アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

平成29年9月5日

2017年7月の経済情勢

概要
(1)19日、ドゥホブネ財務大臣は、今年上半期の財政赤字対GDP比が1.5%となり、財政赤字目標(2.0%)を達成したと発表した。
(2)7月末の為替レートは、前月末比6.46%ペソ安、前年同月比17.49%ペソ安の1ドル=17.6700ペソであった。
 
 
 


1 経済の主な動き

(1)7日、ハンブルクG20の閉会式においてマクリ大統領は2018年にアルゼンチンで開催されるG20の優先課題の主な柱として、教育と労働がイノベーションやデジタル化と調和し、未来の労働が教育・テクノロジー間をつなぐものとなるべきだと言及した。
(2)11日、INDECは、6月のインフレ率を発表した。今回から、従来の首都圏のインフレ率に加え、全国レベルのインフレ率の発表を開始した。6月のインフレ率は、1.2%(コアインフレ率1.3%)となった。
(3)17日掲載の官報によると、政令第513号で、外務省と工業生産省が争っていた国際経済交渉の所管に関して、これまで通り、外務省(レイセル副大臣)、工業生産省(ブラウン副大臣)及び農産業省(ビルチェル副大臣)が関与するが、最終的な決定権を持つのは外務省ということになった。一方、投資促進活動(投資ミッション、見本市への参加等)は、工業生産省及び投資庁が担当することが明確になった。
(4)19日、ドゥホブネ財務大臣は、今年上半期の財政収赤字対GDP比が1.5%となり、財政赤字目標(2.0%)を達成したと発表した。
(5)7月末の為替レートは、前月末比6.46%ペソ安、前年同月比17.49%ペソ安の1ドル=17.6700ペソであった。  

2 経済指標の動向

(1)経済活動全般
 5月の経済活動指数(INDEC発表)は、前年同月比3.3%増、前月比0.6%増となった。  

(2)消費自動車販売
 7月の自動車販売台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)は、前年同月比38.0%増、前月比9.3%減となった。  

(3)工業生産・建設活動
(ア)工業生産
 6月の工業生産指数(INDEC発表)は、前年同月6.6%増となった。
 6月の稼働率(INDEC発表)は、前月比1.3ポイント増の67.1%となった。  
(イ)建設活動 
 6月の建設活動指数(INDEC発表)は、前年同月比17.0%増となった。  
(ウ)自動車生産
 7月の自動車生産台数(ADEFA発表)は、前年同月比1.2%増、前月比16.1%減となった。  

(4)物価
 7月のCPI統計(INDEC発表インフレ率)は、前月比1.7%の上昇、昨年12月比で13.8%の上昇となった。 7月のブエノスアイレス市発表インフレ率(Ipcba)は、前年同月比22.9%の上昇、前月比1.8%の増加となった。また、7月の議会インフレ率(一部の野党議員が発表している民間コンサルタント会社8社の推計を平均した値、首都圏のみの調査に基づく)は、前年同月比22.9%の上昇、前月比2.1%の上昇となった。
 7月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比2.6%の上昇となった。  

(5)金融
(ア)Merval指数(株価指数)は、7月末には、前月末比330.23ポイント減の21,582.00ポイントとなった。 また、EMBI+指数は、7月末には前月末比8ポイント増の438ポイントとなった。
(イ)為替レートは、前月末比6.46%ペソ安、前年同月比17.49%ペソ安の1ドル=17.6700ペソであった。
 コールレートは、7月末には27.25%となった。対民間貸出残高は7月末には13,166億ペソとなった。
 外貨準備高は、7月末には前月末比9.81億ドルの470.14億ドルとなった。  

(6)財政
(ア)財政収支
 6月の財政収支(財務省発表)は、歳入が前年同月比25.4%増、一次歳出が同25.6%増となった結果、基礎的財政収支は570.39億ペソの赤字となった。また、総合収支は、918.52億ペソの赤字となった。  
(イ)税収
 7月の税収(以下、財務省発表)は、前年同月比31.8%増の2373.25億ペソ、付加価値税収が同34.8%増の642.40億ペソ(うち、国内分については同35.2%増、税関分については36.2%増)、法人及び個人に係る所得税収が同40.0%増の507.04億ペソ、輸出税収が同3.4%増の78.92億ペソ、社会保障雇用主負担金が同29.0%増の428.22億ペソとなった。  

(7)貿易
 6月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比2.1%減の5,150百万ドル、輸入が同14.9%増の5,898百万ドルとなった結果、貿易赤字は748百万ドルとなった。
(了)

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