1 概要
(1)内政:ブドゥー副大統領の汚職疑惑による起訴と,更に同副大統領の中古車の車両登録に関して文書偽造疑惑が新たに浮上したことが,当地紙で大きく報じられた。
また,フェルナンデス大統領が咽喉頭炎によりパラグアイ訪問や独立記念式典への出席などを見合わせた。その他,政府による中国からの鉄道の新車両の導入,退職者年金の本年2度目の支給額増加の発表がなされた。
(2)外交:12日,プーチン露大統領が訪亜し,フェルナンデス大統領との会談,二国間合意文書への署名等を実施した。18日から20日にかけ,習近平中国国家主席が,中南米諸国歴訪の一環として亜を公式訪問し,フェルナンデス大統領をはじめとする当国要人との会合を行った。ホールドアウト(残存債務)問題を巡る(ハゲタカ)ファンドとの交渉が合意に至らなかった結果,30日,亜はいわゆる「デフォルト」に陥ったと一部で言われる中,亜政府は「合意に至らなかったものの,支払い自体は行っている」と主張し,デフォルトを否定している。
2 内政
(1)ブドゥー副大統領の汚職疑惑
(ア)チコーネ事件
6月27日に,ブドゥー副大統領は,連邦第一審裁判所のリホ判事により「収賄」と「(公務の遂行とは)相容れない取引(Negociacion Incompatible)」で訴追されたが,10日に連邦控訴裁判所に抗告した。17日,リホ判事は,この抗告を容認した。
(イ)ホンダ中古車の文書偽造疑惑
23日,ブドゥー副大統領は,同人の車両登録に際し,「公文書偽造」の疑いで,ボナディオ連邦判事により予審尋問に召喚された。事の経緯は,1993年(副大統領は過去に1992年とも発言),同副大統領は,中古のホンダ車(CRX del Sol 1992年モデル)を購入し,その車両登録を2003年に行った際,書類には実在しない住所が記載されていた(その他多数の不備があった)ため,公的手続きに虚偽の申告をしたという疑いが掛けられた。23日の尋問では,同副大統領は,ボナディオ判事の質問に対し,書簡を提出し,登録書類に関する自身の無関与と手続きを代行した者の責任であることを述べた。(8月8日,自身のDNI(亜身分証明書)に実在しない住所が記載されており,「虚偽表示のある書類にて公的手続きを行った」容疑で起訴された。なお,同車両の購入時の価格は1.5万ドル前後であったと報じられている。)
(ウ)政府・野党の反応
フェルナンデス大統領は,1日のペロン元大統領の追悼式にて,「(ペロン元大統領がクーデターで1955年に大統領を失脚したことを取り上げ)クーデターを容認したのは司法である」と述べ,ブドゥー副大統領についての明言を避けつつも,司法を批判する発言を行った。7月時点で同副大統領の進退について公式の場では明らかにされていないが,フェルナンデス大統領は,サニーニ法制長官及びマキシモ氏(フェルナンデス大統領長男)との間で,副大統領の処遇について話し合いをしている,との報道がなされた。また,与党・勝利のための戦線の一部の者の間でも,現政権のイメージをこれ以上損なわないよう,同副大統領に休職を求める声が出てきた。
対して,野党は同副大統領の辞任あるいは休職を求め,現政権側に対し圧力を強めた。
(2)大統領府・政府の動き
(ア)フェルナンデス大統領の咽喉頭炎
フェルナンデス大統領は,2日,咽喉頭炎(注:喉の炎症。症状は,風邪の際の喉の痛み程度の軽度のものから,重篤なものまで様々)を発症し,9日まで大統領公邸にて執務を行った。
これにより,2日のパラグアイ訪問のキャンセル,7日のサルグシャン・アルメニア大統領との昼食会のキャンセル,9日の独立記念日のトゥクマン州での演説の欠席(ブドゥー副大統領が代理を務めた。当初参加予定であったマドゥーロ・ベネズエラ大統領,ムヒカ・ウルグアイ大統領,モラレス・ボリビア大統領,コレア・エクアドル大統領は欠席した。)等,公務に影響が及んだ。
(イ)サルミエント線(鉄道)の新車両導入式
