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Perito Moreno

 
ペリート・モレーノ
国立公園
(Parque Nacional Perito Moreno)
 
 
 

アルゼンチン政治情勢(2015年4月)

 

2015年5月作成
在アルゼンチン日本大使館

 

 概要


(1)内政:

 

 (ア)今月より地方選が開始し,12日にサルタ州,19日にサンタ・フェ州とメンドサ州,及び26日にブエノスアイレス市で,党派内候補者を有権者が1名に絞る予備選挙が行われた。一方,26日,ネウケン州では本選挙が行われた。

 (イ)20日,故ニスマン連邦検事によるフェルナンデス大統領等に対するイランとの密約疑惑に関する告発に端を発した予審につき,デ・ルカ連邦検事(上告審担当)は,打ち切りを決定した。

 

(2)外交:

 

 (ア)2日,フェルナンデス大統領は,マルビナス(フォークランド)戦没者追悼記念式典における演説にて,同島を支配する英国に対する批判を行った。9日,フィルムス外務副大臣(マルビナス諸島等担当)は,フォークランド諸島領域で石油と天然ガスの採掘を行っている英国企業をアルゼンチン検察に刑事告訴した旨発表した。

 (イ)ジェイコブソン米国務次官補(西半球担当)による「アルゼンチン経済は非常に悪い状態にある」という発言に対し,4日,アルゼンチン外務省は,同発言に強く反発する内容の声明を発出した。

 (ウ)21日~23日にかけて,フェルナンデス大統領がロシアを訪問し,アルゼンチン・露首脳会談の他,企業家フォーラムへの出席,露のエネルギー会社(ガスプロム社等)幹部との会合等を行った。

 

 

 内政


(1)連邦議会

 

 (ア)鉄道国有化法案可決

 15日,鉄道の国有化法案が可決された。これによりアルゼンチンの鉄道産業は,内務・運輸省が管轄する鉄道インフラ管理公社(ADIF:Administración de Infraestructura Ferroviaria)等の傘下に置かれることとなった。

 

 (イ)AMIA会館爆破事件の被害者に対する保護法案可決

 15日,1994年のイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件の犠牲者の家族を保護する法案が可決された。これにより,家族・本人の死傷の有無や事件による精神障害の程度などに応じて関係者に見舞金が給付される。

 

 (ウ)YPF社元社員に対する経済的補償に関する法案可決

 29日,1991~1993年のメネム政権期に国営のYPF社が民営化された際に解雇された同社社員に対する経済的補償に関する法案が可決された。具体的には,約36,000名に対し,同社の株式(1株約44万ペソ)が贈与されることになる。

 

(2)司法・検察

 

 (ア)フェルナンデス大統領の長男マキシモ氏に対する予審の開始

 8日,デルガド連邦検事は,マキシモ・キルチネル氏が,共同名義人となった海外の銀行口座を通じて不正な金を受け取ったとされる疑惑に関する予審を開始した。2007年頃アルゼンチンがベネズエラの仲介でイランに対して核技術を提供する代わりに金銭を受け取るという内容の密約がブラジルの「ベージャ」誌で報じられ,マキシモ氏の関与も疑われた。本予審はマルティネス・デ・ジョルジ連邦判事が担当する。

 

 (イ)イランとの密約疑惑に関するフェルナンデス大統領等に対する予審の打ち切り

 イランとの密約疑惑に関するフェルナンデス大統領等に対する故ニスマン連邦検事による告発に関し,20日,デ・ルカ連邦検事(上告審担当)は,本事案は犯罪を構成しないとして,本件上告を取り下げた。これにより,イランとの密約疑惑に関する予審の打ち切りが,実質的に確定した。

 

 (ウ)最高裁予備判事の任命に対する違憲判決

 21日,最高裁は,2014年5月に連邦議会で承認された10名の最高裁予備判事(conjuez:最高裁において,欠員や特定の事情で審理に参加しない判事が生じる際に,評決割れを防ぐ目的でアドホックに審理へ参加する法曹関係者)の任命手続きが違憲であるとの判決を下し,同任命を無効とした。

 

 (エ)最高裁長官の再任命

 21日,最高裁判所内の長官を選任する内部選挙が行われ,2007年から長官職に就くロレンセッティ現長官が再任された。なお,副長官にはハイトン判事が再任された。

 

(3)選挙

 

 (ア)大統領選挙に関する世論調査結果

 19日付「ラ・ナシオン」紙は,ポリアルキア・コンサルタント社が行った選挙等に関する世論調査結果を掲載した。与党からシオリ候補が本選挙に出る場合で,大統領本選挙でいずれの候補者に投票するか,という質問に対する回答は以下の通り。

