アルゼンチン政治情勢(月1回更新)

令和3年1月12日

アルゼンチン政治情勢(2020年11月)

2020年12月作成
在アルゼンチン日本大使館

 

1 内政

(1)政府:

ア 新型コロナウイルス関連

(ア)政府の措置

 9日及び27日、大統領令の公布により、強制隔離、強制距離及び非居住外国人の入国禁止措置が12月20日まで延長された

9日には、ブエノスアイレス首都圏における強制隔離措置が解除され、強制距離措置に移行された。30日以降、強制隔離措置の適用はバリローチェ市(リオ・ネグロ州)及びプエルト・デセアド市(サンタ・クルス州)のみとなった

 

(イ)政府高官の新型コロナウイルス感染及びフェルナンデス大統領の隔離

 11日、フェルナンデス大統領のボリビア大統領就任式出席に同行したベリス大統領府戦略長官の新型コロナウイルス陽性判定を受け、フェルナンデス大統領とのその他随員は検査を受けた。フェルナンデス大統領は陰性であったが公邸で隔離を行った。

 

(ウ)ブエノスアイレス市の観光再開

 20日、ブエノスアイレス市政府は、観光再開に伴う入域時の検査等に係るガイドラインを発表した。伯、チリ、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイの居住者のみが入域可能となり、空路入国のみ可能(ウルグアイは水路も可)であり、陸路入国は依然として不可となった。

 

イ 内閣閣僚の交代

 11日、ビエルサ国土開発・居住環境大臣が辞任し、後任としてホルヘ・フェラレシ・ブエノスアイレス州アベジャネダ市長兼「愛国研究所」(クリスティーナ副大統領が創立したシンクタンク)副所長が就任した。

 

(2)国会:

ア 18日、富裕税が下院にて可決された。

 

イ 27日、検事総長の選出に必要な票数を、3分の2から過半数へと変更する法案が上院で可決された。

 

ウ 30日、官報第964/2020号により、通常国会は12月11日まで延長され、特別国会の開催は12月12日から翌年2月28日までとなった

 

(3)その他:

 25日、元有名サッカー選手マラドーナ氏が逝去し、政府は法令第936/2020を発出し3日間喪に服した。同氏の通夜は大統領府にて実施され、参列したファンが一部暴徒化し警察と衝突する事態に発展した。

 

2 外交

(1)中国:

11日、下院は、中国文化センターの設置に係る法案を可決した。同文化センターは、両国間の文化交流と相互協力の促進のためにブエノスアイレス市内に設置されることとなる。

 

(2)ロシア:

2日、フェルナンデス大統領は、露スプートニク通信のインタビューの中で、ロシア製ワクチン「スプートニクV」を、12月に1000万回分、来年1月には更に1500万回分(合計2500万回分)購入する予定であると明らかにした。同ワクチンは二度の接種が必要であるため、1250万人分に相当する。

 

(3)ボリビア:

8日、フェルナンデス大統領は、ルイス・アルセ・ボリビア大統領就任式に出席した。また、9日、当地亡命中だったモラレス・ボリビア元大統領が帰国し、フェルナンデス大統領が付き添った

 

(4)ウルグアイ:

19日、フェルナンデス大統領はウルグアイを急遽訪問し、ラカジェ・ポウ・ウルグアイ大統領と会談した

 

(5)ブラジル:

29日、フェルナンデス大統領は、「亜・伯、友好の日」の式典に先立ちボルソナーロ伯大統領と電話会談を行った

 

(6)米国:

30日、フェルナンデス大統領は、バイデン次期米国大統領と電話会談を行った。フェルナンデス大統領はIMFとの交渉におけるバイデン次期米国大統領への協力を依頼した

 

(7)EU:

4日、ソラー外相は、駐亜EU大使及び駐亜EU各国大使らと会合を行い、世界的パンデミック禍における協力計画、亜の経済回復に関する計画、フォークランド(マルビーナス)諸島問題等に関して意見交換を行った。

 

(8)G20:

21日及び22日、フェルナンデス大統領は、G20首脳テレビ会議に出席した

 

(9)要人往来:

ア 往訪

特になし。

 

イ 来訪

特になし。