政治情報
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2014年8月アルゼンチンの政治情勢(内政・外交)

2014年9月作成
在アルゼンチン大使館

1 概要


(1)内政:大統領府は,雇用促進計画等の景気対策を発表したが,他方で供給法の改正法案を発表し,野党や経済界は強く反発した。

 その他,8日,連邦判事がチコーネ事件による汚職容疑とは別の容疑でブドゥー副大統領を起訴,28日,反政府系労組によるゼネストが全国で実施された。

 

(2)外交:ホールドアウト(残存債務)問題を巡り,7日,亜は,米国が亜の主権を侵害していると主張し,ハーグ国際裁判所への提訴を行った。12日〜13日にかけて,フェルナンデス大統領は,パラグアイを訪問しカルテス・パラグアイ大統領と会談した。食品分野を中心とした亜・露二国間貿易の促進を目的にロシアを訪問したジョルジ産業大臣,カサミケラ農牧・漁業大臣は,20日,フョードロフ露農業大臣と会合した。

 

 

2 内政


(1)大統領府・政府の動き

 

(ア)雇用促進計画(Plan Proemplear)の発表

 7日,フェルナンデス大統領は,大統領府での演説にて,新たな景気対策の目玉として「雇用促進計画」を発表した。

 計画の目的は,今日の就業率を維持し,更に亜国内の正規雇用を増加し,労働市場を活発化させることで,8日,トマーダ労働・雇用・社会保障大臣が詳細について説明を行った。その運用内容は,既存の「生産回復計画」と「亜学生支援計画」が修正・統合されるもので,政府が企業に代わり労働者等に所定の条件下で賃金支援を行う。この支給は,国家社会保障機構(ANSES)が行う。

 生産回復計画(Repro:Programa de Recuperacion Productiva)は,2003年に導入され,財政難に直面する企業がレイオフを行わず雇用を維持できるよう,労働者への一定額の賃金を一定期間政府が労働者に払うものである。本件計画による変更点は2点あり,まず支援期間が最長12カ月(変更前は6カ月)になり,次に,支給月額は2,000ペソ(変更前は1,500ペソ)となった。

 亜学生支援計画(Progresar:Programa de Respaldo a Estudiantes de la Republica Argentina)は,2014年1月に導入され,18〜24歳の国民の教育・職業訓練を支援する目的で,右年齢層の不就学者,失業者,非正規雇用者,及び,正規雇用者で収入が最低賃金に届かない者に対し,政府が月額600ペソを支給するというものである。今回の変更は,以下(i)〜(iii)に該当する場合,6カ月間支給月額を600ペソから2,000ペソに増額するというもの。また,以下(ii)と(iii)について,訓練期間後に正規雇用された場合,月額最大2,700ペソの賃金を政府が補助する。支援期間は6カ月・9カ月・1年のいずれかで,企業の労働協約毎に異なる。

  (i)学生の企業インターンシップ期間

  (ii)職業訓練過程修了者で且つ不就業者の企業内訓練期間

  (iii)失業保険受給者の企業内訓練期間

 

(イ)大ブエノスアイレス圏走行バスの刷新計画

 7日,雇用促進計画を発表すると同時に,大ブエノスアイレス圏(ブエノスアイレス市とその近郊のブエノスアイレス州の市町)を走行している老朽化したバスを刷新する計画を発表した。目的は,交通機関の安全性を確保し,また国内のバス製造工場を再稼働・活性化し,雇用を創出することとされている。同圏のバスの車齢(経過年数)は平均5.6年(国内全体では7.6年)だが,市によっては,車齢が約20年近くになるバスが運行されているところもある。

 本計画の実施に当たり,バスの製造台数を,2011年度に記録した年間3,462台に近づけることを目標に,製造に協力する企業に政府が補助金を出す措置が取られる。

 

(ウ)供給法の改定

 5日,供給法(1974年発効)の改正法案が上院に提出された。可決されれば政府による企業の価格・利益・生産統制が強まることとなるため,企業及び野党は,これに強く反発している。

 同日に上院に提出された法案は,「生産・消費関係の新規制法案」,「消費を巡る問題解決のためのシステム(消費者保護裁判所)創設法案」,「価格と財・サービスの供給を監視する機関の創設に関する法案」の3つである。そのうち,「生産・消費関係の新規制法案」が,供給法を改定し,価格・利益・生産・供給等に関する政府の企業への規制が強化される内容となっており,代表的なものは以下の通り。規制の実施機関は,経済・財務省の商業庁である。

