アルゼンチン政治情勢(月1回更新)

令和4年11月3日

アルゼンチン政治情勢(2022年9月)

2022年10月作成
在アルゼンチン日本大使館



1 内政
(1)政府:
ア 大豆生産者向け優遇外貨レート
 4日、マサ経済相は、大豆輸出について9月5日から30日まで1ドル=200ペソの優遇外貨レートを提供する旨発表した。
イ 液化天然ガス生産プラント
 1日、フェルナンデス大統領は、YPFとマレーシアの国営エネルギー企業ペトロナスによる亜発の液化天然ガス生産プラント建設に関する共同研究及び開発合意を発表した。
ウ 2023年政府予算法案の提出
 15日、マサ経済相は、2023年予算法案を下院に提出した。
(2)クリスティーナ副大統領襲撃未遂事件関連
(ア)クリスティーナ副大統領襲撃未遂事件
 1日夜、クリスティーナ・フェルナンデス(以下、クリスティーナ)副大統領が議会での公務を終え車で帰宅し下車して自宅に入ろうとした際、現場に集まっていた群衆の中から一人の男が同副大統領に近寄り、同副大統領の顔から数センチのところで持っていた拳銃の引き金を引いた。銃弾は発射されず、男はその場で同副大統領の警護官により取り押さえられた。本件発生を受け、2日零時前、フェルナンデス大統領が全テレビ局放送を通じて声明を発出し、国民が命、民主主義、副大統領への連帯を示すことができるよう、2日を祝日とする旨発表した。
(イ)「平和及び亜国民の友愛のためのミサ」
 10日、フェルナンデス大統領は、ブエノスアイレス州ルハン市にて、1日に発生したクリスティーナ副大統領襲撃未遂事件を受けて開催された「平和及び亜国民の友愛のためのミサ」に参加した。同ミサには、閣僚を始め多くの与党関係者らが出席した。
 
2 外交
(1)日本
ア 5~20日、山本幸三日亜友好議連顧問が訪亜し、カフィエロ外相を表敬した他、テタマンティ筆頭外務副大臣、グスマン元経済大臣、ルビンスタイン経済副大臣、ファマ上院議員らと会談した。
イ 26~30日、フィルムス科学・技術・イノベーション大臣が訪日し、故安倍元総理の国葬儀に参列した他、永岡文部科学大臣と会談した。
(2)中国:
 29日、亜中外交関係樹立50周年を記念した文化交流に関するハイレベル・フォーラムが開催され、カフィエロ外相、ラメンス観光・スポーツ相等がオンライン形式で出席した。
(3)米国:
ア 6~12日、マサ経済相は訪米し、トロッツェンバーグ世界銀行専務理事(業務統括)、クレバー・キャローン米州開発銀行(IDB)総裁、イエレン米財務長官及びゲオルギエバIMF専務理事と各々会談を行った。
イ 26~30日、デ・ペドロ内相は訪米し、米シンクタンク、世銀、IDB関係者等と会合を行った。
(4)英国:
 8日、エリザベス英国女王陛下の崩御を受け、亜大統領府及び外務省は、公式ツイッターアカウントを通じて弔意を表明した。
(5)ハンガリー:
 7日、カフィエロ外相は、訪亜したシーヤールトー・ハンガリー外相と会談した。
(6)BRICS:
 6日、バカナルバハ駐中国亜大使は、中国・厦門市で開催されたBRICS関連フォーラムにおいて、フェルナンデス大統領がBRICS議長である習近平中国国家主席に対し、亜のBRICS正式加盟申請に係る書類を送付した旨述べた。
(7)国連総会:
 18~21日、フェルナンデス大統領は訪米し、ゲオルギエバIMF専務理事、コスタ葡首相、アンリ・ハイチ首相と各々会談を行った他、マクロン仏大統領が主催したフランス総領事館における国家元首との晩餐会に出席し、20日に第77回国連総会における一般討論演説にて演説を行った。また、フェルナンデス大統領に同行したカフィエロ外相はジャイシャンカル印外相、王毅国務委員兼外交部長、アルバレス西外相、ソコン・カンボジア外相及びブリタ・モロッコ外相と各々会談を行った。
(8)IAEA総会:
 26~27日、カフィエロ外相はウィーンを訪問し、第66回IAEA総会に出席した。また、同外相とグロッシーIAEA事務局長は、ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)・IAEA行動計画に署名した。
(9)米州開発銀行(IDB):
 27日付当地「クラリン」紙は、クレバー・キャローン米州開発銀行(IDB)総裁の解任を受けて今後行われるIDB総裁選挙に亜から候補者を擁立する可能性につき報じた。
(10)イコールライツ連合:
 8~9日、亜にて亜と英国の共同議長の下、「平等な権利のための連合(Equal Rights Coalition:ERC)」のグローバルLGBTI会合が開催された。
(11)要人往来
ア 往訪
 米国:マサ経済相、フェルナンデス大統領、カフィエロ外相他(国連総会)、デ・ペドロ内相。
イ 来訪
 日本:山本幸三日亜友好議連顧問。
 ハンガリー:シーヤールトー外相。
 

(了)