アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
平成29年7月17日
アルゼンチン政治情勢(2017年6月)
2017年7月作成
在アルゼンチン日本大使館
在アルゼンチン日本大使館
1 内政
(1)大統領府・政府:
ア 亜外務省幹部の交代
12日,スサナ・マルコーラ外務・宗務大臣が辞任し,ホルヘ・フォリー大使が新外務・宗務大臣として就任した。また,同日,マルコーラ前大臣は,大統領府のグローバル問題分析のためのハイレベル審議会会長(名誉職)に任命された。また,同日,ペドロ・ビジャクラ筆頭外務副大臣(政務担当)の辞任が承認されると共に(その後,G20シェルパに就任した),ギジェルモ・ライモンディ外務次官(米州・メルコスール経済統合担当)が筆頭外務副大臣(政務担当)に任命された。
イ 連邦鉱業合意の署名
13日,亜政府は14州の州政府と連邦鉱業合意に署名した。同合意においては,政府が鉱山会社から徴収する採掘料(regalia)の上限を各社の収入の3%相当とすることや環境対策及び水(排水)管理のために使用される州インフラ基金のため,各社から収入の1.5%相当を徴収することが定められている。なお,同合意は法制化のため,連邦議会及び各州議会に付される。
(2)連邦議会:議会中間選挙にかかる政党連携登録及び候補者登録の締切り
本年10月に予定される当国連邦議会中間選挙に関し,14日,国家選挙裁判所は選挙に参加する政党や政治グループによる連携登録を締め切った。また,24日には,同選挙に参加する候補者登録を締め切った。最終的に最重要選挙と目されているブエノスアイレス州の上院議員選挙にフェルナンデス前大統領が独自の政党連携を率いて出馬することとなったため,ペロン党にとっては,大きく3つに分かれる形の分裂選挙となった。
(3)その他:サンタクルス州の財政赤字問題
14日,亜政府は,公務員給与及び年金給付の未払いが続くサンタクルス州政府との間で,2019年における財政赤字削減を目標とする財政均衡政策の導入及び持続的財政プログラムの署名を条件に,同州の財政救済に向け,州開発信託基金を通じ,合計12億ペソの融資を行うことで合意した。
2 外交
(1)日本:日亜政策協議の実施
7日,当地において,日亜政策協議が実施され,日本側からは片上外務審議官が,亜側からはビジャグラ筆頭外務副大臣らが出席した。同協議では,二国間関係強化や地域情勢について話し合われた他,国際場裡での協力等に関する協議が行われた。
(2)米国:米国のパリ協定離脱にかかる亜政府の反応
1日,亜政府は,米国のパリ協定離脱決定に関し,深い遺憾の意を表明する旨の外務省プレスリリースを発出した。その中で,亜は,パリ協定へのコミットメントを確固として維持する旨表明した。
(3)ドイツ:メルケル独首相のアルゼンチン訪問
8日,マクリ大統領は,アルゼンチンを公式訪問したメルケル独首相と首脳会談及び共同プレス発表を行った。共同プレス発表において,両首脳は,二国間関係の拡大及び強化やG20での協力緊密化につきコミットすると共に,気候変動に関するパリ協定に対し,両国が確固たる支持を行っていくことで一致した。また,両首脳は,メルコスール・EUの自由貿易協定の早期実現に向けて協力していく方向で一致した。
(4)ポルトガル:コスタ・ポルトガル首相のアルゼンチン訪問
12~13日,コスタ・ポルトガル首相がアルゼンチン訪問し,12日にはマクリ大統領と首脳会談を行った。両首脳は,二国間関係の緊密化に係るコミットメントを改めて確認すると共に,メルコスールとEUの関係のより一層の緊密化に向け,取組みを継続していくことを確認した。また,両首脳は,ワーキング・ホリデー制度に関する覚書(MOU)に署名を行った。
(5)オーストラリア:ビショップ豪外相のアルゼンチン訪問
25~27日,ビショップ豪外相はアルゼンチンを訪問し,26日,フォリー外務大臣と外相会談を行った。両外相は,両国の外務省間における二国間協議メカニズムの創設に係る覚書の他,教育・研究及び専門家育成分野における協力覚書への署名や両国ワーキング・ホリデー拡大に関する合意を行った。
(6)チリ:マクリ大統領のチリ訪問
27日,チリを訪問したマクリ大統領は,バチェレ・チリ大統領と首脳会談を行い,両首脳は共同プレス声明を発表した。同会談において,両首脳は,二国間のインフラ,貿易,経済,エネルギー分野の総合政策を強化・拡大するために引き続き共に取り組んで行くことで一致した。また,両首脳の間で,アグア・ネグラ国際トンネル・プロジェクトにかかる二国間機関の本部創設に関連する合意に署名を行った。
