アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

令和6年5月7日

2024年3月の経済情勢

<概要>
(1)11日、中央銀行は、政策金利(翌日物リバースレポ取引の利率)の引き下げを行った。実効利子率で年率171.46%から122.36%に引き下げられた。
(2)21日~23日、モンディーノ外相が訪日した。上川外務大臣、盛山文部科学大臣と会談を行うとともに、JICA、JETRO、IDB日本事務所等の関係者との面会も行った。

1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1)1日、連邦議会第142回通常議会が開会した。ミレイ大統領は施政方針演説で、経済・財政改革の次なる一手として、10箇条からなる「五月協定」を打ち出し、州知事をはじめ各政治セクターに支持を呼びかけた。
(2)7日、アンデス開発公社(CAF)の年次総会で、アルゼンチンに対する4億ドル相当の融資が承認された。食料補助プログラムの実施の財源に充てられる予定。
(3)7~9日、カプート経済大臣はドミニカ共和国を訪問し、IDBの年次総会に出席するとともに、クリス・ドッド米大統領特別顧問、カプラン米財務省西半球担当次官補、ゴールドファインIDB総裁、ブラジル・パラグアイ・クロアチア・チリ・ウルグアイの財政・経済当局者とのバイ会談を行った。同行したキルノ副大臣は、林信光JBIC総裁との会談も行った
(4)11日、中央銀行は、政策金利(翌日物リバースレポ取引の利率)の引き下げを行った。実効利子率で年率171.46%から122.36%に引き下げられた。
(5)11日~12日、経済省は2024年に償還期限を迎える約55兆ペソの債務の借換えを実施した。対象となる債務の多くを公共セクターが有していたことを背景として、77%にあたる約42.6兆ペソの借換えが実現した。
(6)14日、中央銀行は、食品や日用品の輸入代金支払い条件を緩和する通達を公布した。また19日には、連邦歳入庁(AFIP)が、食品や日用品の輸入について120日間、前払い所得税及び同付加価値税の課税を免除する措置を発表した。
(7)21日~23日、モンディーノ外相が訪日した。上川外務大臣、盛山文部科学大臣と会談を行うとともに、JICA、JETRO、IDB日本事務所等の関係者との面会も行った。
(8)25日、政府は、年金支給額をインフレ率に応じて毎月更新する旨の必要緊急大統領令を公布した。7月支給分から適用される。
(9)26日、バルデスIMF西半球局長はブエノスアイレスを訪問した。カプート経済大臣らと会談を行うとともに、米州国際経済フォーラム(IEFA)で講演した。

2 経済指標の動向
(1)経済活動全般

2月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.2%減、前年同月比3.2%減となった。
 
(2)消費:自動車販売 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 2024年計
台数 30,294 43,282 40,788 29,715 25,072 15,942 33,234 30,176 79,352
前年比 3.8% 25.1% 23.3% ▲27.1% ▲25.2% ▲27.9% 10.3% ▲20.8% ▲12.1%

(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 2024年計
台数 28,862 35,555 28,563 30,397 22,605 15,302 23,584 23,484 62,370
前年比 ▲11.1% 0.5% ▲23.8% 6.4% ▲3.5% 34.7% ▲1.6% ▲27.6% ▲7.9%

(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 2024年計
台数 63,455 56,750 51,937 56,569 36,973 22,643 37,491 43,159 103,293
前年比 17.4% 8.7% ▲0.9% 8.9% ▲0.4% ▲16.7% ▲19.0% ▲29.4% ▲23.2%

)工業生産
2月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比9.9%減となった。
 
(ウ)建設活動
2月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比24.6%減となった。

(4)物価
 3月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比11.0%、前年同月比287.9%の上昇となった。
 3月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比5.4%、前年同月比330.6%の上昇となった。

(5)金融
(ア)EMBI+指数は、3月末には前月末比266ポイント減の1,439ポイントとなった。
(イ)為替レートは、3月末には前月末1.8%ペソ安の1ドル=857.42ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、3月末には前月末比4.4億ドル増の271.3億ドルとなった。
 
(6)財政
 3月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比203.7%増、一次歳出が同148.8%増となった結果、基礎的財政収支は6,250億ペソの黒字となった。また、総合収支は2,766億ペソの黒字となった。
 
(7)貿易
 3月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比11.5%増の6,394百万ドル、輸入が同36.7%減の4,335百万ドルとなった結果、貿易収支は2,059百万ドルの黒字となった。
 
(了)

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