アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
アルゼンチン政治情勢(2025年10月)
※肩書はすべて当時のもの
1 内政
(1)ミレイ政権
●刑法改革の発表(2日)
2日、ミレイ大統領は、ブルリッチ治安相等とエセイサ刑務所を訪問し、同刑務所で行った記者会見で、刑法改革案を発表した。同計画には、犯罪の厳罰化、刑事責任年齢の引き下げ、司法手続きの迅速化等が含まれているとされる。
●「アルゼンチンを再び偉大に」計画の発表(10日)
10日、ミレイ大統領は、ブエノスアイレス州サンニコラス市の企業訪問時の演説で、「アルゼンチンを再び偉大に」計画を発表した。本計画は、経済成長を目的とし、労働制度改革と税制改革が中心に掲げられている。
●閣僚の交代
ア 28日、ウェルテイン外相が辞任し、キルノ経済副大臣(金融担当)が外相に就任した。
イ 31日、大統領府は、フランコス内閣官房長官の辞任、及びアドルニ大統領府報道官が後任として内閣官房長官に就任する旨発表した。
ウ 同日、カタラン内相が辞任した。11月2日、後任として、サンティリ下院議員が就任予定の旨発表された。
(2)選挙関連
●中間選挙の実施(26日)
ア 26日、連邦議会の中間選挙が実施され、与党「自由の前進(LLA)」等の政党連合が得票率40.28%で勝利した。野党ペロン党系政党連合は、得票率33.71%で二位となった。なお、投票率は、民政移管以降最低水準となる67.95%であった。
イ これにより、本年12月10日からの議会構成は、LLA80議席、PRO24議席、ペロン党99議席、UCR9議席等となった。
ウ 選挙後の30日、ミレイ大統領は、政権閣僚等と共に、州知事20名と会談した他、31日には、マクリ元大統領と会談した。
●エスペール下院議員の立候補辞退(5日)
ア 9月末、ペロン党のグラボイス氏が、エスペール下院議員(中間選挙のブエノスアイレス州選挙区LLA筆頭候補)が、麻薬密売に関与した疑いのある人物から未申告の送金を受けていたとして同議員を告発した。
イ エスペール議員は、当初は同人物との関係を否定し、立候補辞退の可能性を否定していたが、5日、立候補を辞退し、6日には下院予算委員長を辞任した。なお、13日、リンチ下院議員(LLA)が後任として予算委員長に任命された。
ウ 同議員の立候補辞退を受け、LLAはサンティリ下院議員を筆頭候補とし、投票用紙の再印刷を主張した。選挙司法は筆頭候補の変更を承認したが、再印刷は不可と判断した。
2 外交
(1)米国における動向
●米・アルゼンチン二国間首脳ワーキングランチの実施(14日)
ア 14日、ミレイ大統領は、米大統領官邸において、トランプ米大統領との米・アルゼンチン二国間首脳ワーキングランチを実施した。
イ 本会合に際しての記者会見で、トランプ大統領は、ミレイ大統領を高く評価した他、アルゼンチンに対する米国の支援は、選挙結果による等と発言した。
ウ なお、同記者会見で、ベッセント米財務長官は、米国の支援の条件として、中国との通貨スワップ協定の停止を挙げているとする報道を否定し、アルゼンチンにおける中国の軍事施設・港湾施設が問題だと指摘した。
エ トランプ大統領の上記発言等が報道で取り上げられたこと等により、ペソ安やカントリーリスクの悪化が進んだ。
(2)イスラエル・パレスチナ関係
●ハマスに拘束されていた人質の解放に対するアルゼンチン政府祝意(13日)
13日、ハマスが、ガザ地区で生存しているアルゼンチン人を含む人質20名全員を解放し、イスラエルに引き渡したことに関し、アルゼンチン大統領府の他、個人ではミレイ大統領等が祝意を表明した。
(3)要人往来
往訪:
米国:ミレイ大統領、カリーナ・ミレイ大統領府長官、ウェルテイン外相、カプート経済相、ブルリッチ治安相、バウシリ中銀総裁(13~15日、米・アルゼンチン首脳ワーキングランチ)
来訪:
なし
(了)