 

  ・シオリ・ブエノスアイレス州知事(与党「勝利のための戦線」): 33.4%

  ・マクリ・ブエノスアイレス市長(野党「共和国提案」): 27.3%

  ・マサ下院議員(野党「刷新戦線」): 20.1%

  ・ストルビセル下院議員(野党:GEN): 6.4%

  ・アルタミラ労働者党書記官(野党:左派・労働者戦線): 2.3%

 

 (イ)サルタ州地方選予備選挙結果

 12日,サルタ州で,党派内候補者を有権者が1名に絞る目的で行われる予備選挙(PASO)が行われた。知事選においては,「勝利のための刷新正義戦線」(現政権派)のウルトゥベイ現サルタ州知事が最多票を獲得した他,「サルタ団結戦線」からロメロ候補(元サルタ州知事),「労働者党」からデル・プラ候補が,5月17日に行われる予定の本選挙に進出確定となった。

 

 (ウ)サンタ・フェ州地方選予備選挙結果

 19日,サンタ・フェ州で予備選挙が行われた。知事選では,「共和国提案」のデル・セル候補(元下院議員,コメディアン)が最多票を獲得した他,「市民・社会革新戦線」(急進党と社会党の選挙連合)からリフスチッツ候補(元サンタ・フェ州ロサリオ市長),「勝利のための戦線」(現政権派)からペロティ候補(上院議員)等が,6月14日に行われる予定の本選挙に進出確定となった。

 

 (エ)メンドサ州地方選予備選挙結果

 19日,メンドサ州で予備選挙が行われた。知事選では,「メンドサを変える戦線(Frente Cambia Mendoza)」(共和国提案・急進党の選挙連合,及び刷新戦線からの支持も有り)のコルネホ候補(メンドサ州ゴドイ・クルス市長)が最多票を獲得した他,「勝利のための戦線」(現政権派)からベルメホ候補(上院議員),「左派戦線」のバルベイト候補(メンドサ州上院議員)等が,6月21日に行われる予定の本選挙に進出決定となった。

 

 (オ)ブエノスアイレス市地方選予備選挙結果

 26日,ブエノスアイレス市で予備選挙が行われた。市長選では,「共和国提案」で,マクリ・ブエノスアイレス市長(共和国提案)が推すロドリゲス・ラレタ・ブエノスアイレス市官房長官が最多票を獲得した他,「組織市民エネルギー(ECO)」からルストー下院議員,「勝利のための戦線」(現政権派)からレカルデ・アルゼンチン航空CEO(大統領支持団体「ラ・カンポラ」のメンバー)等が,7月5日に行われる予定の本選挙に進出確定となった。

 

 (カ)ネウケン州地方選本選挙結果

 26日,ネウケン州で地方選本選挙が行われ,グティエレス・ネウケン州経済大臣(ネウケン人民運動)が州知事に当選した。

 

 (キ)ペロン党反現政権派内の選挙連合の形成

 29日,マサ下院議員(野党「刷新戦線」:ペロン党反現政権派)とデ・ラ・ソタ・コルドバ州知事(ペロン党反現政権派)は,8月に予定されている大統領選挙の予備選挙に向け,「新たなアルゼンチンのための連合(Unidos por una Nueva Argentina)」を形成した旨発表した。

(4)その他

 

 (ア)チュブット州の山火事の鎮火

 2月半ばより続いたチュブット州西部で発生した山火事につき,1日,大雨が降り,関係各市長は,ほぼ鎮火された旨発言した。詳細な鎮火日は不明だが,今月上旬には政府機関・主要紙も鎮火を報じ,州政府は焼失面積を約41,000ヘクタール以上と発表した。

 

 (イ)チリ・カルブコ火山の噴火にともなう緊急委員会開催

 22日,チリ南部にあるカルブコ火山が噴火し,火山灰がリオ・ネグロ州サン・カルロス・デ・バリローチェ市をはじめとするアルゼンチン南西部の地域にも降り注いだ。23日,ロドリゲス治安大臣及びゴジャン保健大臣等は,同市にて開かれた緊急委員会に出席した。

 

 (ウ)ティメルマン外務大臣のAMIA脱退

 28日,ティメルマン外務大臣は,在アルゼンチン・イスラエル共済組合(AMIA)を脱退した。同大臣は,当地ユダヤ人コミュニティが,1994年のAMIA会館爆破事件等の捜査を妨害しているとして,批判した。

 

 (エ)連邦情報通信技術局の設立

 29日,内閣府は,連邦情報通信技術局(AFTIC:Autoridad Federal de Tecnologías de la Información y las Comunicaciones)の創設を発表した。同局は,現在内閣府報道庁やARSAT社(通信・放送分野のサービス提供や技術開発を行う国営企業)等が管轄する事業の一部を担うとともに,情報通信関連産業に対する各種監督を行う。

