アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

平成29年8月7日

2017年6月の経済情勢

概要
(1)20日、MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)は、MSCIエマージング指数の構成国の見直しを行ったが、期待されていた亜の格上げは見送られた。
(2)6月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比1.2%の上昇、昨年12月比で11.8%上昇となった。
(3)6月末の為替レートは、前月末比2.83%ペソ安、前年同月比11.25%ペソ安の1ドル=16.5985ペソであった。

 
 




1 経済の主な動き
(1)14日、今年第1四半期の失業率(INDEC)が発表され、9.2%と7.6%(前期)及び8.5%(前々期)と比べ、増加した。
(2)20日、MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)は、MSCIエマージング指数の構成国の見直しを行ったが、期待されていた亜の格上げは見送られた。MSCIは、その理由の1つとして、政権交代後の一連の改革が今後も維持されるかどうかしばらく見届ける必要があることを挙げている。
(3)21日、今年第1四半期の経済成長率(INDEC)が発表され、前期比1.1%増(季節調整値)、前年同期比0.3%増となった。
(4)6月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比1.2%の上昇、昨年12月比で11.8%の上昇となった。
 
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
 4月の経済活動指数(INDEC発表)は、前年同月比0.6%増、前月比0.0%増となった。
 
(2)消費自動車販売
6月の自動車販売台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)は、前年同月比26.9%増、前月比0.8%増となった。
 
(3)工業生産・建設活動
(ア)工業生産
5月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月2.7%増となった。
5月の稼働率(INDEC発表)は、前月比1.3ポイント増の65.8%となった。
 
(イ)建設活動
5月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比10.3%増となった。
 
(ウ)自動車生産
6月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比9.2%増、前月比0.5%増となった。
 
(4)物価
 6月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比1.2%の上昇、昨年12月比で11.8%の上昇となった。 6月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比23.4%の上昇、前月比1.5%の増加となった。また、6月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比23.4%の上昇、前月比1.3%の上昇となった。
6月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比1.9%の上昇となった。
 
(5)金融
(ア)Merval指数(株価指数)は、6月末には、前月末比435.98ポイント減の21,912.63ポイントとなった。
また、EMBI+指数は、6月末には前月末比23ポイント増の430ポイントとなった。
(イ)為替レートは、6月末には前月末比2.83%ペソ安、前年同月比11.25%ペソ安の1ドル=16.5985ペソとなった。
コールレートは、6月末には25.50%となった。対民間貸出残高は6月末には20,459億ペソとなった。
外貨準備高は、6月末には前月末比18.49億ドル増の479.95億ドルとなった。
 
(6)財政
(ア)財政収支
5月の財政収支(財務省発表)は、歳入が前年同月比18.5%増、一次歳出が同24.1%増となった結果、基礎的財政収支は272.39億ペソの赤字となった。また、総合収支は、440.45億ペソの赤字となった。
 
(イ)税収
6月の税収(以下、財務省発表)は、前年同月比29.8%増の2265.92億ペソ、付加価値税収が同29.8%増の621.09億ペソ(うち、国内分については同29.6%増、税関分については35.2%増)、法人及び個人に係る所得税収が同26.9%増の621.19億ペソ、輸出税収が同10.9%増の54.68億ペソ、社会保障雇用主負担金が同26.3%増の310.96億ペソとなった。
 
(7)貿易
5月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比1.3%増の5,415百万ドル、輸入が同23.5%増の6,057百万ドルとなった結果、貿易赤字は643百万ドルとなった。
 
(了)

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