アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
アルゼンチン政治情勢(2021年9月)
2021年10月作成
在アルゼンチン日本大使館
1 内政
(1)政府及び国会:
ア 新型コロナウイルス関連
(ア)ブエノスアイレス市の行動制限措置の緩和
16日、ラレタ・ブエノスアイレス市長は、17日からの同市における行動制限措置の緩和について発表し、屋内及び屋外を含め社交による会合及び大型商業施設や飲食施設の人数制限を撤廃した。飲食施設は、最大午前3時までの営業が認められ、国内旅行から同市に戻って来た際の諸検査の義務化も撤廃した。
(イ)行動制限措置及び出入国関連の措置の緩和
21日、マンスール内閣官房長官及びビソッティ保健相は、屋外で多数の人がいない状況下でのマスク着用義務の撤廃、社交による会合の人数制限の撤廃、10月1日以降の近隣国からの入国の許可等の行動制限措置の緩和及び出入国関連の措置を発表した。
イ 連邦議会中間選挙予備選挙暫定結果
12日、11月14日に予定される当国連邦議会中間選挙の予備選挙が実施された。上下両院全体で与党連合は30.2%、野党連合は40.6%を獲得し、野党連合が与党連合に大きく差をつける結果となった。上院では、改選対象8州のうち、野党連合が計6州で得票数1位。与党連合が得票数1位となったのは2州のみ。下院では、与党連合が得票数1位となったのは7州のみ。他方、野党連合はブエノスアイレス州やサンタ・クルス州等与党キルチネル派の支持基盤を含めて計15州で得票数で1位となった。
ウ 閣僚等の辞任提出及び内閣改造をめぐる与党連合内の対立
12日の当国連邦議会中間選挙の予備選挙における与党連合の得票結果が予想以上に振るわなかったことに対する責任と11月の中間選挙に向けた今後の対応を巡り、同連合内において、フェルナンデス大統領周辺とクリスティーナ・フェルナンデス副大統領等との路線対立が表面化している旨報じられていたところ、15日午後、クリスティーナ・フェルナンデス副大統領に近いとされるデ・ペドロ内務相を含む閣僚5名及び複数の政府機関の長がフェルナンデス大統領に対し辞表を提出した。その後、内閣改造が行われたが、デ・ペドロ内務相を含む辞表を提出した者の大半は留任することとなった。
エ クリスティーナ・フェルナンデス副大統領の公開書簡
16日、クリスティーナ・フェルナンデス副大統領は、内閣改造を巡り与党連合内の対立が報じられる中、「いつものように、誠実に」と題する書簡を自身のホームページで公表し、中間選挙予備選挙の結果を受け、フェルナンデス大統領に対し「国民の意思を尊重」するよう求めた。
オ 内閣改造
17日深夜、政府は、カフィエロ内閣官房長官の外務大臣就任を含む7閣僚の交代を発表し、20日、新閣僚の就任式が行われた。
●内閣官房長官
(旧)サンティアゴ・カフィエロ
(新)フアン・マンスール(前トゥクマン州知事)
●外務大臣
(旧)フェリペ・ソラー
(新)サンティアゴ・カフィエロ(前内閣官房長官)
●治安大臣
(旧)サビーナ・フレデリック
(新)アニバル・フェルナンデス(元内閣官房長官)
●農牧漁業大臣
(旧)ルイス・バステラ
(新)フリアン・ドミンゲス(元農牧漁業大臣)
●教育大臣
(旧)ニコラス・トロッタ
(新)ハイメ・ペルシック(前教育副大臣(大学政策担当))
●科学・技術・イノベーション大臣
(旧)ロベルト・サルバレッツァ
(新)ダニエル・フィルムス(前外務副大臣(マルビーナス・南極・南大西洋担当)
●大統領府報道長官
(旧)フアン・ビオンディ
(新)フアン・ロス(前メディア・公共コミュニケーション庁公共広報局長)
カ カフィエロ外相の所信表明
29日、カフィエロ外相は「外交官の日」祝賀式典において、職員を前に所信表明を行った。同外相は、知識経済アジェンダを展開し、中小企業強化の方針を打ち出すとともに、世界中の外相との対話姿勢を示した。また、多国間主義重視の姿勢を継続しつつも、国益を考慮しつつ二国間関係を醸成していく旨表明した。
キ 2022年度予算法案
