アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
アルゼンチン政治情勢(2024年4月)
1 内政
(1)議会関連
●急進市民同盟(UCR)による労働改革法案の提出(11日)
11日、急進市民同盟(UCR)は、独自の労働改革法案を上院へ提出した。右法案には、退職金基金の創設、訴訟件数の抑制を目的とした現行の労働規制の簡素化や罰金減額、試用期間の6カ月への延長等が含まれている。
●オムニバス法案の修正案の下院委員会審議通過(25日)
25日、下院委員会審議で、オムニバス法案の修正案(「アルゼンチン国民の自由のための国家基本法(Ley de bases 以下、自由推進法)」及び税制パッケージ法案(詳細は次項))を承認する多数意見(Dictamen)が提出された。
●同修正案の下院通過(30日)
ア 30日、所謂オムニバス法案(自由推進法及び税制パッケージ法案)の修正案が下院本会議で承認された。
イ 今次修正案は、自由推進法と税制パッケージの2法案に分けて提出されており、主な変更点は、当初のオムニバス法案が全664条からなっていたのに対し、修正案では自由推進法が279条、税制パッケージ法案が101条と内容が縮減された他、必要緊急大統領令(DNU)に盛り込まれ、労働裁判所等から無効とされていた労働関連の一部項目が盛り込まれた。
ウ オムニバス法案からの主な変更点としては、自由推進法では、(1)権限委任(立法府から行政府への委任分野が11→4分野に削減)、(2)民営化する国営企業数の削減(41→9社、アルゼンチン水道公社(AySA)等は部分的な民営化が提案)、(3)大型投資に対するインセンティブ制度(RIGI)導入、(4)年金モラトリアム制度の廃止等が、税制パッケージ法案では、(1)所得税の課税対象拡大、(2)未申告資産の申告の促進等が挙げられる。
(2)ミレイ政権の動向
●マルビーナス式典(2日)
ア 2日、ミレイ大統領は、ビジャルエル副大統領等と共に、ブエノスアイレス市内で開かれた、マルビーナス(フォークランド)紛争の退役軍人と戦没者の日の42周年記念式典に参加した。
イ 同式典で、ミレイ大統領は、島々に対する「揺るぎない主権」を主張し、この主張を説得力のあるものにするには、「国際的な通商で存在感を発揮すること」及び「有能な軍隊を保有すること」の二点が重要である旨強調し、アルゼンチンはこのいずれも満たしておらず、特に二番目の点において、「軍隊との和解」の重要性を強調した。
ウ 本式典には、同大統領及び同副大統領の他、カリーナ・ミレイ大統領府長官、ポセ内閣官房長官、フランコス内相、モンディーノ外相、ペトリ国防相、メネム下院議長、マクリ・ブエノスアイレス市長等が出席した。
エ なお、同日、アドルニ大統領府報道官は、大統領府の「先住民族の間」の名称を、「マルビーナスの英雄の間」と名称変更する旨発表した。
●キンテラ・ラリオハ州知事の政府に対する訴訟における敗訴等(16日)
16日、連邦最高裁は、キンテラ・ラリオハ州知事が控訴していた必要緊急大統領令(DNU)に対する訴訟を含む2件の訴訟を棄却した。これは、裁判所がDNUに対する請求について判決を下した初めての事例。
●上院議員報酬値上げの決定(18日)
18日、上院は、議員報酬の増額を決定した。これにより、5月以降、上院議員に対しては、手当等を含め、最大で月額約720万ペソが支払われる。
●ミレイ大統領のジャオジャオ・フォーラム出席(19日)
ア 19日、ミレイ大統領は、リオネグロ州バリローチェ市の同名のホテルで開催されるジャオジャオ・フォーラム(17~19日で開催)に出席した。右フォーラムには、主要なアルゼンチン企業関係者の他、ラカジェ・ポウ・ウルグアイ大統領、サンティアゴ・ペーニャ・パラグアイ大統領が出席した。
イ ミレイ大統領は演説で、「為替レート維持のために貨幣増発を行えば外貨準備は減少する。そこで資本規制が導入されるが、当該規制をかいくぐろうとする者は犯罪者扱いをされる。しかし実際には、国家の規制から逃れることのできた英雄となり、余計なコストを負担する必要がなくなるのだ」と述べた。
