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Perito Moreno

 
ペリート・モレーノ
国立公園
(Parque Nacional Perito Moreno)
 
 
 

アルゼンチン政治情勢(2015年6月)

 

2015年7月作成
在アルゼンチン日本大使館

 

 概要


(1)内政:

 

 (ア)20日,大統領候補者が発表され,与党「勝利のための戦線」からシオリ・ブエノスアイレス州知事が,野党連合「カンビエモス」からマクリ・ブエノスアイレス市長等が出馬することになった。

 

 (イ)9日,公共交通機関を含む反政府系の労組は,全国主要都市でゼネストを実施した。

 

(2)外交:

 

 (ア)6日~9日にかけて,フェルナンデス大統領は,イタリア及びバチカンを訪問し,フランシスコ・ローマ法王をはじめ,マッタレッラ・イタリア大統領等と会談した。また,その後,第39回国連食糧農業機関(FAO)会合で演説を行った。

 

 (イ)26日,アルゼンチン連邦裁判所は,フォークランド(マルビナス)諸島周辺領域にて石油・天然ガスの発掘を行っていた英・米国企業計5社に対する資産の差し押さえを命じた。

 

 

 内政


(1)大統領・政府

 

 (ア)女性虐待・殺人防止措置機関の創設

 5日,司法・人権省は,同省下に,女性に対する虐待・殺人を防止するための公式統計・組織化及びフォローアップに関する機関(Unidad de Registro, Sistematización y Seguimiento de Femicidios y de Homicidios)を創設する旨発表した。

 

 (イ)陸軍参謀本部長の交替

 23日,陸軍トップのミラニ陸軍参謀本部長(軍階級:大将)が辞任を表明し,24日,ロッシ国防大臣は,官報にて後任にクンドム前統合参謀本部作戦指令部長を指名した。

 

(2)連邦議会

 

 (ア)改正刑事訴訟法の担保法案の可決

 10日,2014年12月に改正された刑事訴訟法の複数の担保法案が可決された。これにより,2016年3月以降,刑事訴訟における予審の指揮命令が連邦裁判所から検察に移るとともに,検察組織の拡充が行われることとなった。

 

 (イ)代理判事法の改正

 10日,空席判事ポストを埋める「代理判事」の任命に関する代理判事法(Ley de Subrogancias)の改正法案が可決された。従来は,司法評議会(Consejo de la Magistratura)が,①空席判事ポストと管轄区及び専門性が同じ者を任命する,もし①の要件が満たせない場合,②予め作成された判事補欠リストから抽選で任命する,とされていたものが,改正により,①と②の優先順位がなくなった他,②については任意での任命が可能となった。

 

(3)司法・検察

 

 (ア)鉄道衝突事故に対する告発

 7日,ブエノスアイレス州テンペルレイ駅(ロカ線)にて,列車同士が激突し,40名以上の負傷者が出た。衝突した列車のうちの1つが,2つの停止信号を無視したとして,運転手等が刑事告発された。

 

 (イ)アルゼンチン・イラン二国間覚書の違憲審査の担当判事の解任

 25日,判事の任命等を担う司法評議会(Consejo de la Magistratura)は,10日に改正された「代理判事法」に基づき,2013年に署名されたアルゼンチン・イラン二国間覚書の違憲審査を担当していたルイス・カブラル代理判事を解任し,新たに別の代理判事を任命した。これに対し,カブラル代理判事の解任の一時停止措置や,違憲審査の請求が行われた。


(4)労働組合:反政府系労組によるゼネスト

 

 9日,鉄道,地下鉄,バス,トラック,飲食業等の反政府系労組団体は,政府に対し,労使間の賃金交渉における賃上げ基準設定の廃止等を求めて,全国主要都市でゼネストを実施した。また,道路封鎖も各地で併せて行われた結果,市民の生活や経済活動に対する影響が出た。

 

(5)選挙

 

