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2014年12月アルゼンチンの政治情勢(内政・外交)

 

2015年1月作成
在アルゼンチン大使館

 

 概要


(1)内政:


 (ア)4日,刑事訴訟法の改正法案が可決され,これまで判事にも認められてきた公訴に関連する捜査権が検事に限定されることとなった。(当館注:ただし,同法を施行するには関連法・規定の整備が必要なため,同法内容は12月時点では未実施。)

 (イ)フェルナンデス大統領は,16日,オスカル・パリーリ大統領府長官を大統領府情報長官に,18日,アニバル・フェルナンデス上院議員を,大統領府長官に任命した。

 (ウ)26日,フェルナンデス大統領は,左足首を骨折し,公式行事の出席等を含む1月の公務が見直された。

 

(2)外交:

 

 (ア)4日,フェルナンデス大統領がエクアドルで行われた第8回南米諸国連合(UNASUR)首脳会合に出席し,5日,「ネストル・キルチネル」と名付けられたUNASUR新本部の開所式に参加した。

 (イ)17日,フェルナンデス大統領は,米・キューバ外交関係正常化に向けた動きを歓迎した。

 (ウ)17日,第47回メルコスール共同市場審議会・首脳会合が,アルゼンチンのエントレ・リオス州パラナ市で開催された。

 

 

 内政


(1)大統領府・政府

 

 (ア)フェルナンデス大統領の5月広場での演説

 13日,フェルナンデス大統領は,「国際人権デー」及び「民主化31周年記念」と称した式典を大統領府前の5月広場で開き,現政権の成果を強調すると共に,司法やハゲタカ・ファンドを批判する内容の演説を行った。

 なお,同広場には,ラ・カンポラ(キルチネル派支持集団)やキルチネル派のピケテロ・グループ(道路封鎖集団)を中心に,10万人以上の観衆が詰めかけたとされている。

 

 (イ)商業庁の自動車会社に対する罰金命令

 15日,コスタ商業長官は,当地主要自動車メーカー8社(トヨタ社,ホンダ社を含む)が,ティエラ・デル・フエゴ特別関税地域での乗用車の販売価格を談合で決めていたとし,8社に対し合計10億6,000万ペソの罰金を課し,談合の取り止めを命じた。

 これに対し,自動車メーカー側は,公正取引委員会(Comisión Nacional de Defensa de la Competencia)に陳情書を提出し,罰金を払う意思はないことを表明した。

 

 (ウ)大統領府閣僚の交替

 16日,フェルナンデス大統領は,大統領府情報庁(Secretaría de Inteligencia)のイカスリアガ長官(Icazuriaga)の辞任を受理し,オスカル・パリーリ(Oscar Parrilli)大統領府長官(Secretaría General)を後任に任命した。

 18日,アニバル・フェルナンデス(Aníbal Fernandez)上院議員を,大統領府長官に任命した。

 

 (エ)フェルナンデス大統領の足首骨折

 26日,フェルナンデス大統領は,サンタ・クルス州の家で,足を滑らせ転倒し,足首を骨折した。これを受け,29日,カピタニッチ官房長官は,公式行事への出席等を含む大統領の1月中の公務を見直す旨述べた。

 

(2)連邦議会

 

 (ア)下院の執行部役員選出

 3日,下院において,次期国会会期の執行役員選出が行われ,ドミンゲス現下院議長が再選された。その他,執行部役員は以下の通り。

 

  ・議長: フリアン・ドミンゲス(現政権派:勝利のための戦線)

  ・第1副議長:ノルマ・アブダラ・デ・マタラッツォ(野党:サンティアゴ・デル・エステロによる市民戦線)

  ・第2副議長:パトリシア・ヒメネス(野党:急進党)

  ・第3副議長:グラシエラ・カマーニョ(反現政権派:刷新戦線)

 

 (イ)刑事訴訟法改正

 4日,刑事訴訟法(Código Procesal Penal)の改正法案が可決された。新法には,これまで判事にも認められてきた公訴に関連する捜査権を検事に限定すると共に,検事ポストの増設等が盛り込まれた。また,裁判の迅速化(公判における各プロセスの期限設定とその期限を過ぎた場合の判事忌避権),外国人犯罪者の国外追放手続き等が定められた。(当館注:ただし,同法を施行するには関連法・規定の整備が必要なため,同法内容は12月時点では未実施。)

 

 (ウ)外国銀行口座調査委員会の設立

 4日,外国銀行口座に関する両院委員会の設立法案が可決された。11月に,連邦歳入庁(AFIP)は,スイスに口座を持つアルゼンチンの個人・法人が脱税をしているとし,その口座を管轄するHSBC銀行を告発したが,本委員会も同銀行の口座等を調査することとなった。

 

 (エ)通信法改正

 16日,「アルゼンチン・デジタル(Argentina Digital)」と呼ばれる通信法(Ley de Telecomunicaciones)の改正法案が可決された。新法は,固定・携帯電話,テレビ,ラジオ及びインターネット事業の各サービス種類間に設けられていた参入規制の撤廃等,新たな枠組みを提示している。

 

