アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
アルゼンチン政治情勢(2024年6月)
1 内政
(1)議会関連
●野党による年金改革法案の下院通過(5日)
ア 5日、下院が、野党連合「祖国のための同盟」、野党「急進市民同盟(UCR)」発案の年金改革案を賛成160票、反対72票、棄権8票で承認したことを受け、ミレイ大統領は声明を発出し、「国家の財政均衡を損なういかなる法律に対しても、拒否権を発動する用意がある」と述べた。
イ 同年金改革案においては、年金の最低支給額の設定やインフレ率に基づく支給額の月次インデクセーション、追加的な支給等が提案されている。
●自由推進法及び税制パッケージ法案の上院通過(12日)
ア 12日、オムニバス法案の修正案である「アルゼンチン国民の自由のための国家基本法案(以下、自由推進法)」及び税制パッケージ法案の審議が上院本会議で行われ、約13時間以上にわたる審議の後、賛成36票、反対36票(出席72名)となり、同数となった場合の憲法上の規定により、ビジャルエル上院議長が賛成票を投じ、可決された。
イ 上院審議では、民営化対象からアルゼンチン航空等3社が除外された他、大型投資奨励制度(RIGI)に参加できる部門が5分野(林業、インフラ、鉱業、エネルギー、テクノロジー)に限定され、現地調達に係る規定の文言が追加される等の修正が加えられた。また、税制パッケージ法案では個人資産税及び所得税に係る条項は全て否決される等の修正があった。
イ 同日、大統領府は、自由推進法の承認を祝福する声明を発出した。
ウ なお、同日、議会前広場周辺では右法案に反対する社会運動、左翼団体等を中心とする抗議活動が行われ、一部のデモ隊が投石、火炎瓶の投下、車両への放火等を行い過激化し治安当局と激しく衝突した他、同日夜にはブエノスアイレス市内をはじめ国内各地で、鍋等を叩いての抗議活動が行われた。
エ 市場の反応としては、翌13日、カントリーリスクの指標が低下した他、債券価格も最大で4%上昇した。
●自由推進法及び税制パッケージ法案の下院再審議での承認(28日)
ア 28日、下院本会議における再審議で、自由推進法が賛成147票、反対107票、棄権2票で、税制パッケージ法案が賛成144票、反対108票、棄権3票で、それぞれ可決された。
イ 自由推進法のうち、大型投資奨励制度(RIGI)に関しては、最終的に8分野(林業、観光、インフラ、鉱業、鉄鋼、エネルギー、石油・ガス、テクノロジー)を対象とすることになった他、税制パッケージ法案のうち、上院で否決された所得税の課税対象拡大や個人資産税に関する項目は、今回の下院再審議で再び承認され本法案に盛り込まれることとなった。他方、上院で民営化対象から除外されたアルゼンチン航空等の3社は、最終的に民営化対象から除外されたままとなった。
ウ 7月8日、自由推進法及び税制パッケージ法が、法律として公布された。
(2)ミレイ政権の動向
●人的資本省の食品管理を巡る問題
ア 5月22日に報道機関が調査を要請したことにより、前政権から引き継いだ消費期限の迫った社会支援用食料及び資金に関し、人的資本省の管理に問題があったとして、社会運動団体等は、ペトベージョ人的資本相を強く非難した。
イ 本件に関し、5月27日 、連邦裁判所は政府に対し、すべての備蓄食料に関する報告書及び配給計画の作成、及び72時間以内の関連の報告書類を提出するよう要請した。右要請に対し、同日の定例記者会見において、アドルニ大統領府報道官は、「司法は公共政策に干渉できない」として、人的資本省が連邦裁判所判事による右要請に対し、控訴する旨発表した。
ウ 5月31日、人的資本省は、備蓄食料の管理を巡り、デ・ラ・トーレ人的資本副大臣(子供・青年・家族担当)を更迭した。
エ 6月3日、政府は、国防省及びアルゼンチン陸軍の協力の下、備蓄食料の一部配給を行うことを発表した。
オ 6月14日、連邦裁判所は、その他の備蓄食料の配給計画の提示を要請し、6月24日、人的資本省は、新たな配給計画を提出した。その後、6月25日、人的資本省は、右要請を行った連邦裁判所に対し控訴する旨発表した 。
