アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

令和5年3月14日

2022年12月の経済情勢

 
<概要>
(1) 22日、IMF理事会は、亜のEFFプログラムに係る三次レビュー結果を承認し、約60億ドルのディスバースメントが即日実行された。


1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1) 1日、政府は政令第799/2022号を通じ、2023年予算法を公布した。
(2) 5日、マサ経済大臣及びスタンリー駐亜米国大使は、米亜間の税務情報自動交換協定を締結した。同協定は2023年1月1日から発効する。
(3) 6日、第61回メルコスール首脳会合がウルグアイ・モンテビデオにおいて開催され、亜がウルグアイから半年間の議長国任期を引き継いだ。
(4) 6日、ラテンアメリカ開発銀行(CAF)は、亜のインフラ整備に係る計4.3億ドルの融資計画二件を承認した。
(5) 7日、世界銀行は、亜のデジタルトランスフォーメーションに係る2億ドルの融資計画を承認した。
(6) 8日、マサ経済大臣は、2023年1月1日から所得税の課税最低所得を40万4062ペソに引き上げることを発表した。
(7) 12日、ロジョン経済副大臣(エネルギー担当)は、ネストル・キルチネル・ガスパイプライン第二期敷設工事に係る約6.9億ドルの融資について伯国立経済社会開発銀行(BNDES)と合意したことを発表した。
(8) 14日、政府は、労働強化計画「Plan Potenciar Trabajo」の参加者に対し1.3万ペソの年末一時金を支給することに加え、一部の正規労働者への年末一時金の支給を雇用主に義務付けることを発表した。
(9) 17日、マサ経済大臣及びルセンティーニ駐亜伊大使は、10月のパリクラブのリスケ枠組み合意に基づく二国間協定を締結した。
(10)21日、カフィエロ外務大臣は、「2023年国家輸出促進プログラム」を発表し、2022年の財及びサービスの輸出額が1,000億ドルを超える見通しを示した。
(11)22日、IMF理事会は、亜のEFFプログラムに係る三次レビュー結果を承認し、約60億ドルのディスバースメントが即日実行された。
(12)27日、ハリル・カタマルカ州知事及びゴンサレスYPF社長並びにサルバレッサY-TEC社長は、同州におけるリチウムイオン電池製造工場の建設に向けた枠組み合意を締結した。
(13)27日、国家通信機構(ENACOM)は、5G周波数の割り当て帯域を決定し、5G総合利用規則を承認した。
(14)28日、中国Tsingshan Holdings社は、サルタ州におけるセンテナリオ・ラトネス投資計画について、投資額を計7億ドル以上に倍増させることを発表した。
 
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
 11月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.7%減、前年同月比2.6%増となった。
 
(2)消費:自動車販売
  5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2022年計
台数 33,730 37,236 29,432 29,171 34,605 33,087 35,212 33,517 376,257
前年比 20.4% 32.1% 20.8% 11.9% 34.6% 30.8% 26.6% 2.4% 12.5%
 
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
      5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2022年計
台数 26,781 31,892 22,937 32,479 35,391 37,326 31,365 22,605 322,286
前年比 34.4% 40.3% ▲1.0% 30.2% 40.3% 43.9% ▲3.5% 15.2% 24.3%
 
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産
  5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2022年計
台数 46,422 48,392 44,033 54,057 52,193 52,415 53,378 37,119 536,893
前年比 32.8% 20.9% 37.9% 40.9% 19.9% 27.8% 14.8% ▲6.9% 23.5%
 
(イ)工業生産
11月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比1.4%増となった。
 
(ウ)建設活動
11月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比1.5%減となった。
 
(4)物価
 12月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比5.1%、前年同月比94.8%の上昇となった。
12月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比6.1%、前年同月比94.8%の上昇となった。
 
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、12月末には前月末比35ポイント減の2213ポイントとなった。
(イ)為替レートは、12月末には前月末比5.9%ペソ安の1ドル=177.1ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、12月末には前月末比66億ドル増の446.0億ドルとなった。
 
(6)財政
(ア)財政収支
12月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比58.5%増、一次歳出が同41.2%増となった結果、基礎的財政収支は4,415億ペソの赤字となった。また、総合収支は、6,851億ペソの赤字となった。
(イ)税収
12月の税収(経済省発表)は、前年同月比95.6%増の2兆3,075億ペソとなった。
 
(7)貿易
12月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比7.1%減の6,119百万ドル、輸入が同19.3%減の5,017百万ドルとなった結果、貿易収支は1,102百万ドルの黒字となった。
 
 

 

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