政治情報
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2013年7月アルゼンチンの政治情勢(内政・外交)

2013年8月作成
在アルゼンチン大使館

 

1 概要


(1)内政:フェルナンデス大統領は亜国独立宣言197周年を記念し,トゥクマン州にて演説を行った。雇用・生産・最低賃金審議会が開かれ,最低賃金(月給)を,2,875ペソから3,600ペソに25.21%引き上げる旨決定された。また,同審議会において,本年1月から6月までの賃金が月額2万5千ペソを超えない被雇用者のボーナスを,本年6月のボーナスに限り,所得税の課税対象から除外する旨決定された。いずれの政策に関しても,当地報道は,政府による選挙キャンペーンの一環との趣で報じた。さらに,フェルナンデス大統領は,本年9月1日以降の国家社会保障機構(ANSES)による公的賦課方式の年金引き上げ率を14.41%と発表したが,野党等は,同発表が予備選挙の投票日11日前に行われたことから,選挙法違反に該当すると批判した。その他,ローザンヌにおいて開催されたIOC臨時総会において,2018年夏季ユースオリンピックの開催都市がブエノスアイレス市に決定した。

 

(2)外交:フェルナンデス大統領及びティメルマン外務大臣は,モンテビデオで開かれた第45回メルコスール首脳会合に出席した。1994年のイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件19周年追悼式典が執り行われたが,フェルナンデス大統領及びティメルマン外務大臣は,コロンビア公式訪問のため欠席し,当地ユダヤ人コミュニティーから強く非難された。フェルナンデス大統領はボゴタでサントス・コロンビア大統領との首脳会談を行った。亜外務省は声明を発出し,亡命申請中であったスノーデン米中央情報局(CIA)元職員が同乗しているとの疑いをかけられたモラレス・ボリビア大統領の専用機が,欧州諸国の領空通過及び着陸許可を急遽取り消された件を非難した。本件に関し協議する目的で,フェルナンデス大統領はボリビアのコチャバンバで開かれたにUNASUR緊急首脳会合に出席した。

 


2 内政


(1)独立記念日の式典 

 

9日,フェルナンデス大統領は亜国独立宣言197周年を記念し,トゥクマン州にて演説を行った。右演説において同大統領は(6月18日に最高裁が「司法評議会改革法」(法律第26,855号,5月8日成立,5月27日官報掲載,同日施行)の第2条,第4条,第18条及び第30条に対して違憲判決を下し,司法評議会の一部のメンバー(判事,弁護士及び学者枠)を,本年の国会議員選挙と同時に選挙によって選出する旨明記した告示を無効としたことを受け),司法を民主化する必要性を強く訴えるとともに,4〜5月に議会で成立した「司法の民主化」に関する一連の法律を正当化する発言を行った。また,フェルナンデス大統領は,同演説の中で,亜情勢に関する一部の(反政府系)メディアの報道内容を疑問視するとともに,(小麦等の)穀物を倉庫に「隠し持っている」生産者等が存在する旨言及し.同生産者等を批判した。

 

(2)最低賃金の引き上げ

 

(ア)25日,政府代表,経営者代表及び労組代表による雇用・生産・最低賃金審議会が労働省にて開かれ,最低賃金を2,875ペソから3,600ペソに25.21%引き上げることで合意した。政府代表としてフェルナンデス大統領の他,アバル・メディーナ官房長官,トマーダ労働大臣及びサニーニ大統領府法制長官が出席,経営者団体代表(全16名)として,フネス・デ・リオハ亜工業連盟(UIA)第4副会頭及び建設業,商業等の経営者団体代表者が出席,労組代表(全16名)として,政府派のカロー労働総同盟(CGT)書記長及びジャスキー亜労働者連盟(CTA)代表等が出席した。反政府派の労組代表であるモジャーノCGT書記長及びミチェリCTA代表は今次会議に招かれなかった(注:CGTもCTAも政府派,反政府派に分裂しており,それぞれがCGT,CTAと名乗っている)。 

 

