アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

令和7年1月28日

2024年11月の経済情勢

〈概要>
(1)9-14日、パソ経済省調整担当長官(生産・商業・産業・農業総括担当)は訪日し、松尾経済産業審議官、渡邉農林水産審議官とそれぞれ会談するとともに、企業代表者との面会や現場視察を行った。
(2)13日、中銀は、2万ペソ紙幣の流通を開始した。

1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1)1日、中銀は、政策金利を名目利子率で5ポイント引き下げ年率35%とした。(実効利子率では年率49.15%から41.88%への引き下げとなった。)
(2)4日、フランコス内閣官房長官、カプート経済相、ゴンザレス経済省調整担当長官(エネルギー・鉱業担当)らは、コルドバで開かれたティオプヒオ-ラ・カルロタ統合ガスパイプラインの開通式に参加した。同パイプラインはバカ・ムエルタ産の天然ガスを北部地域に供給するもの。
(3)6日、旅客荷物等のハンドリングサービスを行うインターカーゴ社が事前予告なしのストライキを行い、アエロパルケ空港及びエセイサ空港を発着する一部の便に遅延及び運休が発生した。
(4)9-14日、パソ経済省調整担当長官(生産・商業・産業・農業総括担当)は訪日し、松尾経済産業審議官、渡邉農林水産審議官とそれぞれ会談するとともに、企業代表者との面会や現場視察を行った。
(5)11日、政府は、郵便事業の規制緩和を行う政令を公布した。
(6)13日、政府は、不動産プロジェクトにおいて区画・住戸ごとに抵当権を分割して設定することを可能にする必要緊急大統領令を公布した。
(7)13日、中銀は、2万ペソ紙幣の流通を開始した。
(8)13日、COP29に参加していたアルゼンチン代表団は、ミレイ大統領の指示を受け、交渉から離脱した。他方、アルゼンチン中央政府の指示を受けていないコルドバ州やサンタフェ州等の地方政府関係者等はその後も参加していた。
(9)19日、カプート経済相とシルベイラ伯エネルギー相は、G20リオデジャネイロ・サミットにあわせてバイ会談を実施し、バカ・ムエルタ産天然ガスをブラジル向けに供給する協定に締結した。
(10)19日、政府は、パラグアイ-パラナ河川水路の民営化に向けた入札の実施を発表した。
(11)20日、政府はサンタフェ州及びコルドバ州政府とともに、サンタフェ-コルドバ州間の水道本菅施工事業を進めるため、サウジアラビア開発基金と1億ドルの保証契約に署名した。
(12)21日、中銀は、自己保有の外貨による財とサービスの輸入代金の支払い条件を緩和する通達を公布した。
(13)26日、税務・税関庁は、輸入に係る外貨アクセス税(通称PAIS税)の前払い義務を廃止する決議を公布した。
(14)28日、中銀は、穀物の輸出代金のペソ交換期日を延長するとともに、一部のサービスの輸入に係る輸入代金の支払い可能時期を短くする通達を公布した。
(15)28日、外務省は西IE大学及びGlobant社と共同で、革新的な起業を促進するイベント「IE International Venture Day Argentina 2024」を実施した。

2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
 10月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.6%増、前年同月比0.7%減となった。

 ()自動車販売 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 2024年計
台数 22,450 27,851 32,333 33,043 38,682 44,488 43,627 40,118 361,944
前年比 ▲33.6% ▲27.9% ▲26.7% 6.8% 27.7% 2.8% 7.0% 35.0% ▲5.2%
 
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 2024年計
台数 20,611 22,974 20,884 28,330 32,754 31,918 35,965 32,262 288,068
前年比 ▲32.9% ▲24.1% ▲10.3% ▲1.2% 13.5% ▲10.2% 25.9% 6.1% ▲5.3%
 
小売販売
9月のスーパーマーケット販売指数(INDEC発表)は、前月比0.4%減、前年同月比12.8%減となった。
 
(3)工業生産・建設活動
)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 2024年計
台数 42,974 38,440 32,029 44,436 51,650 49,611 52,419 53,701 468,553
前年比 ▲21.0% ▲27.9% ▲40.2% ▲9.8% ▲18.6% ▲12.6% 0.9% ▲5.1% ▲18.3%
 
製造業
10月の製造業生産指数(INDEC発表)は、前月比0.8%減、前年同月比2.0%減となった。
 
(ウ)建設活動
10月の建設活動指数(INDEC発表)は、前月比4.0%減、前年同月比24.5%減となった。
 
(エ)鉱業活動
10月の鉱業生産指数(INDEC発表)は、前月比1.0%減、前年同月比3.6%増となった。
 
(4)物価
11月の消費者物価指数(INDEC発表)は、前月比2.4%、前年同月比166.6%の上昇となった。
11月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比1.4%、前年同月比155.2%の上昇となった。
 
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、11月末には前月末比232ポイント減の752ポイントとなった。
(イ)為替レートは、11月末には前月末2.1%ペソ安の1ドル=1011.75ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、11月末には前月末比16.0億ドル増の302.1億ドルとなった。
 
(6)財政
10月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比167.8%増、一次歳出が同125.1%増となった結果、基礎的財政収支は7,469億ペソの黒字となった。また、総合収支は5,234億ペソの黒字となった。
 
(7)貿易
10月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比30.0%増の7,016百万ドル、輸入が同4.9%増の6,128百万ドルとなった結果、貿易収支は888百万ドルの黒字となった。
                                           (了)

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