アルゼンチン政治情勢(月1回更新)

令和7年12月26日

アルゼンチン政治情勢(2025年11月)

 ※肩書はすべて当時のもの


1 内政

(1)ミレイ政権
●アドルニ内閣官房長官及びサンティリ内相の就任
ア 5日、アドルニ内閣官房長官が就任し、宣誓式が実施された。
イ 11日、サンティリ内務相が就任し、宣誓式が実施された。
●省庁法の改正(11日)
ア 11日、省庁法が改正され、内務省の所掌であった観光・環境の分野は内閣官房の、国家個人登録局(RENAPER)及び出入国管理局は治安省の所掌とされた。その後、RENAPERは内務省の所掌に戻されることが決定した。
イ 治安省の所掌となった出入国管理に関しては、25日、ブルリッチ治安相が、「国家移民局(仮)」として包括的な出入国管理を行う旨発表した。
●治安相・国防相の後任人事の発表(23日)
 23日、大統領府は、議員改選に際し上院議員に就任するブルリッチ治安相の後任として、モンテオリバ治安副大臣(治安担当)が、同じく下院議員就任するペトリ国防相の後任として、現役の陸軍参謀総長であるプレスティ将校が就任する旨発表した。

(2)議会動向
●下院における州知事の動向
ア 27日、サエンス・サルタ州知事をはじめとする5州知事が、下院における独自の会派を形成することを発表。
(イ なお、12月2日には、ハリル・カタマルカ州知事が、下院で独自の会派を形成することを発表した。これにより、与党「自由の前進(LLA)」が野党連合「祖国のための同盟(UP)」の議席数を追い越し、LLAが下院最大少数派政党となる見込み。)
●上院議員の宣誓(28日)
ア 28日、ブルリッチ治安相を含む、12月10日より新たに就任予定の次期上院議員23名が宣誓を行った(同治安相は、議員就任予定を踏まえ、30日、同治安相は辞任を発表)。
イ エスペール下院議員同様、麻薬密売への関与疑惑のあるマチャード氏との関係が取り沙汰されたビジャベルデ下院議員は、上院議員宣誓を欠席した。

(3)その他
●ブエノスアイレス州での洪水被害の発生(4~7日)
ア 4日以降の降雨により、ブエノスアイレス州中西部で洪水被害が発生し、約500万ヘクタールの農地に被害が生じたとされる。
イ 政府は、今回の洪水被害に対し、資金拠出や人員派遣を行うことを発表した。
●国家障害者庁(ANDIS)の汚職事件
ア 18日、本事件の捜査で前日に家宅捜索を受け、自宅から70万ドルが発見されたカルベテ経済省職員が辞任した。同元職員の父親は実業家で、製薬会社へのロビー活動等を行っており、同職員同様、本事件への関与が疑われている。
イ 19日、スパヌオロ前ANDIS長官は、連邦裁判所に出廷したが、証言や質疑応答は拒否した他、自身への容疑を否認した。同前長官の弁護側は、本件の発端となった音声は加工されており、証拠として無効であると主張している。

 
2 外交

(1)対米関係
●ミレイ大統領の訪米(6~7日)
 6日、ミレイ大統領は、米マイアミ市で開催されたアメリカ・ビジネスフォーラムに出席し、演説した他、7日には、NY市を訪問し、企業関係者と会談した。
●米・アルゼンチン二国間貿易協定の発表(13日)
ア 13日、米大統領官邸は、米・アルゼンチン相互貿易及び投資協定枠組に関する共同声明を発表した(往電第1221号)。同日、アルゼンチン大統領府は、米・アルゼンチン二国間通商・投資合意に関するプレスリリースを発表した。
イ 13日、米国を訪問したキルノ外相は、ルビオ米国務長官、グリアUSTR代表とそれぞれ会談した。

(2)その他首脳級
●ミレイ大統領のボリビア大統領就任式出席(8日)
 8日、ミレイ大統領は、訪米の帰路にボリビアに立ち寄り、パス・ボリビア大統領の就任式に出席した他、パス大統領と短時間会談した。

(3)閣僚級
●コーマンOECD事務総長のアルゼンチン訪問(11日)
ア 11日、コーマンOECD事務総長がアルゼンチンを訪問した。
イ 同日、キルノ外相は、同事務総長と共に、アルゼンチンのOECD加盟に向けた初期覚書の提出を記念する式典を主催した。
●キルノ外相のG20出席(22日)
ア 22日、当国外務省は、アルゼンチンが、G20ヨハネスブルグ・サミットの首脳宣言に、コンセンサスが得られなかった点、及び文書に含まれる中東紛争の扱われ方を巡る地政学的見解の相違を理由として賛同しなかった旨発表した。
イ なお、同サミットには、キルノ外相が出席し、本会合のマージンで、サウジアラビア外相、仏欧州・外務相、加外相等と個別に会談した。
●サール・イスラエル外相のアルゼンチン訪問(25~27日)
ア 25日、ミレイ大統領は、アルゼンチンを訪問したサール・イスラエル外相と会談し、2026年のミレイ大統領のイスラエル訪問等につき協議した。
イ 上記アの会談後、キルノ外相は、サール外相と会談した。
ウ 同日、両外相は、二国間経済フォーラムの開会式で演説し、キルノ外相が、サール外相より、2026年2月のイスラエル訪問の招待を受けた旨述べた。
エ この他、サール外相は、ブルリッチ治安相、ペトリ国防相とも会談した他、1990年代のイスラエルコミュニティを標的とした爆破テロ事件の跡地訪問や、アルゼンチン・イスラエル協会の式典にも出席した。
●キルノ外相のその他の外交アジェンダ
ア 19日、Wang Wei駐アルゼンチン中国大使と会談した(写真等は非公開)。
イ 26日、モンテビデオを訪問し、ルベッキン同国外相と会談した。
ウ 27日、ブエノスアイレス市で、ラミレス・パラグアイ外相と会談し、両国間空域の自由化及び近代化を促進する航空サービスに関する協定に署名した。

(4)対中関係
●サンフアン州の電波望遠鏡の建設中止の報道
 4日、アルゼンチン政府が、サンフアン州で建設が進められていたとされる中国・アルゼンチン電波望遠鏡(CART)計画の中止を決定した旨報じられた。

(5)その他
●グロッシーIAEA事務局長の次期国連事務総長への立候補(26日)
26日、アルゼンチン外務省は、グロッシーIAEA事務局長の次期国連事務総長選挙への立候補に対する支持を正式に表明した。なお、アルゼンチンからは、同事務局長の他、ガンバ前児童と武力紛争国連事務総長特別代表も立候補している。

(6)要人往来
往訪:
米国:ミレイ大統領、カリーナ・ミレイ大統領府長官、キルノ外相、カプート経済相(6~7日、経済フォーラム出席他。キルノ外相は11日にも訪米)
ボリビア:ミレイ大統領、カリーナ・ミレイ大統領府長官、キルノ外相(8日:大統領就任式出席)
ウルグアイ:キルノ外相、フリヘリオ・エントレリオス州知事(26日)
来訪:
 OECD:コーマン事務総長(11日)
イスラエル:サール外相(25~27日)
パラグアイ:ラミレス外相(27日)

(了)

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