アルゼンチン経済情勢(月1回更新)

令和7年1月28日

2024年10月の経済情勢

〈概要>
(1)2日、アルゼンチン航空を民営化の対象とする政令を公布した。
(2)17日、中銀は、輸入される財の輸入代金の支払い条件を緩和し、エネルギーだけでなく完成自動車等も通関から30暦日経過後に輸入代金の支払いができるようにする通達を公布した。
(3)22~24日、カプート経済相は、世銀・IMF秋会合やG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席するために訪米した。
(4)25日、政府は、連邦歳入庁(AFIP)を廃止して、新たに税務・税関庁(ARCA)を創設した。

1 経済の主な動き(報道ぶり等)
(1)1日、議会は、中国との租税条約を承認した。
(2)2日、アルゼンチン航空を民営化の対象とする政令を公布した。
(3)3日、大学予算拡充法案に対する大統領拒否権が発動された。
(4)3日、パソ経済省調整担当長官とラビグネ経済副大臣(産業・商業担当)は、山内駐アルゼンチン日本大使や進出日系企業代表者と会談し、ミレイ政権の取り組み等について意見交換を行った。
(5)7日、政府は、中・長距離バスサービスの規制を緩和する法令を公布した。
(6)17日、チリージョ経済副大臣(エネルギー担当)が辞任した。健康上の問題が辞任の理由とされおり、後任には民間エネルギー会社NRG Energía社でゼネラル・マネージャーを務めていたマリア・テタマンティ氏が就任した。
(7)17日、中銀は、財の輸入代金の支払い条件を緩和し、エネルギー等のみならず完成自動車等についても通関から30暦日経過後(従来は60日経過後)に輸入代金の支払いができるようにする通達を公布した。
(8)22~24日、カプート経済相、バウシリ中銀総裁らは、IMF・世銀年次総会及びG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席するために訪米した。訪米中、ゲオルギエバIMF専務理事、ビアルディ世銀専務理事、ゴールドファインIDB総裁、バルビエリ伊経済財政相国庫総局長、ロート・ルクセンブルグ財務大臣とバイ会談を行った。これらの中で、世銀行グループとIDBグループからアルゼンチン向けの総額88億ドルの融資が発表されるとともに、アルゼンチン・ルクセンブルク租税条約の修正議定書が署名された。
(9)24日、モンディーノ外相は、ブラジリアで開催されたG20貿易大臣会合に参加するとともに、ドンブロフスキスEU通商担当委員、アルティエダ瑞経済庁長官、レイノルズ英国ビジネス・貿易長官、セノビージャ西商務長官、ゼイユーディUAE貿易担当国務大臣とバイ会談を行った。また、同行したシマ外務副大臣(国際経済関係担当)は日本の松尾経済産業審議官とのバイ会談を行った。
(10)25日、政府は、連邦歳入庁(AFIP)を廃止して、新たに税務・税関庁(ARCA)を創設した。

2 経済指標の動向
(1)経済活動全般
 9月の経済活動指数(INDEC発表)は、前月比0.3%減、前年同月比3.3%減となった。

 (2)消費 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
)自動車販売 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 2024年計
台数 30,176 22,450 27,851 32,333 33,043 38,682 44,488 43,627 321,826
前年比 ▲20.8% ▲33.6% ▲27.9% ▲26.7% 6.8% 27.7% 2.8% 7.0% ▲8.6%
 
(参考)自動車輸出台数(自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 2024年計
台数 23,484 20,611 22,974 20,884 28,330 32,754 31,918 35,965 255,806
前年比 ▲27.6% ▲32.9% ▲24.1% ▲10.3% ▲1.2% 13.5% ▲10.2% 25.9% ▲6.5%
 
小売販売
9月のスーパーマーケット販売指数(INDEC発表)は、前月比0.4%減、前年同月比12.8%減となった。
 
(3)工業生産・建設活動
)自動車生産 (自動車生産者協会(ADEFA)発表)
  3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 2024年計
台数 43,159 42,974 38,440 32,029 44,436 51,650 49,611 52,419 414,852
前年比 ▲29.4% ▲21.0% ▲27.9% ▲40.2% ▲9.8% ▲18.6% ▲12.6% 0.9% ▲19.8%
 
製造業
9月の製造業生産指数(INDEC発表)は、前月比2.6%増、前年同月比6.1%減となった。
 
(ウ)建設活動
9月の建設活動指数(INDEC発表)は、前月比2.4%増、前年同月比24.8%減となった。
 
(エ)鉱業活動
9月の鉱業生産指数(INDEC発表)は、前月比3.7%増、前年同月比4.5%増となった。
 
(4)物価
10月の消費者物価指数(INDEC発表)は、前月比2.7%、前年同月比193.0%の上昇となった。
10月の卸売物価指数(INDEC発表)は、前月比1.2%、前年同月比179.7%の上昇となった。
 
(5)金融
(ア)EMBI+指数は、10月末には前月末比306ポイント減の984ポイントとなった。
(イ)為替レートは、10月末には前月末2.0%ペソ安の1ドル=990.75ペソとなった。
(ウ)外貨準備高は、10月末には前月末比14.5億ドル増の286.2億ドルとなった。
 
(6)財政
10月の財政収支(経済省発表)は、歳入が前年同月比167.8%増、一次歳出が同125.1%増となった結果、基礎的財政収支は7,469億ペソの黒字となった。また、総合収支は5,234億ペソの黒字となった。
 
(7)貿易
10月の貿易(INDEC発表)は、輸出が前年同月比30.0%増の7,016百万ドル、輸入が同4.9%増の6,128百万ドルとなった結果、貿易収支は888百万ドルの黒字となった。
                                  
(了)

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