(イ)29日,労働省令第4号(2013年)が官報に掲載され,(ア)の合意に基づき,雇用法(第20,744号)により規定された「国家公務員」並びに「正規雇用者」の最低賃金(月給)を,本年8月1日以降,2,875ペソから3,300ペソに引き上げ,来年1月1日以降,3,300ペソから3,600ペソに引き上げる旨正式に発表された。

 

(ウ)前回の引き上げは2012年8月にフェルナンデス大統領により発表され,同年9月に2,670ペソ,本年2月に2,875ペソに引き上げられていた。今回の引き上げ率である25.21%は,亜の実際のインフレ率であると言われている25.6%(2012年)に近い数値となった(注:正確でないと報じられている亜国家統計局(INDEC)が発表した2012年のインフレ率は10.8%)。

 

(3)6月のボーナスに課税された所得税の払い戻し政策

 

(ア)25日,雇用・生産・最低賃金審議会は,本年1月から6月までの賃金(税金及び社会保障費等控除前の賃金)が月額2万5千ペソを超えない被雇用者のボーナスにつき,本年6月のボーナスに限り,所得税の課税対象から除外する旨決定し,既に同ボーナスから徴収された所得税を,7〜8月中に払い戻す旨発表した(注:但し,控除されるのは所得税のみであり,年金及び社会保障費等は通常通り,同ボーナスから差し引かれる)。亜では年に2回,6月及び12月にボーナスが支払われる仕組みになっているが,政府は,昨年12月のボーナスに対しても,今回同様の非課税措置をとっていた。

 

(イ)フェルナンデス大統領によると,本措置の財政負担は26億5千7百万ペソとなる。また,同大統領は,全国で210万人の被雇用者が所得税の課税対象になっているが,その大半が今回の払い戻し措置の対象になるとした。

 

(ウ)当地報道は,8月11日の国会議員選挙の予備選挙17日前にフェルナンデス大統領が今次措置を発表したことに対し,政府は過去3年間,雇用・生産・最低賃金審議会を8月に開催していたが,今回は1ヶ月前倒しし,最低賃金の引き上げ(上記(1))と6月のボーナスの所得税非課税政策を予備選挙前に国民に宣伝したものであるとし,今回の政府の政策を選挙キャンペーンの一環との趣で批判的に報じた。

 

(4)年金支給額の改定

 

(ア)31日,フェルナンデス大統領がブエノスアイレス証券取引所設立159周年式典で演説を行い,本年9月1日以降の国家社会保障機構(ANSES)による公的賦課方式の年金引き上げ率を14.41%と発表した(注:フェルナンデス大統領によると,前年同月比では31.78%の増額)。亜では現政権が09年に導入した「スライド制年金法」(Ley de Movilidad Jubilatoria)により,年に2回(3月及び9月),年金支給額が改定される仕組みになっており,本年3月には15.18%引き上げられていた。今回の引き上げに伴い,退職年金(Jubilacion)の最低額は2,165ペソから2,476.98ペソに引き上げとなり,退職年金未受給者に支払われる年金(Pension asistencial)の最低額は1,730ペソから1,979ペソに引き上げられることとなった。ANSESによると,今回の改定により,年金予算は約2,550億ペソから約2,920億ペソに増額となる。フェルナンデス大統領は,今次引き上げは730万人の年金受給者に資するものであると述べた。

 

(イ)政府によると,退職年金は2003年2月から2013年9月までの間に22回引き上げられており,最低年金はその間に1,551%上昇した由(注:なお,フェルナンデス大統領によると,最低賃金は2003年以降に1,700%上昇した)。

 

(ウ)反政府系メディア及び野党は,フェルナンデス大統領による今回の年金引き上げの発表が,8月11日に実施される国会議員選挙の予備選挙の選挙キャンペーンの一環に該当すると位置づけ,選挙法に違反していると批判した(注:亜の選挙法では,政府が公共事業の発表及び社会政策プランの広報等を実施できるのは,予備選挙の投票日の15日前までと定められており,本年の場合は7月27日までであった)。

 

(エ)亜の年金は,賃金上昇率に応じて改定される仕組みになっている。最新データである2013年5月の給与指数は,前年比で25.30%上昇しており,同数値は,亜の実際のインフレ率と連動していると言われている。