●内務省の廃止(4日)
4日、内務省が正式に廃止された。内務省が存在しない状況はアルゼンチンの歴史上初。今回の省庁再編により、カタラン前内務副大臣(内務担当)が内閣官房次官(内務担当)に就任し、これまでの内務省の業務を主に管轄する。
●外務省下部組織の大統領府管轄下への編入(10日)
10日、政府は、外務省下部組織のアルゼンチン国際貿易・投資促進基金を大統領府の管轄下とすることを決定した。右財団は、アルゼンチン企業の輸出支援及び国際市場での事業展開支援を包括的に行う機関であり、外務省では、シマ外務副大臣(国際経済関係担当)が所掌していた。
●鉄道分野における非常事態宣言(13日)
13日、政府は、2年間の鉄道分野における非常事態を宣言した。この措置は、5月にブエノスアイレス市パレルモ地区で起きたサン・マルティン線の鉄道車両事故を受けたもので、同宣言には、2024年度鉄道予算拡充及び連邦歳入庁(AFIP)に対する鉄道関連部品の輸入迅速化の義務づけ等が含まれている。
(3)経済
●IMF拡大信用供与措置第8次レビュー完了(13日)
ア 13日、IMF理事会は、アルゼンチンに対する拡大信用供与措置(EFF)の第8次レビューを完了した。本決定により、約8億米ドルに相当する6億SDRのディスバースが実施された。
イ IMFは、前回のレビュー以降のアルゼンチン政府による安定化計画の継続及び財政均衡の達成に向けた顕著な進展を評価すると共に、今後は、税制の是正等を含む財政調整の質を向上させることを優先するよう強調した。右に対し、アルゼンチン政府は、PAIS税(為替アクセス税)等の大幅な減税に着手する意向を表明した。
●カプート経済相等による今後の経済政策の方針発表(28日)
28日、カプート経済相とバウシリ中銀総裁は、自由推進法等の議会承認後に記者会見を行い、今後の経済政策の方針を発表した。本会見でカプート経済相は、現時点でミレイ政権は経済安定化計画の第二段階におり、中銀の有利子負債由来の問題を解決する方法としての通貨増発を行わないため、中銀債を国債に置き換える作業に取り組んでいくと述べた。他方、為替・資本フロー規制の撤廃は、上記計画の第三段階にあるとし、必要なマクロ経済的条件が整ってから実施すると述べ、具体的な時期は言明しなかった。
(4)治安情勢
●コリエンテス州における5歳男児の行方不明事件(13日)
ア 13日、5歳のロアン・ペーニャがコリエンテス州ヌエベ・デ・フリオで行方不明となり、本件の容疑者として、同少年の親族の他、元軍人等が人身売買の容疑で、同市警察官が証拠の隠蔽の容疑等で、計6名が逮捕された。本件は、その複雑な展開もあり、当地メディアにより、センセーショナルに報道されている。
イ 25日、ブルリッチ治安相は、同少年の捜査に関し人身売買の可能性があるとして、パラグアイ訪問を発表したが、コリエンテス州でパラグアイ警察当局と会談した後、同州に留まり、連邦判事等の本件捜査関係者と会談した。
ウ 29日、バルデス同州知事は、少年の死因は交通事故によるものとする少年の叔母の証言に基づき、本件は事故であると発表した。その後、少年のいとこが叔母の証言を否定し、叔母が逮捕された。その後、叔母の証言から更に、定年退職した元警察官が逮捕されたことで、逮捕者は計8名となった。
エ 7月11日、少年の父親はブエノスアイレス市でブルリッチ治安相と会談した他、オベリスク周辺で本件解決を求めるデモを行った。
オ 7月12日、本件に関し、ブエナベントゥーラ・ドゥアルテ同州治安相が解任された他、7月18日には、同州警察幹部が解任された。
2 外交
(1)首脳級の動き
●ミレイ大統領のエルサルバドル訪問(1日)
ア 5月31日、ミレイ大統領は、訪米の帰路にエルサルバドルを訪問した。
イ 6月1日、ミレイ大統領は、ブケレ・エルサルバドル大統領の就任式に出席した。就任式後、ミレイ大統領は、ブケレ大統領と会談した。