ウ 19日、同州の国家公務員労組(ATE)は、同大統領の公務員に対するレイオフへの抗議として、同市の空港及び会場に至る道路の封鎖を行った。
●ミレイ大統領の自由財団(Fundación Libertad)年次晩餐会出席(25日)
ア 25日、ミレイ大統領は、自由財団(Fundación Libertad)の年次晩餐会に出席した。同晩餐会には、カリーナ・ミレイ大統領府長官、ブルリッチ治安相等閣僚数名の他、マクリ元大統領(共和国提案(PRO)党首)、スツルツェネッガー元中銀総裁、ラカジェ・ポウ・ウルグアイ大統領等も出席した。
イ ミレイ大統領は、2024年末までに累積インフレ率は150%を下回り、国際通貨基金(IMF)との目標達成の一助となるとの見方を示した。また、国民の生活の質を向上するにあたり、国レベルのみならず、州や市町村レベルでも財政赤字と公共支出削減に取り組まなければならないと主張した。
(3)治安情勢
●主なストライキ及び抗議活動等(10~12日)
ア 10日、人民経済労働者連合(UTEP)及び道路封鎖を行うポロ・オブレロ等の左派系社会団体は、ミレイ政権の措置を拒否し、脆弱層への支援拡大を求め、「7月9日通り」の封鎖等を伴う抗議活動を実施した。これにより、少なくとも8名の警察官が負傷し、12名の抗議活動参加者が逮捕された。
イ 11日、ブエノスアイレス大都市圏でバス労組の自動車路面電車組合(UTA)が24時間のバスストライキを実施した。これにより、約900万人が影響を受けた。他方、UTAに属さない会社のバスは通常通り運行した。
ウ 12日、議会前でデモ活動が行われ、数百人のデモ参加者が、ミレイ政権の公共部門におけるレイオフに反対する抗議行動を展開した。
●大学関係者によるデモ活動の大規模化(23日)
23日、政府の国公立大学の予算削減案に対し、ブエノスアイレス市及びその他の国内主要都市において、学生、教員、卒業生、研究者、大学事務局関係者を中心とするデモ活動が行われた。主催者発表によれば、ブエノスアイレス市におけるデモ参加者数は約80万人、全国主要都市におけるデモ参加者の総数は約100万人とされる。本デモ活動には、労働総同盟(CGT)等の労組も参加した他、ペロン党関係者等も賛同の意を表明した。
2 外交
(1)対米関係
●スタンリー駐アルゼンチン米国大使のインタビュー(3月31日)
ア 3月31日、スタンリー駐アルゼンチン米国大使は、当地主要紙「ラ・ナシオン」のインタビューに応じ、ネウケン州での中国の活動等につき述べた。
イ 同大使は、「ネウケン州政府の要請に応じ、同州に米国の緊急オペレーションセンターを建設できたことを誇りに思う。同施設は、洪水や新型コロナウイルス感染症、森林火災、地震等に対応する。テント、ベッド、魔法瓶、懐中電灯があり、アルゼンチンの民間人によって運営されている」と述べた。
ウ また、同大使は「アルゼンチンが、ネウケン州での中国軍の活動を許可していることに驚いている。同州にある宇宙観測施設を運営しているのは中国軍兵士だと理解しているが、活動内容は不明であり、アルゼンチン人も知らないだろう。中国人がそこに配備されている理由を理解すべきである」と述べた。
エ 今回のインタビューに対し、フランコス内相は、「発言の意図は不明だが、これらの問題は議論され、明らかになっていることだろう。(同施設は)アルゼンチン政府との話し合いの対象になっているはずだ」と述べた。また、同内相は、同州における中国の存在は「デリケートな問題」だと述べた。
エ 右インタビューの掲載後、在アルゼンチン中国大使館は、自館のXアカウントに「右宇宙観測施設は、アルゼンチン・中国間の宇宙技術協力のためのものであり、軍事的用途ではなく、両国の科学者が科学研究目的で利用できる。なお、2019年には、アルゼンチン外務省及び宇宙活動委員会(CONAE)が、米国を含む外交代表団の同施設訪問を調整した」と投稿した。
●リチャードソン米南方軍司令官のアルゼンチン訪問(3~5日)
ア 3日、ポセ内閣官房長官、モンディーノ外相、ペトリ国防相等は、アルゼンチンを訪問したリチャードソン米南方軍司令官と会談した。