 

(5)「外国人農村土地所有制限法」に基づく第一回調査報告書の発表

 

(ア)23日,フェルナンデス大統領及びアルバレス司法長官(司法・人権省)は,2011年12月22日に制定された「外国人農村土地所有制限法」(第26,737号)に基づく第一回調査報告書を発表した。同法は,外国人(自然人及び法人)による亜の農地所有を制限することによって,亜の領土主権及び天然資源を保護することを目的とするものであり,同法にある「農地」(Tierras Rurales)とは,そのロケーションに係わらず,市街地(Ejido Urbano)に属さない全ての地所(山岳,森,砂漠なども含む)と定義されている。

 

(イ)「外国人農村土地所有制限法」は,外国人(自然人・法人)が所有できる農地面積を,全国の農地の15%までとし,各州及び各市町村(もしくはそれに準ずる各行政単位)ごとの区分においても,外国人(同)は,その全農地面積の15%までしか農地を所有できない旨定めている。また,同一国籍の外国人(自然人・法人)が,(外国人に所有された)全農地面積(国レベル)の30%以上の農地を取得することは認められておらず,各州及び各市町村(もしくはそれに準ずる各行政単位)ごとの区分においても,同一国籍の外国人(同)による,その全農地面積の30%以上の農地の取得は認められていない。また,コアエリア(生産性と地価が高い湿潤パンパ地帯)もしくはそれに準ずる地区において,同一の外国人(自然人・法人)によって取得される農地は,1,000ヘクタールを超えてはならないと規定されている。

 

(ウ)「外国人農村土地所有制限法」の遵守を監督する機関として,司法・人権省に属する農地国家登録局(RNTR:Registro Nacional de Tierras Rurales)が創設され(2012年6月1日から機能開始),またそれとは別に,省庁間農地評議会が設置された。現在,新規で亜国内の農地を所有することを希望する外国人(自然人・法人)は,事前にRNTRの許可を得なければならない(注:なお,同法施行前に既に取得されていた外国人(自然人・法人)の農地に対しては,同法は適用されない)。

 

(エ)RNTRのデータベースに基づく第一回調査報告書よると,亜の面積は世界第8位(約2億8千万ヘクタール)であるが,この内,「外国人農村土地所有制限法」の定義による農地は95.88%(約2億6,767万ヘクタール)であり,外国人(自然人・法人)が所有する亜の農地は,国全体の農地の5.93%(約1,588万ヘクタール)となっている。外国人(同)所有の農地の76%にあたる1,200万ヘクタール超を所有するのは,わずか253人(の自然人及び法人)とされている。

 

(オ)同調査報告書によると,外国人(自然人・法人)による農地所有率が10%以上15%未満の州は,北東部のミシオネス州及びコリエンテス州,北部・北西部のサルタ州,カタマルカ州及びラ・リオハ州であり,肥沃で生産性の高い湿潤パンパ地帯(コアエリア)に属するブエノスアイレス州,ラ・パンパ州,サンタフェ州及びコルドバ州は,いずれも外国人(同)による農地所有率が5%未満と低くなっている。外国人(自然人・法人)を国籍別に見ると,1位が米国,2位が伊,3位が西となっており,同3国籍が,外国人(同)が所有する全農地の半分を占めている。各国籍の所有面積は,米が300万ヘクタール,伊が230万ヘクタール,西が210万ヘクタールとなっている。なお,4位はスイス,5位はウルグアイ,6位はチリ,7位はカナダ,8位はフランス,9位はオランダ,10位は英国。

 

(6)2018年夏季ユースオリンピック開催都市,ブエノスアイレス市に決定

 

(ア)4日,ローザンヌにおいて開催されたIOC臨時総会において,2018年夏季ユースオリンピックの開催都市がブエノスアイレス市に決定した。今次結果を受け,ウェルティン・亜オリンピック委員会会長(IOC委員)は「歴史的な出来事だ,チームワークの勝利だ」と喜びを表現した。今回のIOC臨時総会には,亜オリンピック委員会関係者の他,マクリ・ブエノスアイレス市長及びモレッシ社会開発省スポーツ長官等が出席した。

