アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

令和7年7月17日

2025年1月の経済情勢

<概要>
(1)8日、経済省は、大型投資奨励制度(RIGI)第一号案件として、YPF Luz社がメンドーサ州で実施するエル・ケマード太陽光発電所プロジェクトを承認した。
(2)17日、経済省は、外貨建てでの価格表示を認める決議を公布した。
(3)23日、カプート経済相は、大豆、小麦、大麦、グレーンソルガム、トウモロコシ、ヒマワリなどの主要農産品の輸出税率を、6月末日まで時限的に引き下げるとともに、その他の農産品に関しては、期間を設けず完全に輸出税を撤廃する旨発表した。
(4)28日、政府は、卸売電力市場(MEM)の規制緩和を行う政令を公布した。

1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1)8日、経済省は、大型投資奨励制度(RIGI)第一号案件として、YPF Luz社がメンドーサ州で実施するエル・ケマード太陽光発電所プロジェクトを承認した。
(2)10日 政府は43.6億ドル(うち37億ドルは民間の国債保有者向け)の債務返済を実行した。
(3)16日、政府は、エチオピアとオープンスカイ協定を締結した。20日にはカタールと、23日にはトルコと同協定を締結した。
(4)17日、経済省は、外貨建てでの価格表示を認める決議を公布した。
(5)20日、政府は、中国中車(CRRC)グループから新たに鉄道車両3台を200万米ドルで購入するとともに、1億3000万ドルで整備に必要な部品を優先的に調達可能とした。
(6)23日、カプート経済相は、大豆、小麦、大麦、グレーンソルガム、トウモロコシ、ヒマワリなどの主要農産品の輸出税率を、6月末日まで時限的に引き下げるとともに、その他の農産品に関しては、期間を設けず完全に輸出税を撤廃する旨発表した。
(7)26日、アルゼンチンとインドの間で、鉱物資源に関する第1回合同作業部会が開催された。
(8)28日、政府は、卸売電力市場(MEM)の規制緩和を行う政令を公布した。
(9)31日、中銀は、政策金利を名目利子率で3ポイント引き下げて年率29%とした。(実効利子率では年率37.69%から33.63%への引き下げとなった)
(10)31日、政府は、電気とガスの料金改定を実施し、低取得者向けと中所得者向けの割引を統一した。
(11)31日、政府は、一定の条件を満たした環境配慮車の輸入関税を引き下げるとともに、年間5万台を上限に輸入関税を無税とする政令を公布した。 

2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
12月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.5%増、前年同月比5.5%増となった。

(2)消費 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
)自動車販売 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
 
  6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2025年計
台数 32,333 33,043 38,682 44,488 43,627 40,118 49,462 34,089 34,089
前年比 ▲26.7% 6.8% 27.7% 2.8% 7.0% 35.0% 97.3% 113.8% 113.8%

(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2025年計
台数 20,884 28,330 32,754 31,918 35,965 32,262 26,667 11,132 11,132
前年比 ▲10.3% ▲1.2% 13.5% ▲10.2% 25.9% 6.1% 22.3% ▲27.3% ▲27.3%
 
小売販売
12月のスーパーマーケット販売指数(INDEC発表)は、前月比0.3%減、前年同月比3.3%減となった。

(3)工業生産・建設活動
)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2025年計
台数 32,029 44,436 51,650 49,611 52,419 53,701 38,018 30,058 30,058
前年比 ▲40.2% ▲9.8% ▲18.6% ▲12.6% 0.9% ▲5.1% 2.8% 32.7% 32.7%

製造業
12月の製造業活動指数(INDEC発表)は、前月比0.2%増、前年同月比8.4%増となった。
 
(ウ)建設活動
12月の建設活動指数(INDEC発表)は、前月比3.1%増、前年同月比10.2%減となった。
 
(エ)鉱業活動
12月の鉱業生産指数(INDEC発表)は、前月比0.6%減、前年同月比0.5%増となった。

(4)物価
1月の消費者物価指数(INDEC発表)は、前月比2.2%、前年同月比84.5%の上昇となった。
1月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比1.5%、前年同月比43.8%の上昇となった。
 
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、1月末には前月末比17ポイント減の618ポイントとなった。
(イ)為替レートは、1月末には前月末2.0%ペソ安の1ドル=1053.50ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、1月末には前月末比13.0億ドル減の283.1億ドルとなった。
 
(6)財政
12月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比133.5%増、一次歳出が同79.7%増となった結果、基礎的財政収支は1兆3,010億ペソの赤字となった。また、総合収支は1兆5,573億ペソの赤字となった。
 
(7)貿易
12月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比33.4%増の7,035百万ドル、輸入が同26.2%増の5,369百万ドルとなった結果、貿易収支は1,666百万ドルの黒字となった。
                                               (了)

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