 (ア)大統領の候補者登録完了

 10日,国家選挙裁判所は,本年10月の大統領選挙を含む国政選挙の選挙連合登録を締め切った。また20日には,大統領候補者登録も締め切られ,以下の9組,13ペアが大統領選予備選挙に臨む事となった。(姓に下線)

 

 (i)「勝利のための戦線(Frente para la Victoria)」(ペロン党現政権派等)

    ・大統領候補: ダニエル・シオリ・ブエノスアイレス州知事

    ・副大統領候補:カルロス・サニーニ大統領府法制長官

 

 (ii)「カンビエモス(変えよう)(Cambiemos)」(共和国提案,急進党等)

 (a) ・大統領候補: マウリシオ・マクリ・ブエノスアイレス市長

     ・副大統領候補:ガブリエラ・ミケティ上院議員

 (b) ・大統領候補: エルネスト・サンス上院議員

     ・副大統領候補:ルカス・ラチ・トルクアト・ディ・テラ大学教授

 (c) ・大統領候補:エリサ・カリオー下院議員

     ・副大統領候補:エクトル・フロレス元下院議員

 

 (iii)「新たな代案(UNA:Una Nueva Alternativa)」(ペロン党反現政権派)

 (a) ・大統領候補: セルヒオ・マサ下院議員

     ・副大統領候補:グスタボ・サエンス・サルタ州上院議員

 (b) ・大統領候補: ホセ・マヌエル・デ・ラ・ソタ・コルドバ州知事

     ・副大統領候補:クラウディア・ルチ元下院議員

 

 (iv)「進歩主義(Progresistas)」(社会党等)

    ・大統領候補: マルガリタ・ストルビセル下院議員

    ・副大統領候補:ミゲル・アンヘル・オラビアガ・コルドバ州商業店舗労働組合員

 

 (v)「連邦コミットメント(Compromiso Federal)」

    ・大統領候補: アドルフォ・ロドリゲス・サア上院議員(元大統領)

    ・副大統領候補:リリアナ・ネグレ・デ・アロンソ上院議員

 

 (vi)「民衆戦線(Frente Popular)」

    ・大統領候補: ビクトル・デ・ジェナロ下院議員

    ・副大統領候補:エバンヘリナ・コドニ・アルゼンチン農業連合(FAA)青年部元代表

 

 (vii)「左派及び労働者戦線(Frente Izquierda y de los Trabajadores (FIT))」

 (a) ・大統領候補: ホルヘ・アルタミラ労働者党元代表

     ・副大統領候補:フアン・カルロス・ジオルダノ下院議員

 (b) ・大統領候補: ニコラス・デル・カニョ下院議員

     ・副大統領候補:ミリアム・ブレグマン下院議員

 

 (viii)「MST-新たな左派(MST - Nueva Izquierda)」

    ・大統領候補: アレハンドロ・ボダルト・ブエノスアイレス市議会議員

    ・副大統領候補:ビルマ・リポル元ブエノスアイレス市議会議員

 

 (ix)「新MAS(Nuevo MAS)」

    ・大統領候補: マヌエラ・カスタニェイラ社会(女性問題等)活動家

    ・副大統領候補:ホルヘ・アジャラ・アルゼンチン空圧機労働組合員

 

 (イ)サンタ・フェ州地方選本選挙結果

 14日,サンタ・フェ州(有権者人口3位)の地方選本選挙が行われ,知事選では,同州与党のリフスチツ候補(市民・社会革新戦線:急進党と社会党の選挙連合)が当選した。

 

 (ウ)リオ・ネグロ州地方選本選挙結果

 14日,リオ・ネグロ州の地方選本選挙が行われ,知事選では,ウェレティルネク現州知事(リオ・ネグロ結集戦線:反現政権派)が再選した。

 

 (エ)メンドサ州地方選本選挙結果

 21日,メンドサ州(有権者人口5位)の地方選本選挙が行われ,知事選では,コルネホ候補(メンドサを変える戦線(Frente Cambia Mendoza):「共和国提案」「急進党」,及び「刷新戦線」が支持)が当選した。

