アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
平成30年8月30日
アルゼンチン政治情勢(2018年7月)
2018年8月作成
在アルゼンチン日本大使館
1 内政在アルゼンチン日本大使館
(1)大統領府・政府:
ア 歳出削減にかかる政令
10日,政府は歳出削減にかかる政令を官報において発表した。同措置には,2019年末までの公務員の新規採用の抑制や海外出張費の削減等が含まれている。
イ 亜国軍の機能拡大にかかる政令
24日,政府は亜軍の機能拡大にかかる政令を官報において発表した。同政令において,政府は,亜国軍が国際テロ,サイバー攻撃,麻薬密輸及び人身売買対策等の多国籍犯罪に対する任務を追加するための新たなガイドラインを設定した。
(2)連邦議会:臓器移植法案等の可決・成立
4日,議会下院において,臓器移植法案(Ley Justina)及び母親を殺害された子どもに対する経済保障制度創設にかかる法案(Ley Brisa)が可決・成立した。
(3)その他:2015年及び2017年の選挙における与党カンビエモスの不正な選挙資金疑惑
ガルシア上院議員(野党ペロン党キルチネル派)及びストルビセル下院議員(同マサ派)等がブエノスアイレス州の2015年及び2017年の選挙において与党カンビエモスに不正な選挙資金疑惑があると告発したことに対し,18日,ビダル・ブエノスアイレス州知事は,2015~17年の選挙キャンペーンの資金担当でありかつブエノスアイレス州の会計士であるマリア・フェルナンダ・インサ氏に対し,辞任を求めた。
また,30日,ラ・アラメダ財団もカンビエモスに不正選挙資金があったことを告発した。
2 外交
(1)日本:
ア 西日本豪雨に対する亜外務省声明の発出
10日,亜外務省は,日本の南西部における豪雨による洪水及び土砂崩れが原因で生じた,今般の自然災害により多くの人命が痛ましくも失われたことに対し,日本政府及び日本国民に哀悼の意を表するとともに,連帯の意を表明するプレスリリースを発出した。
イ 亜産牛肉の日本への輸出
23日,亜外務省及び農産業省はプレスリリースを通じて,日本に輸出される亜産牛肉の初荷が行われた旨発表した。
ウ マクリ大統領の日産コルドバ工場開所式への出席
30日,マクリ大統領は,日産コルドバ工場の開所式に出席した。同開所式には,シカ工業生産大臣,エチェベレ農産業大臣,サントス観光大臣及びアグア国防大臣等も出席した。(同工場では,ピックアップトラックが製造される。)
(2)南アフリカ:マクリ大統領の南アフリカ訪問
26~27日,本年のG20議長国として,第10回BRICS首脳会合に招待されたマクリ大統領は,南アフリカ(ヨハネスブルグ)を訪問し,同会合のマージンにおいて,プーチン露大統領,習近平中国国家主席,モディ印首相,テメル伯大統領及びラマポーザ南アフリカ大統領とそれぞれ会談を行った。
南アフリカと亜の間では,亜の国立公園と南アフリカの国立公園の技術協力に関する協定について署名が行われた他,亜航空製造社(FAdeA)とParamount社(南アフリカの民間防衛企業大手)との間で覚書への署名が行われた。同覚書は,亜産の新たな訓練・軍事用航空機の中東向けの輸出を目的としている。
(3)ASEAN諸国:フォリー外務大臣のベトナム・シンガポール訪問
30~31日,フォリー外務大臣は両国の外交関係樹立45周年を記念し,ベトナムを公式訪問した。31日,フォリー大臣は,グエン・スアン・フック・ベトナム首相を表敬訪問した他,ファム・ビン・ミン・ベトナム副首相兼外務大臣等と会談を行った。また,同大臣は,亜・ベトナム・ビジネスフォーラムの開会式にも出席した。
(ベトナム訪問に続き,8月1~2日,フォリー外務大臣はシンガポールを訪問した。8月1日,フォリー大臣は,シェンロン・シンガポール首相を表敬訪問した他,バラクリシュナン・シンガポール外相,チャン・チュンシン貿易産業相等と会談を行った後,ビジネスフォーラムに出席した。また,8月2日,フォリー外務大臣は,第51回ASEAN外相・関連外相会議に出席した他,東南アジア友好協力条約(TAC)への亜加盟にかかる文書に署名を行った。)
(4)中国:中国共産党中央政治局委員の来亜
2日,マクリ大統領は,大統領府において,アルゼンチンを訪問中の楊暁渡(Yang Xiao du)・中国共産党中央政治局委員と会談を行った。また,同委員は,先週末,エチェベレ農産業大臣と共に,飼育農場の視察を行った。
(5)G20:
ア 第2回G20財務大臣・中央銀行総裁会議
