アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
平成30年3月28日
アルゼンチン政治情勢(2018年2月)
2018年3月作成
在アルゼンチン日本大使館
1 内政在アルゼンチン日本大使館
(1)大統領府・政府:
ア カプート金融大臣の租税回避疑惑
14日付当地紙は,米国証券取引委員会(SEC)が,2009年8月~2015年7月の間,カプート金融大臣が筆頭株主を務めていたケイマン諸島に所在するプリンセス・インターナショナル・グループ社(オフショア法人)において数億米ドルの租税回避が行われていたと指摘している旨報じた。また,同大臣は,2015年及び2016年の亜司法・人権省汚職対策局(OA)に提出する財産申告書に本件の記載を行っていなかった。
イ ギリガン大統領府副長官の辞任
20日,アンドラ公国の120万米ドルの預金口座に関する財産申告が行われていなかった件で議論を巻き起こしていたギリガン大統領府副長官が辞任を表明した。本件については,野党だけでなく,連立与党の急進党(UCR)のマリオ・ネグリ下院議員等からも辞任が求められていた。
(2)連邦議会:与党による行政の効率化に関する3法案の提出
20日,1月に緊急大統領令を通じて発出された行政の効率化を目的とする170の措置に関し,与党は同大統領令を3つの法案に分割して議会下院に提出した。(その後,3月21日,同3法案は議会下院において可決され,議会上院に送付された。)
(3)その他:労組等による政府の経済政策を批判する大規模デモの実施
21日,ウーゴ・モジャーノ前トラック労組書記長主導により,与党カンビエモスの経済政策を批判する大規模デモが当地の社会開発省ビル前を中心に行われた。労組(トラック労組,労働者連盟(CTA)等),社会運動団体及び野党キルチネル派等が参加して行われた大規模デモは,政府によれば,約10~12万人が参加(主催者側発表は40万人以上)した由。
2 外交
(1)日本:
ア 日本・アルゼンチン外交関係樹立120周年記念式典
21日,当地CCK(キルチネル文化センター)において,日本・アルゼンチン外交関係樹立120周年を記念する式典が行われ,亜側より,ミケティ副大統領,フォリー外務大臣,エチェベレ農産業大臣及びロンバルティ大統領府メディア公共コンテンツ担当長官等が出席した。当日の当地主要2紙には,両首脳による120周年祝賀メッセージが掲載された他,亜外務省は9日,日亜外交関係樹立120周年を祝するプレスリリースを発出した。
イ エネルギー鉱物産業ミッションのアルゼンチン訪問
18~24日,日本のエネルギー鉱物産業ミッションがアルゼンチンを訪問した。19日,サンマルティン宮殿で行われたエネルギー鉱物資源セミナーには,亜側よりレイセル外務副大臣(国際経済担当)が出席した他,日本側より,福嶌駐亜日本大使,JETRO,JICA,JOGMEC及び日本の主要企業が参加し,同セクターにおける相互の投資及び協力の可能性について議論が行われた。
(2)米国:
ア ティラソン米国務長官のアルゼンチン訪問
3~5日,アルゼンチンを訪問したティラソン米国務長官は,3日,バリローチェ・ナウエル・アピ国立公園訪問,4日,フォリー外務大臣及び関係大臣との会談を行った他,5日,マクリ大統領への表敬を行った。外相会談では,二国間の政治,経済,地域情勢及び共通のビジョン等,様々なテーマについて話し合いが行われた他,平和の維持,域内の民主主義,麻薬密輸及びテロ対策等に関する共通のアクションを行う可能性について議論された。
イ ブルリッチ治安大臣の米国訪問
8~12日,ブルリッチ治安大臣は,米国との組織犯罪・麻薬・テロ対策等の強化を目的として,米国を訪問した。ブルリッチ大臣は,フィッツパトリック米国務省西半球担当次官補,ハロルド・ロジャース下院議員,パターソン麻薬取締局(DEA)局長代行及びカート・ティッド米南方軍司令官等と会談を行った他,戦略国際問題研究所(CSIS)における講演会や南部統合任務部隊(JIATF-S)の視察等を行った。