  (i)生産から流通に至る全ての段階における収益,参考価格,及び最高・最低価格の設定

  (ii)財の生産の継続,最低生産量を含む生産義務の設定

  (iii)会計及び販売に関する書類の差し押さえ権限の承認

  (iv)罰則は,現行の供給法よりも高い最高1,000万ペソ(約120万米ドル)の罰金及び,90日間の営業停止

 

 経済界は今次法案に強く反発し,特に,政府が,収益,参考価格,最高・最低価格を任意に設定しうる点及び生産や流通を義務づけることができる点を批判している。経済が下降している中,今次法案内容は,経済活動や投資に大きな打撃を与えるもので,更に,私的所有権を侵害するものであり,違憲であるとの声もある。

 野党も,企業の経営を悪化させるため,雇用を守ることにもつながらないとし,「ベネズエラの発展計画に類似するもの」と批判している。19日,上院の野党議員11人は,法改定について反対する意見書を上院の本会に提出した。

 12日,カピタニッチ官房長官は,本法案は変革プロセスの一環であり,消費者のセーフティネットにあたるものであり,違憲ではないとした。また,20日,フェルナンデス大統領は,同法案は,国内の市場活性化につながる,またいずれの国でも消費者を保護する法はある,と発言し,法案の正当性を主張した。

 

(エ)民間企業に対する反テロリスト法の適用発言

 14日,フェルナンデス大統領は,破産宣告を行った米資本の印刷会社に対し,ハゲタカファンドとのつながりを示唆しつつ,「反テロリスト法」を適用すると述べ,波紋を引き起こした。

 11日,亜で操業していた米資本の印刷会社ドネリー社(Donnelley)が,破産宣言をした。これについて,フェルナンデス大統領は,約400人が職を失うとして,同社の経営者が経済・金融秩序を歪め,国民に恐怖を与えることを目論んでいるとして,「反テロリスト法」を適用すると述べた。また,NMLファンド(いわゆるハゲタカファンド)が,ドネリー社の株式を保有するブラック・ロック社を通じて,ドネリー社を亜から撤退させ(注:過去にポール・シンガーNML社主は,ドネリー社の7%の株式を有しており,現在同株式はブラック・ロック社に移転されている),亜を政治的に不安定化させようとしていると発言をした。

 本発言を受けて,16日,亜ドネリー社の親会社に当たるR.R.ドネリー&サンズ社(米シカゴ本社)は,破産宣言が,経営努力をした末の不可避の結果であること,そして亜の債権者(ハゲタカファンドを示唆して)とは無関係であることを,プレスリリースにて発表した。

 民間企業の側からは,今回の大統領発言は,民間企業側に恐怖を生じさせ,供給法の改定法案と共に,国家の企業へのコントロールを強めるものであるとの強い懸念が示されている。また,ブエノスアイレス市の弁護士協会は,法律が個人や企業,市民組織などを抑圧する道具として用いられることは,深刻な危険を生じさせていると非難した。

 野党側は,社会不安を生む,投資意欲を失わせる,異なる意見を持つ者を恐怖に陥れるものであるとして,こぞって強く反発した。共和国提案(PRO)は,反テロリスト法を廃棄あるいは修正する法案の下院委員会審議を求めた。

 19日,バノリ亜国家証券委員会委員長(経済・財務省の管轄)は,連邦歳入庁(AFIP)が適用を検討している「虚偽破産」を,フェルナンデス大統領が取り違え,「反テロリスト」と発言したのであるとし,今次「反テロリスト法」の適用を否定した。

 

(オ)遷都発言

 26日,フェルナンデス大統領は,訪問先のサンティアゴ・デ・エステロ州での演説にて,同州に遷都する可能性がある旨述べた。本案の実現性は定かではないが,ドミンゲス下院議長が過去に同案を提示しており,それを支持したものと見られる。

 

(2)「五月広場の祖母達」のカルロット会長が孫と再会

 

 7日,人権NGO「五月広場の祖母達(Abuelas de la Plaza de Mayo)」のエステラ・カルロット代表は,孫と再会した。同団体は,亜軍事政権時代(1976〜1982年)に誘拐・拷問・殺害された者の母親達が,犯罪の処罰と行方不明の子供・孫の生還を訴える活動をしている。今回の再会は,同団体創設の遺伝子バンクに行方不明になった者として登録されている孫で,114番目に見つかった。また,カルロット代表の孫ということで,同団体の活動意義を象徴する出来事として報じられた。

 

