アルゼンチン経済情勢（月1回更新）

1 経済の主な動き（報道ぶり等）

（1） 1日、フェルナンデス大統領は、英グラスゴーで開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議（COP26）に出席した。
（2） 1日、フェルナンデス大統領は、豪Fortescue社によるリオネグロ州におけるグリーン水素製造のための84億ドルの投資計画を受領した。
（3） 2日、政府は、電気料金凍結措置を2022年4月30日まで延長することを決定した。
（4） 4日、非正規為替レート（ブルーレート）が1ドル＝200ペソに達し、公式レートとの乖離率が約100％となった。
（5） 4日、フェルナンデス大統領は、上海において開催された中国国際輸入博覧会の開会式にオンライン形式で出席した。
（6） 6日、政府は法律第754号を公布し、水産物全般の輸出税率を2～7％引き下げた。
（7） 8日、フェレッティ生産開発副大臣（国内通商担当）は、医薬品の価格を2022年1月7日まで凍結することを発表した。
（8） 11日、フェルナンデス大統領は、加Lundin Mining社によるサンフアン州における金・銀・銅などの金属資源開発のための41億ドルの投資計画を受領した。
（9） 14日、フェルナンデス大統領は、議会中間選挙の結果を受け、引き続きグスマン経済大臣にIMFとの新プログラム交渉を担当させることに加え、12月初旬に複数年経済計画を議会に提出することを発表した。
（10） 23日、エレーロ・トヨタアルゼンチン社長はフェルナンデス大統領と会談し、2022年以降、サラテ工場の生産能力拡大により年間生産台数を＋2．7万台増加させることを報告した。
（11） 25日、BCRAは、外貨流出抑制のため外国旅行・観光サービスに対するクレジットカード分割払いを禁止する措置を発表した。

 
2 経済指標の動向
 
（1）経済活動全般
　10月の経済活動指数（INDEC発表）は、前月比0.8％増、前年同月比6.7％増となった。
 
（2）消費：自動車販売

	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	2021年計
台数	29,876	28,025	28,187	24,369	26,069	25,700	25,291	27,811	301,666
前年比	297.7%	39.9%	18.6%	8.4%	▲8.0%	▲26.7%	▲24.1%	▲11.5%	10.2%

 
（参考）自動車輸出台数（自動車生産者協会（ADEFA）発表）

	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	2021年計
台数	15,848	19,919	22,737	23,177	24,937	25,230	25,938	32,513	239,672
前年比	564.2%	517.3%	230.7%	141.1%	83.3%	40.9%	74.7%	182.6%	98.6%

 
（3）工業生産・建設活動
（ア）自動車生産

	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	2021年計
台数	29,315	34,953	40,035	31,935	38,362	43,535	41,002	46,490	394,904
前年比	皆増	627.9%	155.7%	49.8%	48.5%	35.4%	42.8%	42.7%	74.0%

 
（イ）工業生産
　10月の工業生産指数（INDEC発表）は、前年同月比4.3％増となった。
 
（ウ）建設活動
　10月の建設活動指数（INDEC発表）は、前年同月比8.4％増となった。
 
（4）物価
　11月のCPI統計（INDEC発表インフレ率）は、前月比2.5％、前年同月比51.2％の上昇となった。
　11月の卸売物価指数（INDEC発表）は、前月比2.9％、前年同月比54.5％の上昇となった。
 
（5）金融
（ア）EMBI＋指数は、11月末には前月末比202ポイント増の1914ポイントとなった。
（イ）為替レートは、11月末には前月末比1.2％ペソ安の1ドル＝100.93ペソとなった。
（ウ）外貨準備高は、11月末には前月末比13億ドル減の415.3億ドルとなった。
 
（6）財政
（ア）財政収支
　11月の財政収支（経済省発表）は、歳入が前年同月比69.0％増、一次歳出が同74.0％増となった結果、基礎的財政収支は1,346.5億ペソの赤字となった。また、総合収支は、2,420.9億ペソの赤字となった。
 
（イ）税収
　11月の税収（経済省発表）は、前年同月比59.5％増の1兆350億ペソとなった。
 
（7）貿易
　11月の貿易（INDEC発表）は、輸出が前年同月比40.6％増の6,164百万ドル、輸入が同40.2％増の5,767百万ドルとなった結果、貿易収支は397百万ドルの黒字となった。