21日,フェルナンデス大統領は,ランダッソ内務・運輸大臣と共に,ブエノスアイレス市のビジャ・ルロ駅にて,サルミエント線(ブエノスアイレス市オンセ駅から西方の首都近郊都市をつなぐ路線)に7編成の新車両の導入式典に出席した。新しい車両は,2013年2月に始まった同線の安全性・スピードの向上,本数の増加を目的とした刷新計画の一環であり,中国より輸入された。これらにより,走行中に車両の扉が必ず閉まることで安全性が確保(以前は開放されたままの車両も有り)され,オンセ駅からモレーノ駅(ブエノスアイレス市西方の市の駅)までの所要時間が75分から40分に短縮され,走行本数は1時間に4本から5本に増加し,結果として1日の乗車可能人数が約24万人から約40万人に増加すると見込まれている。これらの新車両に加え,9月半ばには更に新たな車両が中国から輸入される予定である。一車両当たりのコストは約127万米ドルで,車両だけで総計約3,200万米ドルと算出されている。
この刷新計画の発端となったのは,2012年2月22日のブエノスアイレス市オンセ駅において,列車が駅端に衝突した事故であり,死者51名及び負傷者700名以上が生じた。当時,政府から補助金を受けていたブエノスアイレス鉄道社(TBA:Trenes de Buenos Aires)が車両のメンテナンスを十分に行っておらず,政府による管理も行き届いていなかったことが露呈された。ランダッソ内務・運輸大臣は,「我々は,新車両の導入を含め,国内の路線の変更や首都圏の路線の駅の刷新等,全ての鉄道制度の改革をしている途中である。」と述べ,今後の鉄道改革を政府が積極的に関与することを強調した。次は,ミトレ線(ブエノスアイレス市レティーロ駅と北西方面の首都近郊都市をつなぐ路線)の車両刷新が行われる予定とされている。
(ウ)退職者年金の最低支給額増額
30日,フェルナンデス大統領は,9月より,退職者年金(Jubilacion)の最低支給額を,2,757ペソから3,231ペソに上げる旨発表した。同年金については,本年6月に増額を発表したばかりで,年2回の増額をするのは初めてである。フェルナンデス大統領は演説で「ネストル・キルチネル(前大統領)が亜国民の大統領に就任した時(2003年),年金の最低支給額が250ペソであったが,(これまでの増額の結果)全体で2,054%(注:計算上は1,192%)上がった」と発言した。
この増額率について,当地紙の報道は,名目の額面増だけでインフレが加味されていない誇張表現であることを指摘し,その上でラ・ナシオン紙(当地二大主要紙の一つ)は消費者物価上昇を考慮すると実際の増加率は259%,パヒナ12紙(政府系紙)は消費者物価指数と米ドル価で考慮し,660%以上と算出している。
3 外交
(1)中国
(ア)習近平中国国家主席訪問概要
18日から20日にかけ,習近平中国国家主席が,中南米諸国歴訪の一環として亜を公式訪問し(報道によると,習近平国家主席には,王毅外交部長,Hu Huaibang中国商工銀行総裁,Li Ruogu中国輸出入銀行総裁等の他,企業関係者200〜280名,記者200名程度が同行した模様),フェルナンデス大統領との会談(18日),共同宣言他二国間協定等署名式,記者会見(18日),フェルナンデス大統領主催晩餐会(18日),国会訪問(19日),サン・マルティン広場献花(19日),マクリ・ブエノスアイレス市長との会談(19日)等を実施した。
(イ)フェルナンデス大統領と習近平中国国家主席の会談
習近平国家主席は17時19分,随員と共に大統領府に到着し「白の間」で閣僚メンバーを帯同したフェルナンデス大統領に迎えられた。両国国歌斉唱の後,17時28分,両首脳は大統領執務室に向かい,会談を行った。その後,「アルゼンチン女性の間」でそれぞれの随員も加えた二国間会談が行われた。フェルナンデス大統領と習近平国家主席は,両国間の全面的な戦略的パートナーシップを構築する共同宣言に署名した。さらに,経済,貿易,金融,核,文化面での協力に関する合意文書の署名式に出席した。右には,サンタクルス州の「ネストル・キルチネル」及び「ホルヘ・セペルニック」の水力発電ダム(建設)のための中国からの47億1,400万ドルの融資や,ベルグラーノ貨物線の全面改修のための借款が含まれる。署名式後,まずサンタクルス州カラファテ市,次いでサンタフェ州マシエル市との間でテレビ中継が行われ,前者からダム建設への融資,後者からベルグラーノ貨物線改修への借款に対する謝意が伝えられた。