(3)ブドゥー副大統領の新たな訴追

 

 8日,車両登録の文書偽造の容疑で,ボナディオ連邦判事は,ブドゥー副大統領等を訴追した。同副大統領は,6月にチコーネ事件による汚職疑惑で現職の副大統領として当国で初めて訴追されたが,2度にわたり訴追されたことで,スキャンダルは拡大し,野党による退陣要求は勢いを増した。

 今回のブドゥー副大統領の容疑は,「虚偽表示のある書類による公的手続き」を行った容疑(刑法第293条)で,該当する刑は,3年以上8年以内の懲役もしくは禁固である(注:副大統領は不逮捕特権がある)。

 同副大統領は,保有していた中古車を,2003年1月,代理人を通じて車両保有手続(名義変更手続)を行うとともに,車両登録地をブエノスアイレス市とした。その際,「04」用紙(車両登録地変更手続書類)に,ブエノスアイレス市の実存しない住所が記載された。登録に際し用いられたブドゥー副大統領のDNI(亜身分証明書)のコピーに,実在しない住所が記載されていたためとされている。

 2009年9月,ブエノスアイレス市第二車両登録所が,車両所有登録局(DNRPA)の監査を受け,それによりブドゥー副大統領の「04」用紙に不備がある旨判明し,連邦検察が経緯の捜査を開始した。本年7月23日,同副大統領はボナディオ判事により予審尋問に召喚され,そこでの質問に対し,本件に関する自身の無関与と手続きを代行した者の責任につき言及する内容の書簡を提出した。予審の結果,ブドゥー副大統領の関与に容疑が掛けられた。

 フェルナンデス大統領は,ブドゥー副大統領を支持する姿勢を見せ,全ての閣僚に支持を強化するよう命じた。野党は,ブドゥー副大統領が現職から去るよう求めた。

 13日,ブドゥー副大統領は,本起訴に対して連邦控訴裁判所に抗告した。

 

(4)労組によるゼネスト

 

 28日,反政府系労組団体が中心となって亜全国各地で24時間ゼネストが行われた。また前日27日の正午より36時間の道路封鎖もなされた。本年4月にゼネストが行われたばかりで,同年2回目のストの労組側の要求事項は,所得税の非課税対象額の引き上げ,退職者年金の増額,労使調停会議の開催,解雇・年間休業を禁止する法律の制定等であった。

 ゼネストは主に全国の主要都市にて行われ,鉄道,一部地下鉄,国内航空便といった公共交通サービスが停止した他,飲食業や病院,銀行,トラックなどのサービスも停止した。他方で,バスやタクシーの労組は不参加であったため,最低限の都市交通機能は維持されたものの,首都では前日から道路封鎖等が行われたため,交通状況は混乱した。

 カピタニッチ官房長官は,今回のストでの要請事項には応えない旨回答し,また今回のストに参加した組合員は全体の25%に過ぎないとし(モジャーノ労働総同盟書記長は約85%とするのに対して),ストの効果は小さかったとの評価を行った。また,ランダッソ内務・運輸大臣は,ストは非常に政治的なもので,要求事項は,一般の亜国民や組合員が求めていることとはかけ離れていると主張した。一方で,野党関係者は,今次ストを一定程度評価している。ただし,マクリ・ブエノスアイレス市長等は,一部国内経済悪化に繋がる道路封鎖といった手法については非難した。

 当地報道によれば,今次ゼネストは消費の落ち込みやインフレ,ペソ安が進む中で,労組側が雇用や実質的購買力の維持を目的に行ったものであるが,政府側の働きかけもあり一部の主要労組が不参加だったため,4月に行われたゼネストに比べてインパクトは限定的なものに留まったとの評価が一般的である。その結果,ゼネスト後も政府側は労組側に対して強気な姿勢を崩していないが,労働省は最低賃金引き上げに向けた動きを見せた。(注:9月1日より,最低賃金月額を3,600ペソから4,400ペソに増額した)

 

 

3 外交

 

(1)フォークランド(マルビナス)諸島領有権問題

 

 25日,フィルムス外務副大臣(マルビナス諸島,南ジョージア諸島,南サンドウィッチ諸島及び南大西洋海域担当)はチリを訪問し,ムニョス・チリ外務大臣と会合した。ブルゴス・チリ国防大臣が,チリは,1982年のフォークランド紛争発生時の自国の態度を自省すべきであると発言した数日後に実施された同会合にて,フィルムス外務副大臣は,チリ政府の姿勢に対する亜政府の感謝の意を伝達した。また,今次訪問中,フィルムス外務副大臣は,フォークランド(マルビナス)諸島領有権問題に関し(亜の姿勢に対し)連帯を表明する団体とも面会した。