15日、グスマン経済相は、2022年度予算法案を議会下院に提出した。21日付当地主要紙「クラリン」は、同予算に、中国及びパキスタン共同生産による戦闘機JF-17の調達経費が計上されている旨報じた。
(2)司法:
23日、最高裁判所長官選挙が行われ、ロサッティ最高裁判官が長官に選出された。任期は10月1日から3年。なお、ロセンクランツ現最高裁長官は、副長官に就任予定。
(3)パラグアイ-パラナ河川水路:
21日、港湾管理総局(AGP)によるパラグアイ-パラナ河川水路のコンセッションに係る入札方針が発表された。またAGPは、同水路に対する喫緊の浚渫工事のために、9月11日から90日間におけるCompañía Sudamericana de Dragadostono(これまで浚渫等を担当してきたJan de Nul社の子会社)との直接契約を承認した。
2 外交
(1)日本:
9日、外務省及び生産開発省、在亜日本商工会議所及び在亜日本大使館が共催する第6回ビジネス環境整備委員会が開催された。
(2)中国:
ア 2~7日、中国・北京で「中国国際サービス貿易交易会2021」が開催され、亜から7つの省庁と120以上の企業が参加した。
イ 9日付当地「エル・クロニスタ」紙は、「亜のBRICS入りに向けた中国との交渉が進展」とのタイトルで、亜のBRICS加盟の可能性につき報じた。
(3)米国:
24~27日、ラレタ・ブエノスアイレス市長は訪米し、ケリー米国気候担当大統領特使、ハラミージョ世銀中南米カリブ地域担当副総裁、クレバー・キャローン米州開発銀行(IDB)総裁及びクリントン元大統領と会談した。
(4)パナマ:
1~2日、ネメ外務副大臣(国際経済関係担当)は、パナマを訪問した。
(5)ベネズエラ:
3日付当地主要紙は、亜が、2日に国際コンタクトグループがベネズエラ情勢に関して発出した共同声明に署名しなかった旨報じた。
(6)国連:
ア 21日、フェルナンデス大統領は、第76回国連総会にビデオにより参加し、一般討論演説を行った。
イ 23日、フェルナンデス大統領は、国連食料システムサミットにビデオメッセージ形式で出席した。
ウ 24日、カフィエロ外相は、国連総会マージンで開催された「情報と民主主義に関する閣僚級会合(Ministerial Summit for information and Democracy)」にビデオ形式で出席した。なお、バーチャルでの参加ではあるが、同会合への出席がカフィエロ外相の国際場裡デビューとなった。
エ 28日、フェルナンデス大統領は、国際連合及び国際労働機関(ILO)主催のハイレベル会合にオンラインで参加し、債務返済期限の延長及び金利の引下げの必要性を改めて訴えた。
(7)G20保健大臣会合:
5~6日、ビソッティ保健相は訪伊し、ローマで開催されたG20保健大臣会合に出席した。
(8)米州における気候変動対策に関するハイレベル対話:
8日、フェルナンデス大統領はソラー外相とともに、亜が主催する「米州における気候変動対策に関するハイレベル対話」にオンライン形式で出席した。
(9)CELAC総会:
18日、バジェ・ラレイ外務次官(ラテンアメリカ問題担当)が訪墨し、第6回ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)総会に出席した。なお、同首脳会合に出席予定であったソラー外相(当時)は、墨到着の直前に外相解任の知らせを受けて急遽帰国し、バジェ・ラレイ外務次官が亜政府代表として出席することとなった。また、今次首脳会合では、亜の次期議長国就任は議題とならず、右議論は先送りされることとなった。
(10)要人往来:
ア 往訪
パナマ:ネメ外務副大臣(国際経済関係担当)。
イタリア:ビソッティ保健相(G20保健大臣会議)。
メキシコ:バジェ・ラレイ外務次官(ラテンアメリカ問題担当)(CELAC総会)。
米国:ラレタ・ブエノスアイレス市長。
イ 来訪
特になし。
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