中国商務部と亜中銀は,亜の外貨準備を支援し,二国間貿易を促進するために110億米ドル相当の亜中間の通貨スワップに関する合意に署名した。また,中国は,ベルグラーノ貨物線の工事に対する20億9,900万ドルの借款に関する契約,浚渫船を含む35艘の船舶を購入するための4億2,300万ドルの中国からの融資のための協定に合意した。原子力の分野では,重水炉建設計画及び原子力発電所建設計画における協力合意が決定された。
フェルナンデス大統領は,中国がフォークランド(マルビナス)に関するアルゼンチンの主張を支持したのに対し,アルゼンチンは「一つの中国」政策を支持していることを強調した。
(ウ)中・亜企業家会合
18日,中国商務部及び在亜中国大使館共催の中・亜企業家間の会合が,ブエノスアイレス市内のヒルトン・ホテルで開催され,中国貿易促進機構,アジア(商工)会議所,亜輸出者組合が参加した。同会合には,中国企業34社及び亜企業60社の代表が出席した。中国はアルゼンチンの輸出先第2位であり,2013年の輸出額は110億ドルを上回った。亜中銀によれば,中国からの対亜直接投資額のストック(累積額)は,2008年末には約1億米ドルであったが,2012年末には約5.8億米ドルに伸びた。
(エ)2014年亜中企業家フォーラム
19日,中国国際貿易促進委員会(CCPIT)及び亜中(商工)会議所共催,亜外務省協力の下,「2014年亜中企業家フォーラム」がブエノスアイレス市内のインターコンチネンタル・ホテルで開催され,中国企業家200名とアルゼンチン企業家多数が参加した。同フォーラムを通じ,商談が行われ,両国企業間で24(注:同プレスリリースの別の個所には25との表記もみられる)の取引契約が結ばれた。同フォーラムには,石油,鉱物,列車,化学薬品,銀行の分野の中国大手企業,飲食料,工業,建設,機械,テクノロジー,通信,電気製品,繊維,アパレル,電子製品,ロジスティックス,教育,観光等の企業も参加した。
(オ)亜・中間の協力及び経済調整のための戦略対話メカニズム
19日,サン・マルティン宮殿において,ティメルマン外相及びXu Shaoshi中国国家発展改革委員会委員長がそれぞれ率いる亜・中当局関係者が,亜・中間の協力及び経済調整のための戦略対話メカニズム第1回会合を行った。
同会合には,キシロフ経済・財務大臣,ジョルジ産業大臣,デビード公共事業大臣,ランダッソ内務・運輸大臣,ファブレガ中銀総裁,ガルッチオYPF社長,カピタニッチ官房長官が出席し,中国側からは国家発展改革委員会の他,企業及び金融機関の代表者が出席した。第一回会合において,両国のマクロ経済状況,工業化計画及び開発政策が議論され,二国間協力,特に,インフラ,エネルギー,運輸,通信及び港湾の分野における両元首の指示を実行するためのメカニズムが合意された。
(カ)マクリ・ブエノスアイレス市長との会談(主要紙報道)
19日,ブエノスアイレス市内のシェラトン・ホテルで開催された式典にて,マクリ市長は習国家主席に,ブエノスアイレス市の鍵と, "Xi Jinping"と印字された10番のボカ・ジュニアーズ(ブエノスアイレス市内にある有力サッカークラブ)のユニフォームを授与した。同市長は,習国家主席の訪亜を「両国の長期的な戦略的関係を構築する上での第一歩」と称し,中国は「チャンスの地である」と述べた。
(2)ロシア
12日,当国を訪問したプーチン露大統領は,フェルナンデス大統領と大統領府にて会談した。同会談後,両国首脳は,大統領府内の「(独立革命)200周年女性の間」にて,亜・露二国間合意文書5件(「亜政府及び露政府間の原子力の平和的利用の為の協力に関する合意」,「亜内閣府報道庁及び露情報技術・通信省間のマスコミの分野における協力に関する合意」,「亜・露二国間犯罪人引き渡し条約」,「刑事事件における亜・露二国間司法共助条約」及び,「禁固刑受刑者の移動に関する亜・露二国間条約」)への署名を行った。