ウ 米国の亜産バイオディーゼルに対するアンチダンピング関税の適用
21日,ロス米商務長官は,亜産バイオディーゼルに対するアンチダンピング関税として60.44%~86.41%を適用する旨発表した。
(3)スペイン:ドゥホブネ財務大臣のスペイン訪問
21~23日,ドゥホブネ財務大臣は二国間関係の深化及びEU・メルコスールFTA締結に向けた促進を図るため,スペインを訪問した。同訪問において,ドゥホブネ大臣は,モントロ西財務・総務大臣(21日),ポンセラ経済・産業・競争力副大臣(22日)と会談を行った。また,経済フォーラム(22日)において講演を行った他,企業家との昼食会やEFE通信主催のセミナー等に出席した。
(4)サンマリノ共和国:レンツィ・サンマリノ共和国・外務・政務・司法長官のアルゼンチン訪問
14日,レンツィ・サンマリノ共和国・外務・政務・司法長官がアルゼンチンを訪問し,フォリー外務大臣と会談を行った。同会談において,経済・貿易協力,教育,文化,観光,租税情報等の二国間関係や,2023年にブエノスアイレスで開催予定の認定博覧会におけるサンマリノ共和国の参加等について,話し合いが行われた。また,両者の間で,グローバル問題についても意見交換が行われた他,二国間及び多国間協力の強化にかかる覚書に署名が行われた。
(5)ロシア:二国間委員会の実施
7~8日,モスクワにおいて,両国の経済・貿易協力及び科学技術のための二国間委員会が行われ,亜側より,レイセル外務副大臣(国際経済担当)が出席した。同委員会の枠組において,亜の28の漁業関連企業に対し,ロシアへの輸出に認可が与えられた他,亜は鉄道近代化戦略プランを発表し,亜鉄道インフラ管理運営公社(ADIF)とロシア鉄道(RZD)の間で,鉄道輸送協力に関する覚書に署名が行われた。また,同行した亜企業団は,食品関連の重要な展示会の1つであるPRODEXPOに参加した。
(6)インドネシア:亜産生鮮食品のインドネシアへの輸出
6日,インドネシア農業省は,亜産の17の生鮮食品(ブルーベリー,柑橘類,小麦等)のための安全管理システムを認可する旨発表した。同政令は,4月11日より3年間,効力を発することとなる。
(7)シンガポール:亜産のハラール食品の輸出許可
5日,シンガポールは,2016年の半ば以降,認められていなかった亜産のハラール食品の輸出を改めて許可する旨発表した。
(8)ボリビア:ボリビアと亜の医療用原子炉における協力
16日,亜INVAP社はボリビア原子力庁(ABEN)との間で,ボリビアの3つの医療用原子炉・放射線医療センターへの医療用原子炉の供給にかかる契約に署名を行った。また,同協定には,国家原子力委員会(CNEA)を通じたボリビアの人材育成及び研修等も含まれる。
(9)メキシコ:ACE6(経済補完協定)交渉の実施
6~8日,当地において,メキシコと亜間のACE6(経済補完協定)の拡大に関する交渉ラウンドが行われた。同交渉において,財,サービス,政府調達,投資及び貿易における技術的障害等の様々な分野において具体的な進展が見られたものの,両者の間で関心の高い分野において,合意に達することが出来なかった。
(10)メルコスール:EU・メルコスールFTA交渉の実施
2月20日~3月2日,パラグアイ(アスンシオン)において,EU・メルコスールFTA交渉が実施された。亜側より,レイセル外務副大臣(国際経済担当)が出席し,自動車及び農産品等のセンシティブ品目も含み議論されたが,政治的合意には至らなかった。
(11)要人往来
ア 往訪
●8~12日: ブルリッチ治安大臣の米国訪問
●13日: フォリー外務大臣のペルー訪問(リマ・グループ会合出席)
●21~23日: ドゥホブネ財務大臣のスペイン訪問
イ 来訪
●3~5日: ティラソン米国務長官
●14日: レンツィ・サンマリノ共和国・外務・政務・司法長官
(了)
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