21~22日,当地において第2回G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催され,日本より麻生財務大臣が出席した他,ラガルドIMF専務理事等も出席した。また,22日,同会議の枠組でアルゼンチンを訪問したル・メール仏経済・財務大臣,ムニューシン米財務長官及びラライン・チリ財務大臣等は,それぞれマクリ大統領表敬を行った。
イ G20農業大臣会合
28日,当地においてG20農業大臣会合が開催され,日本より野中農林水産大臣政務官が出席した。また,エチェベレ農産業大臣は,同会合の枠組でアルゼンチンを訪問した野中政務官,クレックナー独食料・農業大臣,パーデュー米農務長官,プラナス西農業・漁業・食料大臣,レヴィン・ロシア農業省次官,リトルプラウド豪・農業・水資源大臣及びスハウテン・オランダ副首相兼農業・自然・食品品質大臣とそれぞれ会談を行った他,中国,印,シンガポール,伯,国際農業開発基金(IFAD)の代表者ともそれぞれ会談を行った。
(6)メルコスール:
ア EU・メルコスールFTA交渉の実施
9~19日,ベルギー(ブリュッセル)において,EU・メルコスールFTA交渉が行われた。18~19日の会合には,フォリー外務大臣他,ブラジル,ウルグアイ,パラグアイの外相やマルムストローム欧州委員等も出席した。フォリー外務大臣は,今次交渉では最もセンシティブな双方の分野において大きな進展が見られた旨述べた。なお,メルコスール諸国の外相は,16~17日,ブリュッセルで開催された第2回CELAC・EU外相会合に出席した。
イ シンガポール・メルコスールFTA交渉
23~24日,メキシコ(プエルトバジャルタ)において開催された第13回太平洋同盟首脳会合の枠組において,23日,メルコスールはシンガポールとのFTA交渉を開始する旨発表し,両者の間で共同声明に署名が行われた。なお,同会合には亜よりライモンディ筆頭外務副大臣が,シンガポールよりChee Hong Tat国務大臣(貿易・工業担当)が出席した。
(7)OAS:アルマグロOAS事務総長のアルゼンチン訪問
18日,マクリ大統領は,アルゼンチンを訪問したアルマグロOAS事務総長の表敬訪問を受けた。同会談において,両者は様々な地域アジェンダ,特にベネズエラ,ニカラグアの危機について意見交換を行った。
(8)ニカラグア:ニカラグア情勢に関する声明
16日,亜外務省は,ラ米13カ国(アルゼンチン,ブラジル,チリ,コロンビア,コスタリカ,エクアドル,グアテマラ,ホンジュラス,メキシコ,パナマ,パラグアイ,ペルー及びウルグアイ)と共同で,ニカラグア情勢に対する特別宣言を発出した旨のプレスリリースを発出した。
(9)ウルグアイ:両国の貿易問題に関する二国間委員会会合の実施
27日,当地において,両国の貿易問題に関する二国間委員会会合が実施された。亜より,カルピンテリ外務省次官(メルコスール・国際経済交渉担当)が,ウルグアイより,クスカシ外務省メルコスール統合問題局長が出席した。両国は,四半期毎の会合を通じて委員会の取組みを活性化させることで一致した。
(10)英国:ミケティ副大統領の英国訪問
23~24日,ミケティ副大統領は英国(ロンドン)を訪問し,世界障害者サミットに出席した。また,23日,モレノ・エクアドル大統領と会合を行い,障害者に関する共通のアジェンダについて意見交換を行った。24日,シュタイナー国連開発計画(UNDP)総裁,ギルモア国連人権副高等弁務官及びモーダント英国国際開発相等とそれぞれ会談を行った。
(11)要人往来:
ア 往訪
●2日: シカ工業生産大臣のブラジル訪問
●9日: ドゥホブネ財務大臣のNY訪問
●18~19日: フォリー外務大臣のベルギー訪問
●23~24日: ミケティ副大統領の英国訪問
●26~27日: マクリ大統領の南アフリカ訪問(BRICS首脳会合への出席)
●30~31日: フォリー外務大臣のベトナム訪問
●8月1~2日: フォリー外務大臣のシンガポール訪問
イ 来訪
●2日: 楊暁渡中国共産党中央政治局委員
●18日: アルマグロOAS事務総長
●21~22日: 麻生財務大臣,ラガルドIMF専務理事,ムニューシン米財務長官
ル・メール仏経済・財務大臣,ラライン・チリ財務大臣等(G20
財務大臣・中央銀行総裁会議への出席)
●28日: 野中政務官,クレックナー独食料・農業大臣,パーデュー米農務長
官,プラナス西農業・漁業・食料大臣等(G20農業大臣会合への
出席)
(了)
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