 

 

 外交


(1)フォークランド(マルビナス)諸島領有権問題 

 

 (ア)マルビナス戦没者追悼記念式典でのフェルナンデス大統領の演説

 2日,フェルナンデス大統領は,マルビナス(フォークランド)戦没者追悼記念式典における演説の際,「(英国は)マルビナス諸島防衛のために,これ以上資金を費やすべきではない」と述べ,同島を支配する英国に対する批判を行った。

 

 (イ)英外務省による駐英アルゼンチン大使の招集

 8日,英外務省はカストロ駐英アルゼンチン大使を招集し,2日にフェルナンデス大統領が英国に対しフォークランド(マルビナス)諸島を軍事化している旨批判したことに関し,かかる批判への遺憾の意を表明しつつ,関連の説明を求めた。

 

 (ウ)アルゼンチン外務省による駐アルゼンチン英大使の招集

 9日,スアイン筆頭外務副大臣はフリーマン駐アルゼンチン英大使を招集し,フォークランド(マルビナス)諸島領域における軍事費用の増額,英国企業による同諸島領域での不法な天然資源採掘等に関する説明を要求した。これに対し,フリーマン大使は,フォークランド(マルビナス)諸島領域の軍事費増額について,同諸島の島民はアルゼンチンからの「執拗な攻撃」や脅威を感じていると説明した。

 

 (エ)英国企業に対する告訴

 9日,フィルムス外務副大臣(マルビナス諸島等担当)は,アルゼンチンの必要な許可を受けずにフォークランド(マルビナス)諸島領域で石油と天然ガスの採掘を行っているとして,英国企業5社とその幹部をアルゼンチン検察に刑事告訴した旨発表した。

 

(2)ロシア

 

 21日~23日にかけて,フェルナンデス大統領等がロシアを訪問し,二国間首脳会談等を実施し,両国間で合計20件の宣言や合意文書への署名を行った。また,企業家フォーラムへの出席,露のエネルギー会社(ガスプロム社等)幹部との会合を行った。


(3)アルメニア

 

 (ア)アルゼンチン政府によるアルメニア人「大虐殺」に対する追悼

 14日,フェルナンデス大統領は,アルゼンチンのアルメニアコミュニティの代表等を大統領公邸に招き,アルメニア人「大虐殺」から100周年にあたり追悼と連帯の意を表明した。

 

 (イ)ティメルマン外務大臣のアルメニア訪問

 24日,アルメニア訪問中のティメルマン外務大臣は,1915年4月24日に発生したアルメニア人大虐殺の100周年追悼記念式典に列席した。アルゼンチンはアルメニアとの間で,歴史的関係を構築しており,1920年に,同国を初めて独立主権国家として承認している。

 

(4)米国

 

 3日,米国務省のジェイコブソン次官補(西半球担当)が,米国シンクタンクとの会合にて「アルゼンチン経済は非常に悪い状態にある」と発言したことに対し,4日,アルゼンチン外務省は,同発言に強く反発する内容の声明を発出した。

 

(5)米州サミット

 

 10日~11日にかけて,フェルナンデス大統領は,第7回米州サミット本会合への出席のためパナマを訪問し,米・キューバ関係,米・ベネズエラ関係,アルゼンチン・英関係(フォークランド(マルビナス)問題),薬物取引,マネーロンダリング等に言及する演説を行った。

 

(6)要人往来

 

 (ア) 往訪

 

9日

シレオニ教育大臣のチリ訪問(UNESCO「万人のための教育」(EFA)フォーローアップ2015年国際報告書のプレゼンテーション出席)
9日
シオリ・ブエノスアイレス州知事のブラジル訪問
10日~11日
フェルナンデス大統領のパナマ訪問(第7回米州サミット出席)
12日~15日
ベルニ治安副大臣(治安担当)のシンガポール訪問(インターポール国際フォーラム出席)
16日
キシロフ経済・財政大臣及びバノリ中銀総裁の米国訪問(国際通貨機構(IMF)・世界銀行の春季会合出席)
21日~23日
フェルナンデス大統領等のロシア訪問
24日~25日
ティメルマン外務大臣のアルメニア訪問(アルメニア人「大虐殺」の100周年追悼記念式典出席)
29日
キシロフ経済・財政大臣の米国訪問(債務再編に関する国連第2回会合出席)

 

 (イ)来訪

 

1日
サンペールUNASUR事務総長
7日
ワグナー伯国防大臣
8日
ドミンゴス・アンゴラ外務副大臣

   



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