 

 (オ)ティエラ・デル・フエゴ州地方選本選挙結果

 28日,ティエラ・デル・フエゴ州の地方選本選挙の知事選挙決選投票が行われ,ベルトネ候補(勝利のための戦線)が当選した。

 

(6)その他

 

 (ア)女性の権利と保護を求める行進の実施  

 3日,ブエノスアイレス市の連邦議会広場をはじめ,全国各地で,女性の権利と保護を求める「一人たりとも(Ni una menos)」と称された行進が行われ,現政権閣僚等も参加した。ブエノスアイレス市では約15万人,コルドバ市では約5万人が参加したとされる。

 

 (イ)FIFA汚職疑惑の容疑者の身柄確保

 18日,FIFA汚職疑惑にて米司法省により訴追された3名のアルゼンチン人容疑者のうち2名が自首し,アルゼンチン当局に拘束された。(なお,もう1名は,9日,イタリアにて自首し,同国当局に拘束された。)

 

 外交


(1)フォークランド(マルビナス)諸島領有権問題

 

 (ア)ティメルマン外務大臣のOAS総会における演説

 16日,ワシントンにて開催された米州機構(OAS)総会に出席したティメルマン外務大臣は,演説の中で,マルビナス諸島領有権問題は,メルコスール等も含めた地域の課題と化していると述べた。また,同総会で可決された最終宣言には,アルゼンチンと英国が,早急にフォークランド(マルビナス)諸島領有権問題に関する交渉を再開する必要性を再表明する文言が組み込まれた。

 

 (イ)ティメルマン外務大臣による国連脱植民地化委員会における対英批判

 24日,ニューヨークで開催された国連脱植民地化委員会会合に出席したティメルマン外務大臣は,フォークランド(マルビナス)諸島領有権問題解決に向け,英国及びアルゼンチンに交渉再開を促す国連決議第2065号採択から50年が経過した点を指摘し,交渉に応じない英国の態度を批判した。

 

 (ウ)フォークランド(マルビナス)諸島周辺海域で活動する英・米国企業に対する資産差し押さえ判決

 26日,アルゼンチン連邦裁判所は,フォークランド(マルビナス)諸島周辺領域にて,アルゼンチン政府当局の許可なしに石油・天然ガスの発掘を行っていたPremier Oil Plc等の英国及び米国企業計5社に対する,1億5600万米ドル超の資産差し押さえを命じた。

 これに対し,29日,英国政府は,アルゼンチンの法規が,フォークランド諸島にも,同諸島周辺海域にも適用されることはない旨警告した。

 

(2)CELAC・EU首脳会合

 

 10日~11日にかけてベルギーで開催されたCELAC(ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体)・EU首脳会合の本会合に,フェルナンデス大統領に代わり出席したティメルマン外務大臣は,10日の演説の中で,マルビナス諸島領有権問題に関し,英国を批判する発言を行った。これに対し,既に発言を終えていたキャメロン英首相は,再度発言を求め,アルゼンチンの発言は脅迫的であると述べてティメルマン外務大臣の発言に反発した。


(3)OAS

 

 15日~16日にかけて,ティメルマン外務大臣はワシントンにて開催された第45回米州機構(OAS)総会に出席した。また,同総会では,サファロニ前最高裁判所裁判官が,米州人権裁判所裁判官に選出された。

 

(4)FAO

 

 (ア)フェルナンデス大統領の演説

 8日,フェルナンデス大統領は,第39回国連食糧農業機関(FAO)会合に出席し,演説を行い,社会包摂を促進するアルゼンチンの社会政策の重要性を強調した。また,食糧市場における投機を批判しつつ,国際社会による規制の必要性を訴えた。

 

 (イ)FAOブエノスアイレス事務所設置に向けた署名

 8日,ティメルマン外務大臣とダ・シルバFAO事務局長は,FAOブエノスアイレス事務局設置に関する合意文書への署名を行った。

 

