アルゼンチン政治情勢（月1回更新）

2022年3月作成
在アルゼンチン日本大使館

 1 内政

（1）政府：
ア 新型コロナウイルス関連
2日、国家医薬品・食品・医療技術監督庁（ANMAT）は、リッチモンド研究所が客年8月から亜国内で生産している「スプートニクV」ワクチンの亜国内での販売を承認した。
イ 下院与党会派会長の選出
1日、マルティネス下院議員（サンタ・フェ州選出）が下院新与党会派会長に選出された。
ウ ニコリーニ環境・持続的開発副大臣の就任
9日、ニコリーニ大統領顧問が、環境・持続的開発副大臣（気候変動・持続的開発・イノベーション担当）に就任する旨発表された。
（2）その他：
ア 最高裁に対するデモ
1日、ブエノスアイレス市にて、市民団体による最高裁の腐敗に反対するデモ運動が行われ、ブドゥー元副大統領、裁判官、労組代表らも参加した。
イ 亜北東部における森林火災
客年11月から当地各所において森林火災が発生し、特に本年2月初頭から北東部における状況が悪化した。特に、コリエンテス州、ミシオネス州、リオ・ネグロ州、ネウケン州、チュブト州及びフォルモサ州にて大規模な森林火災が発生した。

2 外交

（1）ロシア：
3日、フェルナンデス大統領は、ロシアを訪問し、プーチン露大統領と会談した。当地各紙は、フェルナンデス大統領が、米国及びIMFへの依存から脱却すべくロシアと関係を強化したい旨述べた点を大きく報じた。
（2）中国：
ア 4～6日、フェルナンデス大統領は中国を訪問した。4日に北京冬季五輪開会式に出席し、6日に北京市人民大会堂において習近平国家主席と会談した。また、「一帯一路」への亜の参加への覚書署名が行われた。
イ 1日、亜原子力発電社（NASA）と中国核工業集団（CNNC）は、ブエノスアイレス州サラテ市リマ地区のアトゥーチャ原子力施設に設置される、亜で4基目の原子力発電所となるアトゥーチャ3号（Atucha III）原子力発電プロジェクトの正式なキックオフとなる契約に署名した。
ウ 19日、外務省は、亜中外交関係樹立50周年に際してプレスリリースを発出した。
（3）韓国：
15日、フェルナンデス大統領及び文在寅韓国大統領は、両国の外交関係樹立60周年に際し書簡を交換した。
（4）ウクライナ情勢：
ア 22日、外務省は、ウクライナ情勢に関するプレスリリースを発出し、事態の進展に対する懸念を表明するとともに、国際的な平和と安全を維持するため、関係する全ての当事者が、ウクライナ東部において高まっている緊張の政治的解決に向けた外交交渉を進める必要性を表明した。
イ 24日、外務省はプレスリリースを発出し、国際共生の最も重要な諸原則に忠実な立場に基づき、ウクライナにおける軍事力の行使に対する断固とした拒否及びウクライナにおいて進行している事態に深い遺憾の意を表明するとともに、ロシアに対し、ウクライナにおける軍事行動の停止を求めた。
ウ 28日、カフィエロ外相は、第49回人権理事会ハイレベルセグメントに出席し、ウクライナ情勢に関するスピーチを行い、亜政府として初めて公式にロシアによるウクライナ侵攻（invasion）を非難する旨表明した。
（5）英国：
21日、ビソッティ保健相は、英国を訪問し、感染症対策イノベーション連合（CEPI）関係者とワクチンの亜国内生産に係る技術移転、メンタルヘルス、薬剤耐性菌（AMR）等に関する意見交換を行った。
（6）バルバドス：
7～8日、フェルナンデス大統領はバルバドスを訪問し、モトリー同国首相と会談した他、東カリブ諸国機構（OECS）加盟諸国代表と会合を行った。
（7）ウルグアイ：
15日、カフィエロ外相は、亜を訪問したブスティージョ・ウルグアイ外相と会談した。
（8）メルコスール：
16日、カフィエロ外相は、サルガード駐亜伯大使とともに、メルコスール・ドミニカ共和国間の貿易投資を促進するための覚書に署名した。
（9）その他：
ア 22日、トロッツェンバーグ世界銀行専務理事（業務統括）は、グスマン経済相とオンライン形式で会談を行い、亜に対し本年中に20億ドルの追加融資を行うことを発表した。
イ 27日、フェルナンデス大統領は、バチェレ国連人権高等弁務官とビデオ会談を行った。
ウ 28日、カフィエロ外相は、ジュネーブ軍縮会議（CD）に出席しスピーチを行い、フォークランド（マルビーナス）戦争時に英国が南大西洋に核兵器を配備していたとされる件につき言及し、英国に詳細な情報を提出するよう求めた。
（10）要人往来：
ア 往訪
ロシア：フェルナンデス大統領他。
中国：フェルナンデス大統領他。
バルバドス：フェルナンデス大統領他。
英国：ビソッティ保健相。
スペイン：デ・ペドロ内務相。
イ 来訪
ウルグアイ：ブスティージョ外相。
 

(了)