イ 4日、ミレイ大統領は、ウシュアイア市を訪問中のリチャードソン司令官と会談した。ミレイ大統領は、会談後の記者会見で、米国との関係強化の重要性を強調し、今回のウシュアイア市訪問は、米国と共に同市における統合海軍基地開発を進めるためのものであると述べた。
ウ 5日、ミレイ大統領は、同司令官と共に、ブエノスアイレス市内の飛行場で行われた、アルゼンチン空軍へのC-130ハーキュリーズ引き渡し記念式典に出席し、米国政府と右輸送機の引き渡しに関する協定を締結した。また、同日、ビジャルエル副大統領は、同司令官と会談した。
●ミレイ大統領の訪米(10~13日)
ア 10日、ミレイ大統領は、訪問先のマイアミで、ユダヤ教関連施設の落成式に合わせて開催された夕食会に出席し、正統派ユダヤ教コミュニティであるハバド・ルバビッチ派より「光の国際大使」の称号を授与された。
イ 11日、ミレイ大統領は、ゴールドファイン米州開発銀行(IDB)総裁と会談し、アルゼンチンの経済政策の現状や投資・企業活動推進等につき協議した。また、同日午後には、大学での講演や企業関係者との会談を実施した。
ウ 12日、ミレイ大統領は、テキサス州のテスラ社工場を訪問し、イーロン・マスク同社CEOと会談した。本会合で、ミレイ大統領は、アルゼンチンで開催予定の技術と経済成長及び自由の理念につき協議するイベントにマスク氏を招待した。
●クーネオ・リバローナ司法相の訪米(17~20日)
ア 17日、クーネオ・リバローナ司法相は、ニューヨーク市を訪問し、同市の検察官及び税関・国境管理当局関係者と会談した。
イ 18日、同司法相は、ワシントン市を訪問し、IMF・世銀の春会合に出席し、マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議に参加した。
ウ 19日、同司法相は、ガーランド米司法長官と会談した。本会合で、ガーランド長官は、アルゼンチンの司法関係者向けの研修計画を提案した。
エ 同日、同司法相は、上記研修計画の内容につきサリバン国務相西半球局副次官補等と会談した他、米州機構(OAS)を訪問した。
●カプート経済相の米国ワシントン市訪問(18日)
ア 18日、カプート経済相は、世銀・IMF合同開発委員会に出席した。
イ 本会合のマージンで、カプート経済相は、ポセ内閣官房長官、バウシリ中銀総裁等と共に、ゴピナートIMF筆頭副専務理事と会談し、アルゼンチンの経済改革の進捗状況及び今後の見通し等につき協議した。
ウ また、カプート経済相及びポセ官房長官は、シャンボー米財務省国際問題担当次官補等とも会談し、アルゼンチンの経済状況につき確認した。
エ この他、カプート経済相は、クエルポ西経済・通商・企業相とも会談し、両国の経済・社会状況につき協議した。
●違法漁業に対する米沿岸警備隊との協力(29日~)
29日、米沿岸警備隊の巡視船「ジェームズ」がブエノスアイレス港に入港し、アルゼンチン水上警察との間でIUU漁業や麻薬密売の取締り等に関し、知見・情報の共有及び様々な共同活動を実施した。同号は5月3日に出港し、水上警察と共に公海上で共同訓練を実施した。
(2)閣僚級の動き(モンディーノ外相の訪中は(3)を参照)
●モンディーノ外相のブラジル訪問(14~16日)
ア 14~16日、モンディーノ外相は、ブラジルを訪問した。今次外遊には、シマ外務副大臣(国際経済関係担当)等が同行した。
イ 15日、モンディーノ外相は、ブラジリアでアルキミン・ブラジル副大統領兼ブラジル開発・産業・貿易・サービス相と会談した。本会合で、双方は、二国間関係の結びつきの強さを強調した他、経済・通商面での二国間関係の拡大及び域内外の貿易拡大に向けたメルコスールの刷新・近代化推進に関し合意した。
ウ 15日、モンディーノ外相は、ブラジリアでヴィエイラ・ブラジル外相と会談した。本会合で、双方は、政府ハイレベル間での定期的な会合開催の重要性や、南極協力や国境管理問題、原子力技術とその平和利用における両国の戦略的関係を強調した。また、双方は、メルコスール近代化の重要性を強調した。
