アルゼンチン政治情勢(月1回更新)

令和5年3月29日

アルゼンチン政治情勢(2023年2月)

1 内政
(1)内閣官房長官の交代
 15日、マンスール内閣官房長官が辞任し、ロッシ連邦情報局(AFI)暫定長官が後任に就任した。
(2)与党連合による政策会議の開催
 16日、与党連合は、ペロン党党首であるフェルナンデス大統領の招集により、本年大統領選挙に向けた政策会議を開催し、(不出馬宣言をした)クリスティーナ・フェルナンデス(以下、CFK)副大統領に対する政治的「追放」を防ぐために必要な行動を取ると述べるとともに、(実施有無につき議論が行われている)本年大統領選挙に先立つ予備選挙(PASO)が候補者選出のためのプロセスであることを改めて確認する旨の声明を発出した。会合には、大統領をはじめ33名の与党連合関係者が出席した。
(3)亜によるパラグアイ由来の船舶貨物検査の強化措置の影響
 客年6月からパラグアイからの欧州向けコンテナの各種産品に紛れ込ませたコカインが相次いで発見されたことを受け、亜税関当局はパラグアイからの欧州及びアフリカへの輸出を目的とした全貨物検査の実施を決定した。これを受け、両国の税関当局長官が協力協定に署名するなど、両国間での取り締まり強化の動きが進んでいる。
 
2 外交

(1)カフィエロ外相のベルギー・トルコ訪問
 1月31日~2月4日、カフィエロ外相はベルギー・ブリュッセルとトルコを訪問し、ボレル外務・安全保障政策上級代表、シムソン欧州委員(エネルギー担当)、クラランヴァル・ベルギー副首相と各々会談した。
続くトルコ訪問では、チャヴシュオール外相と会談し、科学技術イノベーション協力協定への署名が行われた。
(2)ロシアによるウクライナ侵攻一周年に関する外務省プレスリリース

 24日、ロシアによるウクライナ侵攻から一年が経過したことを受け、亜政府は侵攻を改めて非難し、停戦を呼びかける旨発表した。発表では、同国の外交政策の基軸である国家主権と領土保全の原則及び人権へのコミットメントを再確認したほか、同国の人道支援機関が寄付金の送付や避難支援を実施した旨言及した。また同国政府は、米露間の核軍縮協定停止による核兵器の使用を懸念しており、破壊行為でなく対話が唯一の前進であるとして、早急な紛争の平和的解決を呼びかけた。
(3)ギリシャ
 8日、フェルナンデス大統領は、デンディアス・ギリシャ外相の表敬を受けた(同国外相の訪亜は今回が初)。双方は、貿易・投資関係や、教育、スポーツ、科学技術等に関する協力強化につき意見交換を行い、特に、ギリシャ宇宙センターと亜宇宙活動委員会(CONAE)が署名予定の協力協定の重要性を強調した。同表敬に先立ち両国外相会談も実施された。
(4)サンマリノ
 14日、カフィエロ外相は、ベッカーリ・サンマリノ外務・国際経済協力・通信長官と会談した。双方は、租税情報交換協定や、教育、社会保障、領事案件に関する各種協定の交渉状況につき確認した。
(5)ウルグアイ
 16日、カフィエロ外相は、ブスティージョ・ウルグアイ外相と会談した。双方は、二国間関係、国際場裡の問題、亜が議長国を務めるメルコスールのアジェンダにつき意見交換を行った。メルコスールに関して、双方は、域内・域外貿易の更なる活性化が必要である点で一致した。
(6)バングラデシュ
 26~28日、カフィエロ外相はバングラデシュを訪問した。南米諸国の外相がバングラデシュを公式訪問するのは初。27日、カフィエロ外相はダッカで行われた在バングラデシュ亜大使館の開館式典に参加した。
また、アブドゥル・モメン・バングラデシュ外相と会談し、貿易関係の多様化等について協議し、自然災害対策、人道支援及び宇宙関連分野における二国間協力に関するテーマを前進させた。
(7)要人往来
ア 往訪
 ベルギー:カフィエロ外相
 トルコ:カフィエロ外相
 バングラデシュ:カフィエロ外相
イ 来訪
 ギリシャ:デンディアス外相
 サンマリノ:ベッカーリ外務・国際経済協力・通信長官
 ウルグアイ:ブスティージョ外相

(了)

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