署名式終了後,フェルナンデス大統領は,記者に対し,「(プーチン露大統領に)同行している露代表団が,バカ・ムエルタ・シェールガス・油田を視察に行くと聞いている」と述べた。また,今次会談で協議された内容に関し「次回G20会合では,既に取り組んできた現代社会が抱える緊急性のある課題に加え,より多岐に亘る協議を行う必要性」を強調し,グローバルな金融・経済調整についても,世界的レベルでの改革が必要であるという点で,プーチン露大統領と意見が一致したと述べた。
プーチン露大統領は,今次会合に関し「今次会合は内容の豊富なもので,国際的なアジェンダについて協議することができた他,国連,G20及びその他の国際組織の場で,我々(亜・露両国)は実りある協力関係を構築している」旨述べた他,「昨年亜・露両国間の貿易は16%以上増加し,(亜の)電力の20%以上が露製の機器で発電されている」と発言した。
同日夜には,大統領府に隣接する200周年記念博物館にて,フェルナンデス大統領主催の晩餐会が開催され,同晩餐会には,ムヒカ・ウルグアイ大統領も出席した(モラレス・ボリビア大統領,マドゥーロ・ベネズエラ大統領も招待されていたが,欠席)。フェルナンデス大統領は,プーチン露大統領からの「フォークランド(マルビナス)諸島を巡る紛争の解決方法を英・亜間の交渉で探求する必要性を露は支持し続けている」との表明に対し,右露政府の姿勢に謝意を表し,ダブルスタンダードのない世界に乾杯した。
(3)アルメニア
6日〜8日にかけて,サルグシャン・アルメニア大統領が当国を訪問し,7日12時40分から,亜外務省サンマルティン宮殿において(咽喉頭炎を発症し治療静養中のフェルナンデス大統領に代わる)ブドゥー副大統領との会談が実施され,亜側からはカピタニッチ官房長官,ティメルマン外務大臣,キルチネル社会開発大臣,バラニャオ科学技術大臣,エチェガライ公共歳入連邦管理庁(AFIP)長官,サモラ臨時上院議長,ドミンゲス下院議長等が同席した(キシロフ経済・財政大臣は,残存債務問題を巡るハゲタカファンドとの交渉の為に米国を訪問中であった為,今次会合は欠席)。同会談後,ブドゥー副大統領及びサルグシャン・アルメニア大統領は,両国を代表して,二国間協力に関する合意文書(「科学技術研究分野における協力協定」,「租税関連情報交換に関する協定」,「経済協力協定」及び,「ワーキングホリデイに関する二国間プログラム」)への署名式に出席した。署名式の後,サンマルティン宮殿において,ブドゥー副大統領は,サルグシャン・アルメニア大統領を歓迎する昼食会を主催し,また会談にて,アルメニア人の4000年に亘る歴史及び200年以上の亜の歴史に関し言及した。
正午過ぎ,マクリ・ブエノスアイレス市長は,サルグシャン・アルメニア大統領にブエノスアイレス市の鍵を贈呈した。また,午後,サルグシャン・アルメニア大統領は国会議事堂を訪問した。
7日,当地主要紙の1紙であるクラリン紙のインタビューを受けたサルグシャン・アルメニア大統領は,来年開催されるアルメニア虐殺追悼式典への列席の為,他国の国家元首と共にフェルナンデス大統領を招待した旨述べた。
(4)イラン
1994年にイスラエル共済組合(AMIA)爆破事件が発生した18日,イスラエル共済組合(AMIA),在亜イスラエル協会(DAIA)及び,同爆破事件の被害者家族は,9時30分より,同会館が所在するパスツール通り663番地で開催された追悼式典に出席した。式典では,関係者によるスピーチの他,フランシスコ・ローマ法王からの録音メッセージが流されたが,例年に続きフェルナンデス大統領は出席しなかった。政府要人の中では,シレオニ教育大臣,フェルナンデス上院議員等が出席した。
(5)ホールドアウト(残存債務)問題
30日,キシロフ経済・財政大臣,ロペス金融長官らは,ニューヨークにて,交渉仲裁人ポラック弁護士及びハゲタカファンド(原告側)と直接交渉を行ったが,合意には至らず,結果,亜はいわゆるデフォルトに陥ったとされる。しかし,亜政府は,現状に関し,「合意に至らなかったものの,支払い自体は行っている」として,デフォルトに陥ってはいない旨主張している。