エ 16日、モンディーノ外相は、サンパウロで、サンパウロ州工業連盟(FIESP)をはじめとする企業関係者等と会談した。
●ペトリ国防相の欧州訪問(16~18日)
ア 16日、ペトリ国防相は、デンマークを訪問し、米国製F-16戦闘機の購入に関する契約書に署名した。同国防相は、今次購入に際し、「この国防に対する投資により、我々は航空主権を回復し、あらゆる脅威から社会全体が守られていると誇りをもって言うことが出来る」と述べた。
イ 18日、ペトリ国防相はブリュッセルを訪問し、ジョアナNATO事務次長と会談した。本会合で、同国防相は、同次長に対し、アルゼンチンがNATOの「グローバル・パートナー」となることを要請する意向書を手交した。
ウ 同日、ペトリ国防相は、コロミナNATO事務総長補佐(政治・安全保障政策担当)と会談した。
エ なお、18日には、米国からアルゼンチンに対し、対外軍事融資(FMF)を通じた4000万ドルの軍事資金供与が行われた。
●モンディーノ外相のコロンビア訪問(18~19日)
ア 18~19日、モンディーノ外相は、コロンビアを訪問した。
イ 19日、モンディーノ外相は、ムリージョ・コロンビア外相(ママ)と会談した。本会合で、双方は、幅広い分野での二国間関係強化を確認した。また、モンディーノ外相は、貿易相手国としてのコロンビアの重要性を強調した。
ウ 19日、モンディーノ外相は、国連コロンビア検証ミッション(UNVMC)及び米州機構和平プロセス支援ミッション(MAPP/OAS)の代表等とそれぞれ会談し、これらのミッションにおけるアルゼンチンの役割を強調した。
エ 19日、アルゼンチンとコロンビアは共同コミュニケを発出し、二国間の既存の協力関係を高く評価し、両国民の利益のため、引き続き協働することで合意した。また本会合では、駐アルゼンチン・コロンビア大使のアルゼンチンへの帰任及び駐コロンビア・アルゼンチン大使の着任が承認された。
(3)対中関係
●ネウケン州の宇宙観測施設訪問(18~19日)
ア 18~19日、アルゼンチン政府代表団は、ネウケン州にある中国の宇宙観測施設及びメンドーサ州にあるEUの宇宙観測施設を訪問した。ネウケン州の施設訪問では、同州政府職員及び在アルゼンチン中国大使館員が同行した。
イ 今次政府代表団は、コセンティーノ内閣官房イノベーション・科学・技術長官が団長を務め、アンテロ内閣官房戦略長官の他、外務省、宇宙活動委員会(CONAE)等の関係者で構成された。
ウ 政府代表団は、両施設内の全ての箇所を見学した他、施設スタッフから、施設運営に関する様々な説明や情報提供を受けた。
●モンディーノ外相の中国訪問(28~30日)
ア 28~30日、モンディーノ外相は、中国を訪問した。今次訪中には、キルノ経済副大臣(金融担当)及びバウシリ中銀総裁等が同行した。
イ 28日、モンディーノ外相は上海市を訪問し、アルゼンチン・ビジネス投資サミットに出席した。右会合で、同外相は、両国の企業関係者に対し現政権の経済改革につき説明し、投資を呼びかけた。また、同外相は、アルゼンチン国内で資源及びエネルギー分野等に投資を行う中国企業幹部等と会談した他、華源・上海市副市長と会談した。なお、同外相は、北京市でも複数の企業幹部と会談した。
ウ 29日、モンディーノ外相は北京市を訪問し、韓正・中国国家副主席と会談した。本会合で、韓副主席は、マルビーナス(ママ)諸島の主権問題に関しアルゼンチンの立場に対する中国の支持を再確認し、モンディーノ外相は、「一つの中国」原則に対するアルゼンチンのコミットメントを再確認した。
エ 同日、モンディーノ外相は、キルノ副大臣及びバウシリ総裁と共に、王受文・中国商務部国際貿易交渉代表兼副部長と会談した。同外相等は、王代表に対し、現政権におけるこれまでの各措置につきそれぞれ説明した。
オ 同日、モンディーノ外相は、バウシリ総裁と共に、潘功勝・中国人民銀行総裁と会談し、スワップ協定更新に係る技術面での手続き等につき協議した。
カ 30日、モンディーノ外相は、王毅中国外交部長と会談した。双方は、両国間で交わされた既存の約束への評価に対する関心を再確認した。王毅外交部長は、モンディーノ外相との二度目の会談を高く評価した。
