アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

平成29年6月30日

2017年5月の経済情勢

1 概要
(1)18-20日マクリ大統領は訪日した。19日、安倍総理と首脳会談を行い、同会談後、共同プレス声明が発出された。
(2)5月末の為替レートは、前年同月比15.20%ペソ安の1ドル=16.1420ペソであった。
 
2 経済の主な動き
(1)18-20日、マクリ大統領は日本を公式訪問した。19日、安倍総理と首脳会談を行い、同会談後、二国間関係の更なる深化及び日・亜戦略的パートナーシップの更なる強化に対するコミットメントを再確認する内容の共同プレス声明が発出された。また、マクリ大統領は、日・亜経済フォーラム、日本企業幹部との会合等にも出席した。
(2)亜政府は、パリクラブ債務返済(年1回支払)のため、3回に分けて合計12.22億ドル(23日3.66億ドル、24日5.56億ドル、26日3億ドル)の送金を実施した。
(3)29日、モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表が亜を訪問し、マクリ大統領及びマルコーラ外務大臣と会談した。
(4)29日、マルコーラ外相の辞任およびフォリー駐フランス大使の外相就任が発表された。
(5)5月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比1.3%の上昇となった。
 
3 経済指標の動向
(1)経済活動全般
 3月の経済活動指数(INDEC発表)は、前年同月比0.8%増、前月比1.9%増となった。
 
(2)消費:自動車販売
 5月の自動車販売台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)は、前年同月比31.7%増、前月比16.7%増となった。
 
(3)工業生産・建設活動
(ア)工業生産
 4月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月2.3%減となった。
 4月の稼働率(INDEC発表)は、前月比1.2ポイント減の64.5%となった。
 
(イ)建設活動
 4月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比10.5%増となった。
 
(ウ)自動車生産
 5月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比13.8%増、前月比20.0%増となった。
 
(4)物価・雇用
(ア)物価
 5月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前年同月比24.0%の上昇、前月比1.3%の上昇となった。 5月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比25.4%の上昇、前月比1.8%の増加となった。また、5月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比25.2%の上昇、前月比1.8%の上昇となった。
 5月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比0.9%の上昇となった。
 
(5)金融
(ア)Merval指数(株価指数)は、5月末には、前月末比1328.70ポイント増の22,348.61ポイントとなった。
 また、EMBI+指数は、5月末には前月末比1ポイント減の407ポイントとなった。
(イ)為替レートは、5月末には前月末比4.64%ペソ安、前年同月比15.20%ペソ安の1ドル=16.1420ペソとなった。
 コールレートは、5月末には25.50%となった。対民間貸出残高は5月末には19,781億ペソとなった。
 外貨準備高は、5月末には前月末比20.71億ドル減の461.46億ドルとなった。
 
(6)財政
(ア)財政収支
 4月の財政収支(財務省発表)は、歳入が前年同月比38.0%増、一次歳出が同38.6%増となった結果、基礎的財政収支は186.64億ペソの赤字となった。また、総合収支は、490.12億ペソの赤字となった。
 
(イ)税収
 5月の税収(以下、財務省発表)は、前年同月比21.0%増の2060.55億ペソ、付加価値税収が同30.5%増の597.34億ペソ(うち、国内分については同35.3%増、税関分については28.4%増)、法人及び個人に係る所得税収が同18.0%増の522.77億ペソ、輸出税収が同14.0%減の67.89億ペソ、社会保障雇用主負担金が同28.1%増の315.82億ペソとなった。
 
(7)貿易
 4月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比1.5%増の4,825百万ドル、輸入が同12.2%増の4,964百万ドルとなった結果、貿易赤字は139百万ドルとなった。
(了)

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