施行した。
(10) 16日、運送業界は、燃料コストの増大に伴い輸送サービス料金の迅速な引上げを求め、ロサリオ都市圏へのアクセスを封鎖するなど大規模なストライキを開始した。
(11) 20日、ニールセンYPF総裁は、同社の債務再編交渉の停滞を受け、辞任することを発表した。同総裁は駐サウジアラビア大使に就任し、その後任にはゴンサレス下院議員(サンタクルス州選出)が就任することが見込まれている。
(12) 21日、フェルナンデス大統領は、ゲオルギエバIMF専務理事とオンライン会談を行った。
(13) 22日、政府は、本年中の緊急生産労働支援プログラム(ATP)や緊急家族手当(IFE)の実施を行わないことを発表した。
(14) 23日、政府は、従業員解雇・一時解雇禁止令の90日間の延長及び二重賠償制度の年末までの延長を行うことを発表した。
(15) 24日、クルファス生産開発大臣は、バカナルバハ次期駐中国大使とともに、都市型電気自動車及びリチウム電池製造に関する中国江蘇建康汽車との覚書への署名を行った。
(16) 25日、フェルナンデス大統領は、メルケル独首相とオンライン会談を行い、IMFとの債務再編交渉に対する支援を求めた。
(17) 25日、政府は、牛肉(比較的安価な10部位)に対する最大30%の値下げについて民間セクターと合意したことを発表した。
(18) 26日、フェルナンデス大統領は、チリを訪問し、太平洋横断海底ケーブルプロジェクトへ亜Arsat社が参加することで合意した。また、27日、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)において基調講演を行った。
(19) 28日、フェルナンデス大統領は、オンライン形式で開催されたダボス会議に参加し、IMFとの対話の進展を強調した。
(20) 29日、政府は、富裕税法(法律27605号)を施行した。
(21) 30日、政府は、3月以降の+3.5%の健康保険料引上げを承認した。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
12月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.9%増、前年同月比2.2%減となった。
(2)消費:自動車販売
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2021年計 | |
台数 | 23,773 | 22,475 | 28,346 | 35,065 | 33,320 | 31,431 | 38,994 | 27,303 | 27,303 |
前年比 | ▲34.9% | ▲42.7% | ▲25.4% | 30.5% | 22.5% | 37.3% | 25.2% | 6.1% | 6.1% |
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2021年計 | |
台数 | 6,875 | 9,612 | 13,606 | 17,903 | 14,845 | 11,503 | 17,200 | 11,924 | 11,924 |
前年比 | ▲60.5% | ▲51.7% | ▲27.8% | ▲17.0% | ▲23.2% | ▲35.8% | ▲9.3% | 37.2% | 37.2% |
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2021年計 | |
台数 | 15,657 | 21,316 | 25,835 | 32,149 | 28,706 | 32,570 | 30,172 | 24,308 | 24,308 |
前年比 | ▲34.5% | ▲1.5% | ▲16.2% | 16.1% | ▲9.8% | 20.2% | 107.7% | 17.5% | 17.5% |
(イ)工業生産
12月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比4.9%増となった。
(ウ)建設活動
12月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比27.4%増となった。
(4)物価
1月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比4.0%、前年同月比38.5%の上昇となった。
1月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比5.6%、前年同月比40.8%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、1月末には前月末比77ポイント増の1445ポイントとなった。
(イ)為替レートは、1月末には前月末比3.7%ペソ安の1ドル=87.30ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、1月末には前月末比1億ドル増の395.2億ドルとなった。
(6)財政
(ア)財政収支
1月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比49.9%増、一次歳出が同44.0%増となった結果、基礎的財政収支は240.7億ペソの黒字となった。また、総合収支は、30.3億ペソの赤字となった。
(イ)税収
1月の税収(経済省発表)は、前年同月比46.6%増の7,728.6億ペソとなった。
(7)貿易
1月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比7.8%増の4,912百万ドル、輸入が同8.8%増の3,844百万ドルとなった結果、貿易収支は1,068百万ドルの黒字となった。
(了)