(6)BRICS・UNASUR首脳会合
6日,フェルナンデス大統領は,ブラジルで開催されたBRICS・UNASUR(南米諸国連合)首脳会合に出席し,ルセーフ伯大統領に続いて2番目に26分に及ぶ演説を行った。
演説の大半を占めた内容は,ハゲタカファンドへの非難とBRICS銀行の設立への言及であり,商業やインフラ整備を促進し,脆弱な国際金融システムの正常化を可能にするかもしれない開発銀行・振興銀行を設立するというBRICSの決断を,大いに歓迎すると述べた。また,ホールドアウト(残存債務)問題に関し,亜には,2005年及び2010年のどちらの債券交換にも応じなかった少数のグループに対する債務が残っているが,右少数グループに含まれるハゲタカファンドは,世界中で訴訟を起こしている旨説明し,亜に対し,「新債権保有者に対する利払いと同時,もしくはそれ以前に,ハゲタカファンドが要求する全額を支払うこと」を命じた2013年のグリエサ判事による判決を「前代未聞」であると非難した。同時に,亜政府は,2005年と2010年に交換した新債券の利払いの期限である6月30日,ニューヨークの銀行が,亜中銀に持つ口座に,亜は9億米ドル以上を払ったものの,債権交換に応じた92.4%の債券保有者のものである右資金を,ハゲタカファンドが差し押さえたと非難した。また,亜はデフォルトを宣言せず,支払いを行う旨主張した。
(注:事実関係を補足すると,26日に亜政府は,新債権者の元利の支払いのため,総計10億円以上の入金を行った。額は米ドルでは8.32億ドル,更に,ペソ建ての支払の分を合わせ総額は10億ドルを超える。そのうち5.39億ドルは,亜中銀にニューヨーク・メロン銀行が持つ口座に入金された。26日(木)にそれがなされた背景は2点有り,まず,亜の支払いは支払期日の1日前の営業日になされることが新債権者との契約にあること,そして,期日の30日(月)の1営業日前である27日(金)が,急遽公的機関の休日となったことによる。27日,グリエサ米判事は,ニューヨーク・メロン銀行に対し,支払金を亜政府に返還することを命じた。)
(7)メルコスール
28日〜29日にかけて,フェルナンデス大統領は,ベネズエラを訪問し,カラカスで開催された第46回メルコスール首脳会合に出席した。同会合にて,各国首脳は,ガザ地区での武力紛争を始めとする国際問題に関し協議した他,ホールドアウト(残存債務)問題を巡る亜とハゲタカファンド間の紛争に言及し,新旧含めた全ての債券保有者との合意及び,各国の経済状況の安定に支障をきたす恐れのあるハゲタカファンドの主張を,断固として拒絶する姿勢を表明した。右に対し,フェルナンデス大統領は,演説の中で,本件に関する各国からの連帯表明に,感謝の意を表した。また,今次会合より12月までの間,亜は議長国を務める。
(8)イスラエル
20日,亜外務省は,「6年弱の間に,(ガザ地区において)一般市民が,ハマスによる武力行為に巻き込まれるのは,3回目になる」旨述べ,イスラエルのガザ地区での暴力行為を激しく非難するプレスリリースを発出した。
(9)FIFAワールドカップ
6月12日〜7月13日までブラジルにて開催された2014年FIFAワールドカップにて,決勝戦まで進んだ亜代表チームは,決勝戦でドイツに敗れ,準優勝となった。
(10)要人往来
(ア) 往訪
1日〜3日 |
ロッシ国防大臣のキューバ訪問 |
2日〜3日 |
キシロフ経済・財政大臣及びティメルマン外務大臣の米国訪問(米州機構(OAS)会合出席) |
15日〜16日 |
フェルナンデス大統領のブラジル訪問 |
28日〜29日 |
フェルナンデス大統領のベネズエラ訪問(UNASUR会合出席) |
30日 |
キシロフ経済・財政大臣,ロペス金融長官の米国訪問 |
(イ)来訪
(以下の日程で下記要人が当地で会談等を実施したとの情報あり)
6日〜8日 |
サルグシャン・アルメニア大統領 |
12日 |
プーチン露大統領 |
18日〜20日 |
習近平中国国家主席 |
28日 |
カウサラーノ・パラグアイ文化大臣 |