(5)バチカン

 

 7日,フェルナンデス大統領は,バチカンにてフランシスコ・ローマ法王と会談を行い,世界情勢に関して意見交換を行った。

 

(6)イタリア

 

  6日~9日にかけてイタリアを訪問したフェルナンデス大統領は,8日,マッタレッラ・イタリア大統領と会談し,両国間関係につき意見交換を行った。その他,フェルナンデス大統領は,ルーラ・ダ・シルバ前伯大統領や,アルゼンチンの映画家フェルナンド・ビリ氏との会合を持った。

 

(7)ロシア

 

 (ア)デ・ビード連邦企画大臣の訪露  

 1日~3日にかけてロシアを訪問したデ・ビード連邦企画大臣は,モスクワにて開催された第7回原子力国際フォーラム「アトムエキスポ2015」に出席し,アルゼンチンにおける原子力計画の成果と今後の計画に関し演説を行った。

 

 (イ)キシロフ経済・財政大臣の訪露

 19日,2015年SPIEF(サンクトペテルブルク国際経済フォーラム)出席のためロシアを訪問したキシロフ経済・財政大臣は,「アルゼンチンはロシアとの間で,戦略的統合関係を構築している。ラテンアメリカ諸国はロシアとの関係強化に強い関心を示している」旨述べた。また,今次訪問中,キシロフ経済・財政大臣は,シルアノフ露財政大臣と会合し,両国間で署名済みの協定進捗状況等について協議した。

 

(8)ブラジル

 

 25日,アルゼンチン・ブラジル間の自動車協定(ACE14号)の1年間の延長が決定した。

 

(9)パナマ

 

 3日,パナマで発生した森林での火事に際し,アルゼンチン政府は外務省の緊急援助組織である「ホワイト・ヘルメット」を通じて,人道支援を行った。同支援に対し,デ・グラシア駐アルゼンチン・パナマ大使は,スアイン筆頭外務副大臣に対し謝意を述べた。

 

(10)米国

 

 4日,スノーデン氏の弁護人のひとりであるアンソニー・ロメロ米国自由人権協会(ACLU:人権NGO団体)会長は,フェルナンデス大統領が4月のロシア訪問の際にスノーデン氏と会った旨明らかにした。同氏によると,同会合では通信傍受を巡る世界情勢等に関し,意見交換が行われたとのこと。

 

(11)要人往来

 

 (ア) 往訪

 

1日~3日

デ・ビード連邦企画大臣のロシア訪問
1日~2日
トマーダ労働大臣のスイス訪問(第104回ILO総会出席)
5日
パリーリ情報長官のコロンビア訪問
7日
フェルナンデス大統領のバチカン訪問
8日~9日
フェルナンデス大統領のイタリア訪問
10日~11日
ティメルマン外務大臣のベルギー訪問(CELAC・EU首脳会合出席)
13日
ティメルマン外務大臣のイタリア訪問(第7回イタリア・ラテンアメリカ・カリブ・サミット出席)
15日
ティメルマン外務大臣の米国訪問(第45回OAS総会出席)
19日
キシロフ経済・財政大臣及びガルッチオYPF社長のロシア訪問(2015年SPIEF経済国際フォーラム出席)
22日~23日
ジョルジ産業大臣のペルー訪問
22日
エチェガライAFIP長官のベルギー訪問
24日~25日
ティメルマン外務大臣の米国訪問(国連脱植民地化委員会会合出席)
24日~25日
デ・ビード連邦企画大臣のベネズエラ訪問
30日
スアイン筆頭外務副大臣のインド訪問

 

 (イ)来訪

 

22日
Wu Zidan中国国家粮食副局長
23日
メディナ・キューバ外務次官(第6回キューバ・アルゼンチン政策協議出席)
23日
ベルチェシヴィリ・ジョージア外務大臣

 

   



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