 (オ)選挙法改正

 29日,選挙法(Código Electoral)の改正法案が可決された。新法は,メルコスール議会(Parlasur)議員の選出方法を修正するもので,19名が全国区比例方式で,24名が州選挙区から1名ずつ選出されることとなった。なお,同法は2015年の総選挙で施行される。(当館注:メルコスール議員は計187名おり,アルゼンチン43名,ブラジル75名,ベネズエラ33名,ウルグアイ18名,パラグアイ18名と割当てられている。)

 

(3)司法・検察

 

 (ア)アラク司法大臣への予審尋問召喚

 4日,マルティネス・デ・ジョルジ連邦判事は,アラク司法大臣を予審尋問に召喚した。同大臣は,2008年に公務員の立場でアルゼンチン航空社(当時はスペインのマルサンス社が経営)の理事を務めていたが,同社の経営悪化にもかかわらず,司法・人権省の司法総監察局(IGJ:Inspección General de la Justicia)に報告を行っていなかったことが,公務員の義務違反に当たるとして同年より捜査がされていた。

 他方,アラク大臣は,容疑の内容が明らかになれば,予審尋問に応じると声明を出した。

 

 (イ)供給法の違憲審査請求

 8日,経済界の6つの団体の代表者(グループ6)は,9月に改正された供給法(Ley de Abastecimiento)について,アルゼンチン憲法内の私有財産権及び,正当な企業活動を営む権利を侵害しうるものであるとして,連邦裁判所に違憲審査を請求した。

 

 (ウ)ブドゥー副大統領の裁判開始確定

 12日,虚偽表示のある身分証明書で車両登録を行った容疑で8月に起訴されたブドゥー副大統領につき,連邦第一審裁判所は同副大統領に対する裁判(口頭審理:juicio oral y público)を行うことを決定した。本件により,同副大統領は,当国で裁判を受ける初の現職副大統領となり,これを受け,野党陣は再び同副大統領の休職を求めた。

 

 (エ)ラサロ・バエス氏の資金洗浄疑惑に関与した連邦検事に対する起訴

 15日,マルティネス・デ・ジョルジ連邦判事は,キルチネル家と親しいラサロ・バエス氏等による資金洗浄疑惑に対する捜査に関する不正の疑いで,カルロス・ゴネラ連邦検事及び,オマール・オルシ連邦検事を起訴した。両検事は,2013年4月に検察がラサロ・バエス氏等に対する捜査を開始した際,担当検事に対しバエス氏を捜査の対象から外すように働きかけたとの疑いがもたれていた。

(4)労働組合

 

 (ア)年末一時金の所得税への非課税

 4日,フェルナンデス大統領は第20回アルゼンチン工業連盟(UIA:Unión Industrial Argentina)の総会に出席し,12月の一時金(月給の半分)にかかる所得税ついて,月給が35,000ペソの者は課税対象外にする旨発表した。これを受け,同日,反政府系の労働総同盟(CGT:Confederación General del Trabajo)のモジャーノ書記長は,12月半ばに予定していたストを取りやめると発表した。

(5)その他

 

 (ア)フェルナンデス大統領の娘の入院

 フェルナンデス大統領の娘であるフロレンシア氏が,軽度の婦人病(ginecológico menor)と診断され,7日から8日にかけ入院した。フェルナンデス大統領は,9日の退院まで付き添った。

 

 (イ)2015年度ブエノスアイレス市長選挙日程の発表

 16日,マクリ・ブエノスアイレス市長(共和国提案)は,2015年度のブエノスアイレス市長選挙の日程を発表した。

 

  ・立候補者登録締め切り: 3月 2日

  ・予備選挙(PASO): 4月26日

  ・本選挙: 7月 5日

  ・決選投票(※): 7月19日

 

(※)ブエノスアイレス市憲法は,市長選出につき,本選挙で50%を超える得票率を獲得した候補者がいない場合,得票率上位2候補者で決選投票を行う旨規定している。

 

 

 外交


(1)フォークランド(マルビナス)諸島領有権問題

 

 (ア)フェルナンデス大統領演説  

 18日,フェルナンデス大統領は,米・キューバ関係の正常化に向けた動きに関連し「米国人(yankees)がフィデル・カストロの主張を認めるのに53年かかったが,過去に大国でありながら今日はさほどでもない別の国(英国)もマルビナス諸島の主権の問題について,我々と対話する気になることを期待している」と述べた。

 

 (イ)英国によるサッチャー元首相の像建立計画

 18日,キャメロン英首相は,1982年のフォークランド諸島解放の功労者として,2015年にサッチャー元英首相を讃えるための像をフォークランド諸島に建立すると発表した。

 

(2)UNASUR

 

 (ア)UNASUR首脳会合

 4日,フェルナンデス大統領がエクアドルを訪問し,グアヤキルにて行われた第8回南米諸国連合(UNASUR:Unión de Naciones Sudamericanas)首脳会合に出席した。同会合にて,ホスト国であるエクアドルのコレア大統領等は,国家対外債務交渉について言及しつつ,フェルナンデス大統領との一層の連帯を強調した。また,デシレ・ボータッセ議長(スリナム大統領)は,フォークランド(マルビナス)諸島における主権の問題に関し,アルゼンチンの主張を支持した。

