アルゼンチン政治情勢(月1回更新)

令和5年2月4日

アルゼンチン政治情勢(2022年12月)

2023年1月作成
在アルゼンチン日本大使館

1 内政

(1)運輸大臣の交代
 1日、ゲレラ前運輸大臣に代わり、ジュリアーノ新運輸大臣が就任した。
(2)「公共事業・有料道路事件」:クリスティーナ副大統領への有罪判決
 6日、連邦裁判所口頭審理法廷は、「公共事業・有料道路事件」(クリスティーナ・フェルナンデス副大統領が以前に大統領を務めていた際、サンタクルス州の公共事業において特定事業者に入札の便宜を図ったとされる事件)に関し、同副大統領に懲役6年及び公職からの永久追放の判決が言い渡された。ただし、当該判決は第1審に当たるため、判決理由が公表される明年3月9日以降副大統領側は控訴が可能となる。
(3)ブエノスアイレス市への連邦交付金を巡る連邦最高裁判決
 21日、連邦最高裁は、2022年9月に現政権がブエノスアイレス市に対する連邦交付金割当率をそれまでの3.75%から2.32%へ引き下げたことを不服として、ブエノスアイレス市から提起された訴訟に関し、ブエノスアイレス市との合意無く一方的な引き下げを行うことはできないとして、同交付金を2.95%とする判決を下した。
 
2 外交

(1)ペルー
12日、亜政府は、コロンビア、メキシコ及びボリビアと共同で、ペルーのカスティージョ大統領の解任及び拘束に至ったペルー国内情勢について深い憂慮を表明する旨の共同声明を発表した。
(2)パキスタン:
 6日、亜とパキスタンの政策協議が実施され、農林業及び情報通信技術の分野を念頭に置いた二国間協力を促進するためのロードマップに合意した。また、経済面では、二国間の貿易・投資の拡大・多様化に引き続き取り組むことで一致し、貿易促進に関する覚書に署名を行った。
(3)カザフスタン:
 8日、亜とカザフスタンの政策協議が実施され、二国間の重要課題に関する包括的なレビューが行われた。特に、農業部門、科学技術、原子力エネルギーと宇宙空間の平和利用、二国間貿易の増加及び多様化における協力が強調され、両国の関係強化を継続するためのロードマップが策定された。
(4)バングラデシュ:
 10日、亜外務省は、1978年以来閉鎖されている在バングラデシュ亜大使館の運営を再開するプロジェクトを推進することを発表した。本取組については、カフィエロ外相が、2023年にインドで開催されるG20外相サミットに出席した後にバングラデシュを公式訪問し、最終決定がなされる見込みである。
(5)フィンランド:
 12日、亜とフィンランドの政策協議が実施され、二国間の中心的な課題について協議した。両国は、南極問題、DX・人工知能、衛星、林業、教育、人権・ジェンダー問題等に関する協力の促進について話し合った。2023年は、亜・フィンランドの外交関係樹立100周年に当たる。
(6)メルコスール:
 5日、カフィエロ外相は第61回メルコスール共同市場理事会(CMC)に参加し、シンガポールとのFTA交渉の妥結、EU、カナダ、インドネシア等との協定交渉の継続について協議した。
また、翌6日には、フェルナンデス大統領が第61回メルコスール首脳会合に出席し、加盟国間の格差是正に向けた域内貿易の活性化、加盟国間での議論を通した結束強化について協議した。本会合において、ウルグアイから亜へ議長国が交代した。
(7)要人往来
ア 往訪
 ウルグアイ(メルコスール会合):フェルナンデス大統領、カフィエロ外相
 カザフスタン:テタマンティ筆頭外務副大臣
 パキスタン:テタマンティ筆頭外務副大臣
イ 来訪
 特になし
 

(了)