ウ なお、大統領就任式の際、ミレイ大統領が、フェリペ6世スペイン国王と微笑みながら挨拶を交わす場面が見られた。5月以降、ミレイ大統領はサンチェス・スペイン首相と公に対立している。
●ミレイ大統領のG7サミット出席(14日)
ア 14日、ミレイ大統領は、伊プーリア州で開催されたG7サミットに出席した。会場到着後、ミレイ大統領は、メローニ伊首相の出迎えを受けた。また、サミット会場において教皇フランシスコに謁見した他、バイデン米大統領、マクロン仏大統領及び岸田総理と短時間の立ち話を行った。
イ ミレイ大統領は、サミットにおいて、主に人工知能に関し演説した。
ウ サミット後、ミレイ大統領は、ゲオルギエバIMF専務理事及びバンガ世銀総裁とそれぞれ会談した。
●ミレイ大統領のウクライナ平和サミット出席(15日)
ア 15日、ミレイ大統領は、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の招待によりスイスで開催されたウクライナ平和サミットに出席した。サミットおける演説では、ウクライナ及びゼレンスキー大統領への支持を改めて表明した他、平和と民主的共存の価値を強調した。また、自由の理念を強調し、あらゆる形態の暴力、特に国家間紛争の不当な解決手段としての戦争を拒否する旨表明した。
ウ サミット後、ミレイ大統領一行は、ゼレンスキー大統領と会談し、二国間協力及び通商関係につき協議した。さらに、ゼレンスキー大統領は、アルゼンチンの子ども帰還同盟(当館注:ロシアに拉致されたウクライナの子供たちの帰還を支援する国際的取組)加盟に謝意を表し、ミレイ大統領に対し、「自由の勲章」(当館注:ウクライナへの貢献に対し授与される賞)を授与した。
エ 16日、フェオクチストフ駐アルゼンチン・ロシア大使は、ミレイ大統領の平和サミット出席を受け、ミレイ政権に対するプーチン・ロシア大統領の懸念を表明する声明を発出し、アルゼンチンがこれまで採ってきた中立の立場を維持するよう要請した。
●ミレイ大統領の欧州訪問(21~25日)
ア 21日、スペインを訪問したミレイ大統領は、アユソ・マドリード自治州首相と会談し、同首相から同自治州の国際勲章を授与された。同日、同大統領は、フアン・デ・マリアナ賞(同名のリベラル派シンクタンクが授与する賞)を受賞した。
イ 22日、ミレイ大統領は、ハンブルクを訪問し、ハイエク協会からハイエク賞を授与された。
ウ 23日、ミレイ大統領は、訪問先のベルリンで、ホロコースト記念碑を訪問した。また、同大統領は、ショルツ独首相と会談し、EU・メルコスールFTA交渉は早期に妥結されるべきである旨確認した他、ウクライナとイスラエルに対する支援を確認した。また、ショルツ首相は、ミレイ政権の改革が、社会の実情に則し、社会の団結を維持するものとなるよう求めた。
エ 24日、ミレイ大統領は、チェコを訪問し、パヴェル・チェコ大統領、フィアラ・チェコ首相とそれぞれ会談した。パヴェル大統領との会合では、通商、軍事協力等に関する覚書等につき協議した。また、同日、ミレイ大統領は、自由主義研究所(リベラル・インスティテュート)賞を受賞した。ミレイ大統領は、授賞式での演説で、「レイデル大統領経済諮問委員会委員長と共に経済理論を書き換えようとしており、上手くいけば我々はノーベル経済学賞を受賞できるだろう」と述べた(当館注:なお、同研究所は、同大統領への右賞の授与は、部外者となった元創設者が個人的に行ったものであると主張)。
オ 同日、今次チェコ訪問に同行したペトリ国防相は、チェルノホヴァー・チェコ国防相と会談し、軍事協力に関する覚書に署名した。
(2)閣僚級(モンディーノ外相)の動き
●モンディーノ外相の国連非植民地化特別委員会等への出席(17~18日)
ア 17日、モンディーノ外相は、ウィンター米州協会/米州評議会(AS/COA)政策担当副会長との作業部会に出席した。同部会で、モンディーノ外相は、出席した企業関係者に対して現政権の経済改革につき説明すると共に、様々な分野での資本誘致機会創出に取り組んでいる旨強調した。