 

(2)ホールドアウト(残存債務)問題

 

(ア)7月30日,5年間で2度目のデフォルトに陥った亜は,1日,ポラック交渉仲裁人を代えるよう忌避要請をしたが,右要請は,グリエサ判事に却下された。

 

(イ)4日〜5日にかけて,ティメルマン外務大臣は,ニューヨークを訪問し,欧州,アジア,アフリカ,ラテンアメリカ地域の国連大使と会合し,ハゲタカファンドの要求に対する亜の姿勢を説明した。また,今次訪問中,ティメルマン外務大臣は,コロンビア大学の研究室にて,ノーベル賞を受賞した経済学者ジョセフ・スティグリッツ教授と面会したところ,同教授は,グリエサ判事の判決やハゲタカファンド側の言い分を却下し,亜はデフォルトに陥っていないと述べた。

 

(ウ)6日,亜は亜シティ・バンク及びニューヨーク・メロン銀行に対して,亜が新債券保有者に対する利払の為に振り込んだ資金を,同債権保有者に移転するよう求める文書を発出した。他方,同日,グリエサ判事は,ニューヨーク・メロン銀行に対し,ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所が新たな判断を下すまでは,債権保有者に対する支払いを行わないよう命じた。

 

(エ)7日,亜は,本件を巡り,米国が亜の主権を侵害していると主張し,ハーグ国際裁判所への提訴を行った。

 

(3)パラグアイ

 

 12日〜13日にかけて,パラグアイを訪問したフェルナンデス大統領は(キシロフ経済・財務大臣,デビード公共事業大臣,ティメルマン外務大臣等同行),13日,大統領府にて,約1時間半,カルテス・パラグアイ大統領と会談し,亜・パラグアイ二国間関係に関するレビューを行った。右会談後,両国首脳は,歴史の復元として,フランシスコ・ソラーノ・ロペス元帥が所有していた家具(同元帥の家族が欧州にて入手した19世紀の家具。ブエノスアイレス税関で没収されて以降,エントレ・リオス州知事が博物館に展示するまでの数十年間,個人の手に渡っていた)をアルゼンチン政府からパラグアイ政府に返還する式典を開催した。

 亜・パラグアイの両国が共同開発したヤシレタ・ダムの負債問題に関し(注:同ダム建設工事にあたり,パラグアイ政府の支払うべき金額の一部を亜政府が負担した),最初の支払いを受ける目的で,フェルナンデス大統領の訪問の2週間前に,キシロフ経済・財務大臣が合意に向けた調整を行ったが,調整は難航し,今次訪問中に本件に関する合意も成立しなかった。フェルナンデス大統領は,本件に関する亜側の不満を直接表明することはしなかったが,演説の中で「亜政府の協力なしに,ヤシレタ(ダム)は稼働を開始できなかっただろう」と述べた。

 滞在中,フェルナンデス大統領は,ホールドアウト(残存債務)問題を巡るハゲタカファンドとの交渉に関し,「祖国かハゲタカかというスローガンが重要なのではなく,主権国家として我々が有している権利を行使したいのだ」と述べると同時に,「亜を19世紀の植民地状態に戻そうとする者がいる」旨警告した。

 

(4)チリ

 

 29日,亜にて,第6回亜・チリ大臣会合(チリ側からは,ムニョス・チリ外務大臣,他大臣11名,副大臣3名が出席),第4回国境隣接地域の亜・チリ州知事会合及び,第18回亜・チリ議員連盟の会合が実施された。今次会合では,ピルカス・ネグラス峠・カルデナル・サモーレ峠における手続き統一(仮)に関する合意文書,入国カードの電子化に関する覚書,天然ガス・電力の交換に関する覚書,電力分野での協力に関する覚書への署名が実施された。

 

(5)ボリビア

 

 27日,亜を訪問したソサ・ボリビア炭化水素・エネルギー大臣は,デビード公共事業大臣と会合し,電力輸出に関する覚書への署名を行った。また,同会合後,ソサ炭化水素・エネルギー大臣は,ボリビアは2020年以降の亜への電力輸出を計画している旨述べた。

 

(6)メキシコ

 

 10日〜11日にかけて,ブドゥー副大統領は,メキシコを訪問し,2011年の法律により結成された亜・メキシコ議員両国議員委員会を発動させた。

 