(4)イスラエル・パレスチナ情勢
●イランによるイスラエル攻撃を非難する声明(13日)
ア 13日、アルゼンチン大統領府及びアルゼンチン外務省は、イランによるイスラエル攻撃を非難する声明を発出した。
イ 大統領府は、声明の中で、イランによる攻撃に直面しているイスラエルへの連帯と揺るぎないコミットメントを表明し、イスラエルの自衛権を認め、テロ攻撃から主権を守るイスラエルを強く支持した。
ウ アルゼンチン外務省は、イランによる攻撃を前例のないものとして断固として非難し、イスラエルの主権を守る正当な権利への支持を再確認した。また、アルゼンチン政府は、イランに対し不当な攻撃を停止するよう求めた。
エ 14日、ミレイ大統領は、大統領府において、イランによるイスラエル攻撃を受けて閣僚会合を開催した。本会合には、政府閣僚の他、セラ駐アルゼンチン・イスラエル大使が出席し、現状及びイスラエル政府の立場を説明した。
オ 13日、外務省は、今次攻撃関連地域にあるアルゼンチン大使館の一時閉鎖を決定した。また14日、政府は国内各地の警戒レベル引き上げ、及び国際空港、国境、ユダヤ人関連施設等の警備強化を決定した。
●モンディーノ外相の大使館移転の否定(18日)
18日、モンディーノ外相は、ミレイ大統領が主張していた在イスラエル・アルゼンチン大使館をエルサレムへ移転しない旨述べた書簡を、ルストー上院議員(急進市民同盟(UCR)党首)宛に送付した。これは、同議員から所感で、(アルゼンチンが大使館を国連が係争地と見なすエルサレムに移転することは、マルビーナス諸島(ママ)の領有権を主張しているアルゼンチンの利益を複雑にする可能性がある旨の懸念を伝達されたことへの対応である。モンディーノ外相は、右書簡の中で、アルゼンチンは、マルビーナス諸島(ママ)に関する主権の完全な回復のため、外交政策の分野で国益を損う如何なる行動もとらない旨表明した。
●イスラエル・パレスチナ情勢に係るその他の声明
ア 22日、アルゼンチン政府は、イスラエル政府高官の逮捕を要請する国際政治裁判所(ICC)の決定に懸念を表明する声明を発出した。
イ 23日、アルゼンチン政府は、1994年のイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件関係者の国際逮捕を要請しており、その一人であるヴァヒーディー・イラン内相の逮捕のため、国際刑事警察機構(インターポール)を介して、同イラン内相が滞在中のパキスタン及びスリランカの各国政府に対し、国際逮捕を要請する声明を発出した。
ウ 25日、アルゼンチン政府は、米国や豪、加等17カ国と共に、ハマスがガザ地区で拘束している人質全員の即時解放を要請する声明を発出した。
(5)その他
●日・メルコスール経済関係緊密化のための対話(8日)
8日、パラグアイのアスンシオンで、第5回「日・メルコスール経済関係緊密化のための対話」が開催された。アルゼンチン政府代表団は、ブラジル、パラグアイ及びウルグアイの各国政府代表団と共に、日本の外務省、農林水産省及び経済産業省からの代表団と会合を行った。
(6)要人往来一覧
ア 往訪
米国:ミレイ大統領、カリーナ・ミレイ大統領府長官(10~13日)、ポセ内閣官房長官(10~13日、18日)、クーネオ・リバローナ司法相(17~20日)、カプート経済相、バウシリ中銀総裁(18日)
ブラジル:モンディーノ外相(14~16日)
デンマーク:ペトリ国防相(15~16日)
ブリュッセル:ペトリ国防相(18日)
コロンビア:モンディーノ外相(18~19日)
中国:モンディーノ外相、バウシリ中銀総裁(28~30日)
イ 来訪
米国:リチャードソン南方軍司令官(3~5日)、サリバン国務省西半球局副次官補(9日)
チェコ:リパフスキー外相(11日)
ウルグアイ:ラカジェ・ポウ大統領(17日、25日)
パラグアイ:ペーニャ大統領(18日)
(了)
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