 

 (イ)UNASUR新本部開所式

 5日,キトにて,「ネストル・キルチネル(前アルゼンチン大統領)」と名付けられ、同前大統領の像が飾られたUNASUR新本部の開所式が行われ,フェルナンデス大統領が演説を行った。

 

(3)イベロアメリカ・サミット

 

 8日~9日にかけて,メキシコのベラクルスにて第24回イベロアメリカ・サミットが開催され,フェルナンデス大統領に代わり,ティメルマン外務大臣が出席した。今次サミットにて,イベロアメリカ諸国は,フォークランド(マルビナス)諸島領有権問題及び,残存債務(ホールドアウト)問題を巡るハゲタカ・ファンドとの紛争に関し,アルゼンチンの立場への支持を表明した。

 

(4)COP20

 

 10日,ペルーのリマにて開催されたCOP20(国連気候変動枠組条約締約国会議第20回会合)に,ブドゥー副大統領が出席し,歴史的に地球温暖化については先進国がより大きな責任を負うべきであるという「共通だが差異ある責任」及び,環境アジェンダは各国の開発アジェンダと両立する必要があるというアルゼンチンの方針に関するスピーチを行った。

 

(5)メルコスール

 

 (ア)メルコスール首脳会合

 17日,第47回メルコスール共同市場審議会・首脳会合がアルゼンチン(議長国)のエントレ・リオス州パラナ市で開催され,加盟6か国より,フェルナンデス大統領(アルゼンチン),ルセーフ大統領(ブラジル),ムヒカ大統領(ウルグアイ),カルテス大統領(パラグアイ),マドゥーロ大統領(ベネズエラ),モラレス大統領(ボリビア)が出席した。

 

 (イ)フェルナンデス大統領の演説

 フェルナンデス大統領は,同会合での演説において,加盟国内でメルコスールが国際社会との統合の障害になっているとの批判があるとしつつ,まず地域で統合ができていなければ国際社会とも統合はできないと述べ,メルコスールとしての結束の重要性を強調した。

 

 (ウ)成果文書

 今次会合にて,以下の共同声明等7件の成果文書が発表された。

 

  ・メルコスール正式加盟国大統領による共同声明

  ・メルコスール正式加盟国・準加盟国大統領による共同声明

  ・メルコスール加盟国によるアルゼンチンへの支持に関する特別公式声明

  ・ベネズエラに対する制裁に関するメルコスール加盟国大統領による特別公式声明

  ・フォークランド(マルビナス)諸島付近のアルゼンチン大陸棚における石油と天然ガス採掘,漁業に関する特別公式声明

  ・エネルギー政策及びクリーン・テクノロジーの一般的利用におけるエクアドル支持に関する特別公式声明

  ・メルコスール加盟国及び参加国外務大臣によるグラジアノ・ダ・シルバ国連食糧農業機関(FAO)選挙事務局長再選支持に関する共同公式声明

 

(6)キューバ

 

 17日,フェルナンデス大統領は,米・キューバ外交関係正常化に向けた動きを歓迎する発言を行った。また,「ラテンアメリカのみでなく世界中が喜ぶべき出来事」として,フランシスコ・ローマ法王が仲介者として非常に重要な役割を果たしたことを強調した。  

 なお,同日,外務省も,米・キューバ間外交関係再構築に向けた動きに対し,祝意を表明する旨プレスリリースを発出した。

 

(7)チリ

 

 23日,ティメルマン外務大臣及び,ムニョス・チリ外務大臣は,サンティアゴ・デ・チリにて,両国を結ぶトンネル2ヶ所(アグア・ネグラ・ルート及び,アコンカグア両洋間ルート)の建設の入札に関するマイプ条約補足議定書への署名を行った。

 

(8)中国

 

 11日,アルゼンチンは,中国との間で合意に至った通貨スワップ協定による第3回目の通貨スワップ(約62億元(約10億米ドル相当))を実施した。

 

(9)要人往来

 

 (ア) 往訪

 

2日

シオリ・ブエノスアイレス州知事のブラジル訪問
4日~5日 フェルナンデス大統領のエクアドル訪問(第8回UNASUR首脳会合出席)
8日~9日 ティメルマン外務大臣のメキシコ訪問(第24回イベロアメリカ・サミット出席)
9日 フィルムス外務副大臣(マルビナス問題担当)の米国訪問(国連脱植民地化委員会会合出席)
9日~11日 ブドゥー副大統領のペルー訪問(COP20会合出席)
11日 シオリ・ブエノスアイレス州知事の米国訪問
23日 ティメルマン外務大臣のチリ訪問

 

 (イ)来訪

 

1日 ポルタス・ポルトガル副首相
4日 ベハール仏原子力委員会原子力エネルギー局長
15日 バシール・レバノン外務・移民大臣
17日 ルセーフ大統領(ブラジル),ムヒカ大統領(ウルグアイ),カルテス大統領(パラグアイ),マドゥーロ大統領(ベネズエラ),モラレス大統領(ボリビア)等(メルコスール首脳会合出席)

 

 

 

   



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