アルゼンチン経済情勢(月1回更新)
令和6年3月8日
2024年1月の経済情勢
<概要> (1)17日、ミレイ大統領はダボス会議に出席した。ゲオルギエバ専務理事と初めて会談を行った。 (2)24日、モンディーノ外相は、メルコスール外相会合に出席した。同会合では、EU・メルコスールFTAの早期締結を実現するため、交渉を継続することが確認された
(3)31日、IMFは理事会を開催し、アルゼンチンに対する拡大信用供与措置の7次レビューを完了した。 |
1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1)4日、政府は、輸出品の製造を目的とする生産財の輸入について、PAIS税(為替アクセスに係る課税)を免除する政令を公布した。
(2)9日、政府は、国債保有者に対して約15.5億ドルの利息の支払いを行った。
(3)10日、政府は、輸入手続きを更に円滑化し、申告時に「経済・財務能力制度(CEF)」を通じて、輸入者の財務能力を審査するプロセスを廃止する政令を公布した。
(4)11日、中銀は、「自由アルゼンチン再建債(BOPREAL)」の購入者に対して、輸入債務支払いのための外貨アクセスの優遇措置を強化する通達を公表した。
(5)15日、インドのKABIL社は、カタマルカ州フィアンバラ地区におけるリチウム開発計画に署名した。
(6)17日、ミレイ大統領はダボス会議に出席した。ゲオルギエバ専務理事と初めて会談を行った。
(7)24日、モンディーノ外相は、メルコスール外相会合に出席した。同会合では、EU・メルコスールFTAの早期締結を実現するため、交渉を継続することが確認された。
(8)25日、中央銀行は、中小企業が抱える輸入債務の支払いにつき、一定の条件を満たす場合に外貨購入を認める通達を公表した。
(9)31日、IMFは理事会を開催し、アルゼンチンに対する拡大信用供与措置の7次レビューを完了した。約47億ドル相当のディスバースがなされ、内約20億ドルは過去の債務の支払いに充てられた。
2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
11月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比1.4%減、前年同月比0.9%減となった。
(2)消費:自動車販売 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2024年計 | |
台数 | 44,138 | 30,928 | 30,294 | 43,282 | 40,788 | 29,715 | 25,072 | 15,942 | 15,942 |
前年比 | 18.5% | 5.1% | 3.8% | 25.1% | 23.3% | ▲27.1% | ▲25.2% | ▲27.9% | ▲27.9% |
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2024年計 | |
台数 | 23,291 | 28,663 | 28,862 | 35,555 | 28,563 | 30,397 | 22,605 | 15,302 | 15,302 |
前年比 | ▲27.0% | 25.0% | ▲11.1% | 0.5% | ▲23.8% | 6.4% | ▲3.5% | 34.7% | 34.7% |
(3)工業生産・建設活動
(ア)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2024年計 | |
台数 | 53,522 | 49,254 | 63,455 | 56,750 | 51,937 | 56,569 | 36,973 | 22,643 | 22,643 |
前年比 | 10.6% | 11.9% | 17.4% | 8.7% | ▲0.9% | 8.9% | ▲0.4% | ▲16.7% | ▲16.7% |
(イ)工業生産
12月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月比12.8%減となった。
(ウ)建設活動
12月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比12.2%減となった。
(4)物価
1月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比20.6%、前年同月比254.2%の上昇となった。
1月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比18.0%、前年同月比316.9%の上昇となった。
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、1月末には前月末比44ポイント増の1,950ポイントとなった。
(イ)為替レートは、1月末には前月末2.2%ペソ安の1ドル=826.25ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、1月末には前月末比45.7億ドル増の276.4億ドルとなった。
(6)財政
1月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比215.5%増、一次歳出が同102.3%増となった結果、基礎的財政収支は2兆10億ペソの黒字となった。また、総合収支は5,184億ペソの黒字となった。
(7)貿易
1月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比9.6%増の5,398百万ドル、輸入が同14.3%減の4,601百万ドルとなった結果、貿易収支は797百万ドルの黒字となった。
(了)