イ 18日、モンディーノ外相は、国連非植民地化特別委員会に出席した。同特別委員会では、全会一致で、マルビーナス諸島(ママ、以下同)の主権をめぐる問題の平和的かつ決定的な早期解決に向け、アルゼンチン及び英国に対し、二国間交渉再開を改めて呼びかける決議が採択された。
ウ モンディーノ外相は演説で、同諸島等に対するアルゼンチンの主権を再確認し、英国に対し、アルゼンチンと同様のコミットメントを取るようを求めた。
エ モンディーノ外相は、英国が同諸島に対する主権の法的根拠としている民族自決の原則は、英国が武力で同諸島の領土を占領した歴史的経緯から言って適用されないと主張するとともに、同諸島の住民の様々な権利は、他のアルゼンチン国民と同様、アルゼンチン憲法により保証されている旨強調した。
オ また、モンディーノ外相は、ミレイ政権が、英国との二国間関係を次の段階に進める意向である旨述べた。
●モンディーノ外相のOAS総会出席(26~28日)
ア 26日、モンディーノ外相は、エリクソン米NSC大統領特別補佐官兼西半球担当上級部長、マルティネス・アチャ・パナマ次期外相(当時)、アンドール・グレナダ外相等とそれぞれ会談した。
イ 27日、モンディーノ外相は、OAS総会で演説し、ミレイ政権が個人の自由、人権、民意の尊重、法の支配を重視している旨強調し、前日のボリビアにおけるクーデター未遂を非難した。また、同外相は、ベネズエラ、キューバ、ニカラグアの状況に懸念を表明した。この他、同外相は、マルビーナス諸島の主権を巡る問題への米州地域諸国の支持に謝意を表した。
ウ 27日、モンディーノ外相は、ペーニャ・パラグアイ大統領、ラミレス・パラグアイ外相、ジューリッチ・セルビア外相、ブラウン・トリニダード・トバゴ外務・カリコム担当相、アルバレス・ドミニカ共和国外相、ボロヴェッツ・ウクライナ外務副大臣等とそれぞれ会談した。
エ 28日、OAS総会において、マルビーナス諸島の主権を巡る問題に関する宣言が採択された。右に対し、モンディーノ外相は、米州地域の恒久的な支援に謝意を表した。採択に際し、同外相は、マルビーナス諸島等の主権を巡る問題は、アルゼンチン国民にとって政治的利害を超えた重要な問題である点及びミレイ政権は英国との関係深化を模索してきた点を強調した。
オ 28日、モンディーノ外相は、カリブ共同体(CARICOM)ハイレベル会合に出席した。
(3)対中関係
●中国人民銀行との通貨スワップ協定発動枠の更新(12日)
ア 12日、アルゼンチン中央銀行は、中国人民銀行との350億人民元(発動枠全額、50億ドル相当)の通貨スワップの更新を発表した。今次更新は、今後12カ月間有効となる。
イ スワップ更新後、複数の当地メディアは、ミレイ大統領が7月4日前後の日程で中国を訪問する旨報じたものの、7月3日に右日程での訪問は取りやめとなった旨報じられた。
(4)イスラエル・パレスチナ情勢
●ガザ地区に関する共同声明(6日)
ア 6日、ガザ地区に自国民が人質として拘束されているアルゼンチンを含む17カ国は、イスラエルとハマスの指導者に対し、ガザ地区における戦闘行為の停止及び人質解放に関する合意締結に必要な、最終的な妥協を行うように要請した。これは、バイデン米大統領の提案に基づくもの。
イ 政権発足以来、ミレイ大統領は、ガザ地区での軍事作戦の遂行を主張するネタニヤフ・イスラエル首相の立場を支持してきたが、今回初めて、アルゼンチンはガザ地区における停戦要請に加わった。
(5)その他
●シェインバウム次期メキシコ大統領の選出に係る祝意(3日)
ア 3日、アルゼンチン政府は、外務省を通じ、6月2日のメキシコ大統領選挙で新たに選出されたシェインバウム次期メキシコ大統領に祝意を表した。
イ なお、2日、フェルナンデス前大統領は、訪問先のメキシコで、シェインバウム候補の当選に対面で祝意を表した他、クリスティーナ・フェルナンデス前副大統領等、野党ペロン党関係者が多く祝意を表した。
●インド下院総選挙に係るミレイ大統領の祝意(5日)