 

(イ)当地報道は,第3回ユースオリンピックの開催地がブエノスアイレス市に決定したニュースを一面で大々的に報じ,亜が過去に5回ほど,オリンピック開催地として立候補しながら,何れの大会の開催地決定選挙においても敗北してきたとの経緯を振り返った。

 

(ウ)当地メディアは,ユースオリンピックの開催に向け,今後,26種目用に26のスタジアム及び競技施設が整備される予定と報じるとともに,オリンピック選手村(10ヘクタール)は,ブエノスアイレス市南部のロカ公園付近に建設される予定と報じた。同選手村は,オリンピック後は,低所得者層向け住宅として利用されることになる由。夏季ユースオリンピックの開催期間は12日間を予定しており,開会式は,ブエノスアイレス市にあるサッカークラブ「リーベル・プレート」のスタジアムで行われる予定。

 

 

3 外交


(1)メルコスール首脳会合


(ア)12日,モンテビデオにて開催された第45回メルコスール首脳会合に出席したフェルナンデス大統領は,演説において,スノーデン米中央情報局(CIA)元職員が同乗している疑いをかけられたモラレス・ボリビア大統領の専用機の,領空通過及び着陸許可を急遽取り消した欧州諸国を批判するとともに,「自分(「フェ」大統領)は,大統領専用機で一部欧州諸国を旅行することはしない。なぜなら,一部の裁判官は,ハゲタカ・ファンドからの要請を受け,差押えを決定する可能性があるからだ」と述べた。また,「19世紀よりも更に巧妙な形の新たな植民地主義が存在し,我々(メルコスール諸国)の団結を望まない人々がいる」と発言し,モラレス・ボリビア大統領に対する連帯を表明した。

 

(イ)同12日に予定されていたフェルナンデス大統領及びルセーフ伯大統領間の二国間首脳会談が実施されなかったことに関し,ティメルマン外務大臣は,総会開始が予定より3時間遅れたこと及び,朝食会の場で,両国大統領が予想以上に深い協議をすることができ,対話の目的が達成されたことを理由に挙げた。また,当地紙によると,ティメルマン外務大臣は,亜・伯間自動車貿易協定や伯バーレ社の亜からの撤退問題については,今回は協議されなかったと述べた。

 

(ウ)ティメルマン外務大臣は,記者会見において,亜の現政権の閣僚,元閣僚,政治家,企業家等100名以上のメールが監視されており,これらの監視されている者のリストを,名前を明かすことはできないが,他国の「信頼できる人物」から受け取った旨発表し,帰国次第,同リストを司法機関にわたし,告訴する旨述べた。ラ・ナシオン紙が,今次メルコスール会合にて,米国による南米諸国に対するスパイ活動の可能性を激しく非難する文書が採択された点を指摘し,同告訴は米国に対するものかと質問したところ,ティメルマン外務大臣は,単に受け取った内容に関して告訴しているのであり,右は特定の国家に向けられたものではないと回答した。


(2)イラン


(ア)亜政府によるニスマン検事の渡米拒絶に対する米国からの批判
米国議会より,ラテンアメリカにおけるイラン情報機関の活動に関するプレゼンテーションを依頼されていたニスマン・イスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件担当検事の渡米を,ヒルス・カルボ検事総長(注:フェルナンデス大統領に非常に立場が近い人物)が許可しなかったことに対し,3日,米国議会は,亜側の今次決定に対し,「失望と懸念」の意を表明する為,フェルナンデス大統領宛にジェフ・ダンカン米国下院議会治安委員会委員長(共和党)の署名の入った公式書簡を発出した(ヒルス・カルボ検事総長には,同書簡写しが送付された)。また,ロス・レティネン下院議員(共和党)は,今次決定は,透明性にかける上に,「表現の自由に対する侵害行為」であると非難した。

 