(7)ロシア

 

 20日,ジョルジ産業大臣,カサミケラ農牧・漁業大臣が,食品分野を中心とした亜・露二国間貿易の促進を目的に,モスクワにてフョードロフ露農業大臣と会合し,今次会合にて,ジョルジ産業大臣は,(亜が)幅広い食品を提供することができることを紹介し,パスタ,ワイン,菓子類,クッキー等の(亜産の)食品の露市場への参入の可能性を強調した。本件に関し,フョードルフ露農業大臣は「亜との更なる関係強化に関心を示している露企業は多く,亜企業は露の食品市場において重要な割合を占めることができるだろう」と述べた。また,フョードルフ露農業大臣及びスリュサリ露産業・貿易副大臣は,亜において投資が根付く潜在力を評価し,食品に加え,ブドウ栽培・ワイン醸造,農産品原料のエネルギー及びバイオエネルギー分野での発展の可能性を強調した。

 

(8)中国

 

(ア)石油と天然ガスの発掘及び開発に関する合意の延長  

 22日,ガルッチオYPF(亜石油公社)社長及びWU MINGLIN中国石油化工集団公司(SINOPEC)亜代表は,亜における石油と天然ガスの発掘及び開発に関する合意の延長に関する文書への署名を実施した。今次署名により,亜・中両国は,2027年まで,メンドサ州ラ・ベンタナ地域での共同開発を行う。

 

(イ)航空関連覚書への署名

 31日,亜民間航空庁(ANAC),中国民用航空局(CAAC)との間で,耐空証明及び同証明プロセスに関する覚書への署名を行った(署名者:亜側:グラナードスANAC長官,中国側:李家祥CAAC長官)。

 

(9)イラン

 

 14日,在亜イスラエル協会(DAIA)は,1994年に発生したイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件に荷担したイラン人容疑者を,容疑者不在のまま裁判にかける為の法案を,刷新戦線及び共和国提案(PRO)の下院議員に提出した。

 

(10)パレスチナ

 

 3日,亜外務省は,イスラエルが,ガザ地区にある国連管轄下の学校を攻撃したことに関し,本件は,調査を必要とし,責任者は裁判にかけられるべき犯罪行為である旨表明するプレスリリースを発出した。また,6日,キルチネル派のグロッソ下院議員の主導により,亜下院議会は,亜・パレスチナ友好議員連盟を発足した。

 

(11)エボラ出血熱問題

 

 8日,亜厚生省は,世界保健機関(WHO)の指示に従い,エボラ出血熱への感染を防ぐ方法を発表すると同時に,同感染症に対する監視を強めた。想定される亜国内へのウイルス進入経路は,エボラ出血熱に感染した患者の入国によるものだが,亜と同感染症発生が発表された地域(ギニア,シエラレオネ等)との間での人的往来は少なく,直行便も飛んでいない。

 

(12)要人往来

 

(ア) 往訪

 

4日〜5日: ティメルマン外務大臣の米国訪問
7日 ブドゥー副大統領及びティメルマン外務大臣のコロンビア訪問(サントス大統領就任式出席)
9日 スアイン筆頭外務副大臣のトルコ訪問(第8回亜・トルコ政策協議出席)
10日〜11日 ブドゥー副大統領のメキシコ訪問
11日 スアイン筆頭外務副大臣のアルジェリア訪問(第4回亜・アルジェリア政策協議出席)
12日〜13日 フェルナンデス大統領のパラグアイ訪問
19日〜21日 ジョルジ産業大臣,カサミケラ農牧・漁業大臣及びビアンコ外務副大臣(国際経済担当)のロシア訪問
25日 フィルムス外務副大臣(マルビナス諸島,南ジョージア諸島,南サンドウィッチ諸島及び南大西洋海域担当)のチリ訪問
26日〜30日 ブドゥー副大統領のトルコ訪問(エルドアン新大統領の就任式出席)
28日 キシロフ経済・財務大臣のブラジル訪問

 

(イ)来訪

 

(以下の日程で下記要人が当地で会談等を実施したとの情報あり)

 

4日 モゲリーニ伊外務大臣
11日 土屋厚生労働副大臣
19日 サルマン・サウジアラビア王子(観光大臣)
24日〜27日 ニコラス・マドゥーロ・ゲラ(マドゥーロ・ベネズエラ大統領の息子)
27日 ソサ・ボリビア炭化水素・エネルギー大臣
28日 ZHAO KESHI中国軍事兵站業務局長