5日、ミレイ大統領は、インド下院総選挙の結果を受け、自身のXに「モディ首相に対し、6億4,200万人以上が平和的かつ正しく参加した総選挙での勝利を祝福し、インド民主主義の強さと活力を確認する」旨、英語及びスペイン語で投稿した。
●アルゼンチンのBBNJ協定署名(18日)
ア 18日、モンディーノ外相は、公海上に海洋資源保護のための海洋保護区創設を許可する「国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(BBNJ協定)」に署名した。本協定が発効すれば、魚介類を漁獲している外国籍の漁業船の、一部公海上での操業規制が可能となる。
イ 本協定の批准には、アルゼンチン連邦議会両院での承認が必要となる。また、本協定の発効には、アルゼンチンを含む計60か国の批准が必要であるが、現時点ではチリ等7か国の批准に留まっている。
●アルゼンチンのカナダ及びパナマとの二国間航空協定締結(25日)
ア 25日、アルゼンチン政府は、カナダ政府と、1979年から施行されていた両国間の航空便数を制限する措置を撤廃する二国間航空協定を締結した。
イ 26日、アルゼンチン政府は、パナマ政府と同様の協定を締結した。
ウ オープンスカイ政策を掲げるアルゼンチン政府はこれまで、ブラジル、チリ、ウルグアイ等と同協定を締結しているが、中南米以外の国はカナダが初。
エ これらの協定に基づき、オープンスカイ政策が実施される場合には、必要緊急大統領令(DNU)70/2023の航空活動に関連する規定が完全に発効し法的拘束力を持つ必要がある。
●ボリビア情勢に関する政府声明(26日~)
ア 26日、アルゼンチン外務省は、同日のボリビアにおけるクーデター未遂を受け、右に係る軍の一部部隊の動向を否定し、ボリビアにおける民主主義体制継続の重要性を強調しつつ、法の支配への支持を表明する声明を発出した。
イ 30日、アルゼンチン大統領府は、「6月26日にボリビア政府により実行され、本日不正が確認されたクーデターに関する虚偽の発表を拒否する」とする声明を発出し、ボリビアの民主主義は、社会主義政権が独裁政権となっていたために長い間危機に瀕していると批判した。
ウ 7月1日、ボリビア外務省は上記イの声明に対し「6月26日の軍事クーデターに関する非友好的で無分別な発言を強く拒否する。(中略)右声明の不勉強で偏った主張は、過剰で容認しがたい否定主義を構成するもの。国連憲章及び国際法に従い、主権尊重と他国の内政不干渉の原則に基づき情報を入手し、行動するよう求める」とする声明を発出した。
エ また、プラダ・ボリビア大統領府相は、マッソーニ駐ボリビア・アルゼンチン大使と会談し、上記イの声明に対するボリビア政府の不快感を伝達した。また、7月2日、ボリビア外務省は声明を発出し、召還したタピア駐アルゼンチン・ボリビア大使との協議を通じ、本件に関する不見識で中傷的な発言が、大統領府の声明のみならずミレイ大統領のX上でも確認されたとして、これらの発言を拒否する旨表明した。
(6)要人往来一覧
ア 往訪
エルサルバドル:ミレイ大統領、カリーナ・ミレイ大統領府長官(5月31日~6月2日)
ブリュッセル:ペトリ国防相(13日、ウクライナ防衛コンタクトグループ)
伊:ミレイ大統領、カリーナ・ミレイ長官、イグレシアス下院外交委員長、レイデル大統領経済諮問委員会委員長(以下、ミレイ大統領等と略す)(13、14日、G7プーリアサミット)、モンディーノ外相、トーレス・チュブト州知事(24、25日、企業関係者との会合出席)
バチカン市国:キシロフ・ブエノスアイレス州知事(14日、教皇謁見)
スイス:ミレイ大統領等、ペトリ国防相(15日)、モンディーノ外相(15、16日)
米国:モンディーノ外相(17、18日、国連非植民地化特別委員会出席)
スペイン:ミレイ大統領等(21日)
独:ミレイ大統領等、モンディーノ外相(22、23日)
チェコ:ミレイ大統領等、ペトリ国防相(24日)
パラグアイ:モンディーノ外相(26~28日、OAS総会出席)
イ 来訪
なし
(了)
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