アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和4年8月24日
2022年6月の経済情勢
<概要>
(1) 4日、フェルナンデス大統領は、クルファス生産開発大臣の辞任を要請し、後任にシオリ駐伯大使を起用した。
(1) 4日、フェルナンデス大統領は、クルファス生産開発大臣の辞任を要請し、後任にシオリ駐伯大使を起用した。
(2)16日、政府は、必要緊急大統領令により2021年延長予算の修正を行った。
(3)24日、IMF理事会は、亜の新プログラムに係る一次レビューの結果を承認した。
(3)24日、IMF理事会は、亜の新プログラムに係る一次レビューの結果を承認した。
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1) 2日、亜中央銀行(BCRA)は、サービス輸出について、一定条件下で輸出代金のペソ両替義務を緩和する措置を発表した。
(2) 3日、政府は、ネストル・キルチネル・ガスパイプラインの建設に係る入札を開始した。
(3) 4日、フェルナンデス大統領は、クルファス生産開発大臣の辞任を要請し、後任にシオリ駐伯大使を起用することを発表した(15日付就任)。
(4) 6日、政府は、コモディティ価格の高騰に伴う企業の想定外の収入(renta inesperada)に対する課税のための法案を国会に提出した。
(5) 8日、IMFは、亜の新プログラムに係る一次レビューについて、亜政府とスタッフレベル合意に達した旨発表した。
(6) 14日、政府は、銅輸出の任意登録制度を導入した。これにより、企業は銅の輸出税について、4.5%の固定税率か、国際価格に応じた0~8%の変動税率かを選択できる。
(7) 16日、政府は、必要緊急大統領令(DNU)第331/2022号を通じ、2021年延長予算の修正を行った。
(8) 16日、政府は、DNU第332/2022号を通じ、電力及びガスの公共サービス補助金について、所得に応じた階層化制度の登録を開始することを発表した。
(9) 16日、BCRAは、政策金利を3ポイント引き上げ52%に設定した。
(10) 24日、IMF理事会は、亜の新プログラムに係る一次レビューの結果を承認した。右を受け亜に対し30億SDR(約40億米ドル)のディスバースメントが実施された。
(11) 27日、BCRAは、通達第A7532号を通じ、輸入代金の支払いに係る資本規制を更に強化する措置を発表した。
(12) 29日、政府は、30日に期限を迎える解雇時二重賠償制度の延長措置を行わない旨確認した。
(13) 29日、中国Zijin Mining Groupの子会社Liex社は、カタマルカ州におけるリチウム開発計画への投資額を約8億ドルへ倍増させることを発表した。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
5月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.3%増、前年同月比7.4%増となった。
(2)消費:自動車販売
11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 2022年計 | |
台数 | 27,811 | 32,723 | 20,147 | 25,432 | 33,827 | 30,861 | 33,730 | 37,236 | 181,233 |
前年比 | ▲11.5% | ▲16.1% | ▲26.2% | ▲4.7% | 4.5% | 3.3% | 20.4% | 32.1% | 5.1% |
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 2022年計 | |
台数 | 32,513 | 19,615 | 9,298 | 20,024 | 24,623 | 27,431 | 26,781 | 31,892 | 140,049 |
前年比 | 182.6% | 14.0% | ▲22.0% | 33.0% | 10.0% | 73.1% | 34.4% | 40.3% | 29.8% |
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産
11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 2022年計 | |
台数 | 46,490 | 39,849 | 18,651 | 37,661 | 48,746 | 43,826 | 46,422 | 48,392 | 243,698 |
前年比 | 42.7% | 32.1% | ▲23.3% | 72.7% | 12.9% | 49.5% | 32.8% | 20.9% | 25.9% |
(イ)工業生産
5月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比11.9%増となった。
(ウ)建設活動
5月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比19.9%増となった。
(4)物価
6月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比5.3%、前年同月比64.0%の上昇となった。
6月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比4.8%、前年同月比57.3%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、6月末には前月末比510ポイント増の2428ポイントとなった。
(イ)為替レートは、6月末には前月末比4.2%ペソ安の1ドル=125.2ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、6月末には前月末比12億ドル増の427.9ルとなった。
(6)財政
(ア)財政収支
6月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比59.6%増、一次歳出が同65.3%増となった結果、基礎的財政収支は3,216.4億ペソの赤字となった。また、総合収支は、3,965.8億ペソの赤字となった。
(イ)税収
6月の税収(経済省発表)は、前年同月比82.1%増の1兆6,809億ペソとなった。
(7)貿易
6月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比20.9%増の8,432百万ドル、輸入が同44.6%増の8,547百万ドルとなった結果、貿易収支は115百万ドルの赤字となった。
(了)