2016年9月アルゼンチンの経済情勢
2016年10月作成
在アルゼンチン大使館
概要
(1)IMF対亜四条協議が実施された。IMF対亜四条協議終了に伴い発表されたIMFプレスリリースの中で、IMFはマクリ政権の経済政策を賞賛するとともに、中期的財政計画が必要であるとした。
(2)9月末の為替レートは、前年同月比62.04%ペソ安の1ドル=15.2633ペソであった。
経済の主な動き
(1)12日~15日、亜政府主催で、アルゼンチン・ビジネス投資フォーラムが開催された。開催期間中、68カ国から約4,200名の企業関係者等が参加した。また、本フォーラム参加のために訪亜したホッチバーグ米国輸出入銀行総裁は、15年ぶりに対亜融資の再開を発表した。融資金額に上限はなく、償還期間最長7年、金利は年4%未満の条件となっている。
(2)14日~16日、ブエノスアイレスにおいて日亜投資協定交渉第一回会合が開催された。
(3)19日~29日、IMF対亜四条協議が実施された。IMF対亜四条協議終了に伴い発表されたIMFプレスリリースの中で、IMFはマクリ政権の経済政策を賞賛するとともに、中期的財政計画が必要であるとした。
(4)21日、マクリ大統領は気候変動に関するパリ協定発効関連のハイレベルイベントに出席し、亜のパリ協定批准書を寄託した。
(5)26日、亜中銀は来年1月1日から正式にインフレターゲットを導入することを発表した。来年のインフレターゲットは12~17%の予定。
(6)30日、亜政府は、大統領プレスリリースを通じ、亜産牛肉の対米輸出再開に向けた米国による現地調査等について発表した。
経済指標の動向
(1)経済活動全般
7月の経済活動指数(INDEC発表)は、前年同月比5.9%減、前月比0.4%減となった。
(2)消費:自動車販売
9月の自動車販売台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)は、前年同月比12.2%増、前月比6.0%増となった。
(3)工業生産・建設活動
(ア)工業生産
8月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比5.7%減となった。
8月の稼働率(INDEC発表)は、前月比1.6%増の63.6%となった。
(イ)建設活動
8月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比3.7%減となった。
(ウ)自動車生産
9月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比19.7%減、前月比2.3%減となった。
(4)物価・雇用
(ア)物価
9月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比1.1%の上昇となった。(前年同月比の発表はなし。)9月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比43.1%の上昇、前月比1.3%の増加となった。また、9月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比42%の上昇、前月比0.8%の上昇となった。 9月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比0.4%の上昇となった。
(イ)雇用・賃金等
1月8日のINDEC「統計緊急事態宣言」発動の影響により、給与指数の発表は、昨年11月分以降、一時停止されている。
(5)金融
(ア)
Merval指数(株価指数)は、9月末には、前月末比1026.21ポイント増の16,675.68ポイントとなった。
また、EMBI+指数は、9月末には前月末比33ポイント減の439ポイントとなった。
(イ)
為替レートは、9月末には前月末比2.43%ペソ安、前年同月比62.04%ペソ安の1ドル=15.2633ペソとなった。
コールレートは、9月末には24.75%となった。対民間貸出残高は9月末には9,576億ペソとなった。
外貨準備高は、9月末には前月末比11.46億ドル増の322.96億ドルとなった。
(6)財政
(ア)財政収支
8月の財政収支(財務・金融省発表)は、歳入が前年同月比20.9%増、一次歳出が同40.0%増となった結果、基礎的財政収支は372.33億ペソの赤字となった。また、総合収支は、12.75億ペソの赤字となった。
(イ)税収
9月の税収(以下、財務・金融省発表)は、前年同月比30.0%増の1683.17億ペソ、付加価値税収が同38.4%増の538.56億ペソ(うち、国内分については同34.8%増、税関分については51.6%増)、法人及び個人に係る所得税収が同13.6%増の344.25億ペソ、輸出税収が同9.7%増の51.72億ペソ、社会保障雇用主負担金が同36.4%増の265.31億ペソとなった。
(7)貿易
8月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比12.0%増の5,752百万ドル、輸入が同7.1%減の5,047百万ドルとなった結果、貿易黒字は705百万ドルとなった。
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