(7)コロンビア:レイセル外務副大臣(国際経済担当)のコロンビア訪問
29日,レイセル外務副大臣(国際経済担当)はコロンビア(カリ)において開催された太平洋同盟とオブザーバー諸国との閣僚会議に出席した。同会合において,レイセル副大臣は,メルコスールと太平洋同盟の関係強化を訴えて,亜のホストするWTO閣僚級会合及びG20会合に太平洋同盟を招待する考えである旨発言した他,国際金融市場との関係強化やOECD加盟といった亜の国際経済関係強化等について言及した。
(8)仏:マクリ大統領とマクロン仏大統領との電話会談の実施
15日,マクリ大統領はマクロン仏大統領と電話会談を行い,メルコスール・EUの自由貿易協定交渉のテーマ等について話し合った。
(9)ベネズエラ:ベネズエラに対する非難声明
5日,亜政府は,同日,カラカスにおいて野党幹部の呼びかけにより実施されたデモ(Gran Planton)の際に発生した暴力行為を非難するとともに,特に,野党連合MUDの下院議員であるミゲル・ピサロ議員及びファン・レケセンス議員が暴力行為を受けたことを非難する旨のプレスリリースを発出した。
(10)中国:亜のアジアインフラ開発投資銀行(AIIB)加盟
16日,アジアインフラ開発投資銀行(AIIB)理事会は,韓国(済州島)において開催された第2回年次総会において,域外国として亜及びマダガスカル,域内国としてトンガの合計3か国の新規加盟申請を承認した。
(11)北朝鮮:北朝鮮のミサイル発射に対する非難声明
9日,亜外務省は,8日の北朝鮮によるミサイル発射を非難する旨のプレスリリースを発出した。
(12)メルコスール:メルコスール・EFTA第1回自由貿易協定交渉の実施
13~16日,当地においてメルコスール・EFTA第1回自由貿易協定交渉が実施され,共同プレスリリースが発出された。同プレスリリースでは,同会合を通じて,物品貿易,原産地規則,貿易円滑化,税関協力,動・植物検疫,サービス貿易,技術的貿易障壁,知的財産権,政府調達,持続可能な貿易と開発等の全ての分野において前進があったとの評価がなされた。次回交渉会合は,本年8月,ジュネーブで開催予定。
(13)OAS:フォリー外務大臣の第47回米州機構(OAS)年次総会出席
19~21日,フォリー外務大臣はメキシコ(カンクン)で開催された第47回米州機構(OAS)年次総会に出席した他,同総会のマージンで,サリバン米国務副長官,中南米各国の外務大臣等とバイ会談を行った。
(14)国連:フォリー外務大臣のNY訪問(国連非植民地化特別委員会への出席)
23日,フォリー外務大臣は,NYの国連において実施された国連非植民地化特別委員会におけるフォークランド(マルビーナス)諸島問題に関する会合に出席した。同会合では,いわゆるマルビーナス諸島問題の解決に向けて,二国間交渉再開を促す内容の新たな決議が採択された。同日,フォリー外務大臣はトムソン第71回国連総会議長と会談を行った他,モハメド国連事務次長との間で,持続的開発目標及び女性のエンパワーメント目標アジェンダ等についても協議を行った。
(15)要人往来
ア 往訪
●1日: ディエトリッチ運輸大臣のドイツ(ライプチヒ)訪問
●19~21日: フォリー外務大臣のメキシコ訪問(第47回米州機構(OAS)年次総会)
●23日: フォリー外務大臣のNY訪問(国連非植民地化特別委員会への出席)
●27日: マクリ大統領のチリ訪問
●30日: レイセル外務副大臣(国際経済担当)のコロンビア訪問(太平洋同盟加盟国・
オブザーバー国閣僚会議出席)
イ 来訪
●7日: 片上外務審議官(日亜政策協議)
●8日: メルケル独首相
●12~13日: コスタ・ポルトガル首相
●23日: ジョアン・クロス国連人間居住計画(UN-HABITAT)事務局長
●25~27日: ビショップ豪外相
(了)
バックナンバー
2017年
|
|
|
|
|
|
|
|
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|||
2015年
|
||||||||||||
2014年
|
||||||||||||
2013年
|
||||||||||||
2012年
|
||||||||||||
2011年
|
||||||||||||
2010年
|
||||||||||||
2009年
|
||||||||||||
2008年
|
||||||||||||
2007年
|
||||||||||||
2006年
|
||||||||||||
2005年
|
||||||||||||
2004年
|
||||||||||||
2003年
|
||||||||||||
2002年
|