アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

令和4年5月16日

2022年2月の経済情勢

 

概要>
(1) 1日、亜原子力発電社と中国核工業集団は、亜で4基目の原子力発電所となるアトゥーチャ3号プロジェクトの契約に署名した。
(2) 6日、フェルナンデス大統領は習近平中国国家主席と会談を行い、「一帯一路」構想への亜の参加及び中国による総額237億ドル規模の投融資等について発表した。
 


1 経済の主な動き(報道ぶり等)

(1) 1日、亜原子力発電社と中国核工業集団は、亜で4基目の原子力発電所となるアトゥーチャ3号プロジェクトの契約に署名した。中国による投資は83億ドル規模となる。
(2) ゴンサレスYPF社長は、石油及びガスの生産拡大のため2021年に27億ドルを、2022年に37億ドルを投資することを発表した。
(3) 3日、フェルナンデス大統領はプーチン露大統領と会談を行い、その中で亜がIMFや米国に対する依存を断ち切らなければならない旨発言した。
(4) 4日、中国紫金鉱業集団は、カタマルカ州における炭酸リチウムプラントの建設に3.8億ドルを投資することを発表した。
(5) 4日、英リオ・ティント社は、サルタ州における炭酸リチウムプラントの建設に1億ドルを投資することを発表した。
(6) 6日、フェルナンデス大統領は習近平中国国家主席と会談を行い、「一帯一路」構想への亜の参加及びそれに伴う中国による総額237億ドル規模の投融資等について発表した。
(7) 7日、YPF社は、サンフアン州における太陽光発電所の建設に0.9億ドルを投資することを発表した。
(8) 10日、政府は、中国との通貨スワップ協定を30億ドル相当拡大させる方針で合意したことを発表した。
(9) 11日、政府は必要緊急大統領令第76/22号を通じ、バカ・ムエルタを起点とするネストル・キルチネル・ガスパイプライン建設計画の事業を開始した。
(10) 17日、中央銀行は、政策金利(LELIQ金利)を2か月連続で引き上げ、42.5%とすることを決定した。
(11) 22日、トロッツェンバーグ世界銀行専務理事は、グスマン経済大臣と会談を行い、2022年中に亜に対し20億ドルを融資する方針を伝えた。
(12) 23日、VISTA社は、本年バカ・ムエルタにおいて4億ドルを投資することを発表した。
(13) 23日、加First Quantum Minerals社は、サルタ州における銅鉱山の開発に36億ドルを投資することを発表した。



2 経済指標の動向
 
(1)経済活動全般
 1月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.7%増、前年同月比5.1%増となった。
 
(2)消費:自動車販売
  7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 2022年計
台数 24,369 26,069 25,700 25,291 27,811 32,723 20,147 25,432 45,579
前年比 8.4% ▲8.0% ▲26.7% ▲24.1% ▲11.5% ▲16.1% ▲26.2% ▲4.7% ▲15.6%
 
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 2022年計
台数 23,177 24,937 25,230 25,938 32,513 19,615 9,298 20,024 29,322
前年比 141.1% 83.3% 40.9% 74.7% 182.6% 14.0% ▲22.0% 33.0% 8.7% 
 
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産
  7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 2022年計
台数 31,935 38,362 43,535 41,002 46,490 39,849 18,651 37,661 56,312
前年比 49.8% 48.5% 35.4% 42.8% 42.7% 32.1% ▲23.3% 72.7% 22.1%
 
(イ)工業生産
 1月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比0.3%減となった。
 
(ウ)建設活動
 1月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比5.0%減となった。
 
(4)物価
 2月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比4.7%、前年同月比52.3%の上昇となった。
 2月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比4.7%、前年同月比46.8%の上昇となった。
 
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、2月末には前月末比93ポイント増の1816ポイントとなった。
(イ)為替レートは、2月末には前月末比2.3%ペソ安の1ドル=107.44ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、2月末には前月末比6億ドル減の370.2億ドルとなった。
 
(6)財政
(ア)財政収支
 2月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比62.0%増、一次歳出が同68.3%増となった結果、基礎的財政収支は762.8億ペソの赤字となった。また、総合収支は、1,369.0億ペソの赤字となった。
 
(イ)税収
 2月の税収(経済省発表)は、前年同月比62.8%増の1兆1,665億ペソとなった。
 
(7)貿易
 2月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比34.9%増の6,443百万ドル、輸入が同51.7%増の5,634百万ドルとなった結果、貿易収支は809百万ドルの黒字となった。
(了)
 

 

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