経済情勢(月1回更新)

平成29年3月28日

2017年2月の経済情勢

1 概要
(1)アルゼンチンを訪問した北岡JICA理事長は、ミケティ副大統領、マルコーラ外務大臣及びエチェゴジェン工業生産副大臣とそれぞれ会合を行った。
(2)2月末の為替レートは、前年同月比0.83%ペソ高の1ドル=15.455ペソであった。
 
2 経済の主な動き
(1)6日、アルゼンチンを訪問した北岡JICA理事長は、ミケティ副大統領、マルコーラ外務大臣及びエチェゴジェン工業生産副大臣とそれぞれ会合を行った。マルコーラ外務大臣との会合では、亜側から、一村一品を通じた地域開発支援に関心が示された他、「改善プロジェクト」の重要性や中南米やアフリカ地域向けの三角協力の現状及び可能性について、双方で前向きな評価が示された。
(2)7日、マクリ大統領はブラジルを訪問し、テメル伯大統領と会談した。両首脳は、二国間貿易を強化し、メルコスールの対外交渉を拡大することで一致した。
(3)12日、マクリ大統領はチリを訪問し、バチェレ智大統領と会談した。両首脳は、メルコスールと太平洋同盟の収斂を促進することで一致した。
(4)20日付官報に、コンピュータ完成品(デスクトップ、ノートパソコン、タブレット)の関税(平均35%)及び同組立部品の関税(平均12%)をゼロに引き下げる政令が掲載された。組立部品については同20日から施行され、コンピュータ完成品については3月31日から施行される。
(5)21~24日、マクリ大統領はスペインを公式訪問した。同行したカブレラ工業生産大臣は、デ・ギンドス西経済・競争力大臣と会談し、EUメルコスールFTAの早期署名の実現に向けて、交渉を促進させることで一致した。
 
3 経済指標の動向
(1)経済活動全般
 12月の経済活動指数(INDEC発表)は、前年同月比0.1%減、前月比1.6%増となった。
 
(2)消費:自動車販売
 2月の自動車販売台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)は、前年同月比25.8%増、前月比23.5%増となった。
 
(3)工業生産・建設活動
 (ア)工業生産
 1月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比1.1%減となった。
 1月の稼働率(INDEC発表)は、前月比3.0%減の60.6%となった。
 
 (イ)建設活動
 1月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比2.4%減となった。
 
 (ウ)自動車生産
 2月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比29.7%減、前月比10.2%減となった。
 
(4)物価・雇用
 (ア)物価
 2月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比2.5%の上昇となった。2月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比35.6%の上昇、前月比2.2%の増加となった。また、2月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比34.3%の上昇、前月比2.1%の上昇となった。
 2月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比1.7%の上昇となった。
 
(5)金融
 (ア)Merval指数(株価指数)は、2月末には、前月末比54.86ポイント増の19,117.45ポイントとなった。
 また、EMBI+指数は、2月末には前月末比4ポイント減の466ポイントとなった。
 (イ)為替レートは、2月末には前月末比2.87%ペソ高、前年同月比0.83%ペソ高の1ドル=15.455ペソとなった。
 コールレートは、2月末には23.00%となった。対民間貸出残高は2月末には20,305億ペソとなった。
 外貨準備高は、2月末には前月末比37.21億ドル増の506.08億ドルとなった。
 
(6)財政
 (ア)財政収支
 1月の財政収支(財務・金融省発表)は、歳入が前年同月比44.0%増、一次歳出が同41.0%増となった結果、基礎的財政収支は35.87億ペソの黒字となった。また、総合収支は、55.56億ペソの赤字となった。
 
 (イ)税収
 2月の税収(以下、財務・金融省発表)は、前年同月比27.8%増の1722.21億ペソ、付加価値税収が同27.6%増の531.21億ペソ(うち、国内分については同41.5%増、税関分については10.0%増)、法人及び個人に係る所得税収が同16.3%増の353.45億ペソ、輸出税収が同69.5%減の10.71億ペソ、社会保障雇用主負担金が同41.5%増の299.65億ペソとなった。
 
(7)貿易
 1月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比9.7%増の4,234百万ドル、輸入が同7.3%増の4,340百万ドルとなった結果、貿易赤字は106百万ドルとなった。
(了)
 

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