アルゼンチン政治情勢(月1回更新)

令和3年7月8日

アルゼンチン政治情勢(2021年2月)

2021年3月作成
在アルゼンチン日本大使館

 

1 内政
(1)政府:
ア 新型コロナウイルス関連
(ア)強制距離措置等及び非居住外国人の入国禁止措置の延長
 28日、政府は、大統領令を発出し、同日が期限となっていた強制距離措置及び強制隔離措置を3月12日まで延長した。非居住外国人に対する入国禁止措置も、同様に3月12日まで延長された。移民局が同禁止措置の例外を設定できるとの規定は維持されている。
(イ)変異種の確認
 科学・技術・イノベーション省が所掌する新型コロナウイルスのゲノム分析プロジェクト(PAISプロジェクト)の調査により、英国型変異種とリオデジャネイロ型変異種が新たに確認された。新たに確認された英国型2例のうち1例は、海外渡航歴も輸入症例との濃厚接触も確認されず、亜においてはじめての英国型の市中感染例となった。
(ウ)保健相の新型コロナウイルス感染
 26日、ビソッティ保健相がPCR検査を受検した結果、陽性判定となった。
イ ワクチン関連
(ア)ロシア製ワクチン「スプートニクV」
12日、ロシア製ワクチン「スプートニクV」40万回分が亜に納入された。28日には、更に51万7500回分が納入された。
26日、リッチモンド研究所は、ロシア直接投資基金との間で、ロシア製ワクチン「スプートニクV」の生産に係る合意に署名した。生産工場は、リッチモンド研究所が所在するブエノスアイレス州のピラール市に建設され、建設工事は即時に開始される予定。
(イ)中国シノファーム製ワクチン
8日、政府は、中国シノファーム社とワクチン購入に係る条件につき合意し、22日には、同ワクチンの使用を認可する保健省決定が公布された。
25日には、同ワクチンが90万4000回分、28日、9万6000回分が亜に納入された。
(ウ)インドセラム・インスティテュート製ワクチン
 17日、インドセラム・インスティテュート製ワクチン「コビシールド」(英アストラゼネカ及び英オックスフォード大学が技術提供)58万回分が亜に到着した。
(エ)亜のワクチン開発
 20日、国立農業技術研究所(INTA)サラソラ所長は、バゴ研究所と共同で進める新型コロナウイルスワクチン開発の暫定結果が良好であったと発表した。
ウ 違法漁業対策
11日、フレデリック治安相及びバステラ農牧漁業相は、チュブト州を訪問し、沿岸警備隊が亜の排他的経済水域(EEZ)において実施する違法漁業対策の予防管理活動を視察した。また、亜の自然資源と水資源の保護を目的とする連邦警察関係組織の展開強化に関する省庁間会議に出席した。
エ 保健相の交代
 19日、ゴンサレス・ガルシア保健相(当時)が与党関係者に対し、ワクチン接種に係る特別な便宜(通称「VIPワクチン」)を与えたことがスキャンダルとして報じられた後、フェルナンデス大統領は辞任を求めた。同日付官報にて、同保健相の辞任及びビソッティ保健副大臣(保健アクセス担当)の新保健相就任が公布された。
 また、27日、首都を中心に国内主要都市において、「VIPワクチン」に反対する大規模な反政府抗議デモが実施された。本年に入って大規模な反政府抗議デモが実施されたのは今回が初めて。
オ メネム元大統領の逝去
14日、カルロス・メネム元大統領(上院議員)が逝去した。
 
2 外交
(1)米国:
ア 12日、外務省はプレスリリースを発出し、米国大西洋艦隊潜水艦部隊(COMSUBLANT)が南大西洋において英国の支援の下で演習を実施したことに対して強い懸念を表明した。
イ 26日、フェルナンデス大統領は、ケリー米国気候変動担当大統領特使と電話会談を行い、4月22日に米国が主催する気候変動サミットへの招待を受け、同サミットに出席する旨回答した。
(2)ロシア:
ア 2日、フェルナンデス大統領は、プーチン露大統領と電話会談を行った。
イ 17~19日に当地で、亜露政府間技術・軍事協力会議が開かれた。
(3)メキシコ:
 22~24日、フェルナンデス大統領は訪墨し、アストラゼネカ製ワクチンを生産するリオモント研究所や上院議会及び下院議会を訪問した他、墨独立200周年記念式典へ出席した。
(4)ブラジル:
23日付当地各紙は、ボルソナーロ伯大統領が、自身のツイッターにおいて、亜に関して報じた記事を引用しながら亜に対する批判的な投稿を行った旨報じた。
(5)コンゴ民主共和国:
 22日、外務省は、コンゴ民主共和国における国連の車列への攻撃により駐コンゴ(民)伊大使が死亡した事件に関し、弔意を示すプレスリリースを発出した。
(6)要人往来:
ア 往訪
メキシコ:フェルナンデス大統領他。
イ 来訪
ロシア:プンチュク軍事技術連邦局副局長他。