(イ)AMIA会館爆破事件19周年追悼式典
18日,ブエノスアイレス市内で,1994年のイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件19周年追悼式典が執り行われた。フェルナンデス大統領及びティメルマン外務大臣が,コロンビア公式訪問の為,昨年に引き続き(昨年はボリビア公式訪問中)欠席したことが,当地ユダヤ人コミュニティーから強く非難された。

 

(3)コロンビア

18日,フェルナンデス大統領はコロンビアを公式訪問した(ティメルマン外務大臣,ジョルジ産業大臣,パグリエリ国際通商長官,フックス亜外務省ホワイト・ヘルメット委員長同行)。今次訪問は,滞在時間が6時間未満という非常に短いものであったが,フェルナンデス大統領は,サントス・コロンビア大統領との首脳会談並びに両国閣僚を交えた会合の場をもった。また,今次訪問中に亜・コロンビア両国は,5件の合意文書(コロンビア女性の公平性の為の上級委員会・亜女性委員会間合意,スポーツ分野での協力に関する合意,人身売買予防・調査及び被害者保護に関するコロンビア・亜二国間合意,犯罪人引渡に関するコロンビア・亜二国間条約及び両国首脳共同声明)への署名を行った。会合後の記者会見では,両国首脳は記者側からの質問を一切受け付けなかったが,フェルナンデス大統領は,サントス・コロンビア大統領によるコロンビア革命軍(FARC)との和平プロセスに対する支持を表明し,同プロセスは,コロンビア及び地域の国々にとって必要不可欠であると述べた。サントス・コロンビア大統領は,フェルナンデス大統領の仲介により,マドゥーロ・ベネズエラ大統領との会談がセットされたことに対し感謝の意を表明するとともに(注:5月にサントス・コロンビア大統領が,先のベネズエラ大統領選挙に反チャベス派として出馬したカプリレス氏をボゴタで迎えて以来,コロンビア・ベネズエラ二国間関係は断絶状態にあった),故キルチネル前大統領の業績を讃えつつ,22日の同会談の場には,同前大統領の魂も共にいることだろうと述べた。また,両国首脳は,二国間貿易,投資,観光促進への期待を表明した。

 

(4)ボリビア


3日,亜外務省は,亡命申請中であったスノーデン米中央情報局(CIA)元職員が同乗している疑いをかけられたモラレス・ボリビア大統領の専用機が,欧州諸国の領空通過及び着陸許可を急遽取り消されたことを非難し,責任者が無処罰のまま放置されることがないよう本件に対する釈明と,このような遺憾な状況を引き起こした責任者が,ボリビア国民及びモラレス・ボリビア大統領に対し,直ちに謝罪することを要求するプレスリリースを発出した。また,4日,本件に関し協議する目的で,ボリビアのコチャバンバで開催されたにUNASUR緊急首脳会合に出席したフェルナンデス大統領は,欧州諸国による国際法違反を指摘し,本件に対する非難及び,モラレス・ボリビア大統領に対する連帯を表明した。

 

(5)オーストリア
1日,ウィーンで開催された原子力の安全に関する大臣会合に出席したティメルマン外務大臣は,英国が南大西洋の基地における英国軍の核兵器保有に関して報告することを拒否したことを指摘し,亜政府は,原子力の平和的利用が,破壊や脅威目的に悪用されることがないよう必要な活動を行って行く旨断言した。
同訪問中,ティメルマン外務大臣は,スピンデレガー・オーストリア外務大臣,天野国際原子力機関(IAEA)事務局長,ゼルボ包括的核実験禁止条約(CTBTO)機関準備委員会事務局長と会合し,原子力の平和的利用に向けた亜政府の取組に関し説明した。

 

(6)エクアドル
1日,ブドゥー副大統領は,エスピノサ国防大臣及びデュアルテ・エクアドル司法大臣と会談し,二国間問題及び地域統合に関し協議した。
1日,当地を訪問したエスピノサ・エクアドル国防大臣は,ロッシ国防大臣と地域及びUNASUR南米防衛委員会の枠組みにおける協力に関し協議した他,両国国防大臣は,ブエノスアイレス州メルロ市の空軍航空監視・コントロールセンターを視察した。2日,エスピノサ国防大臣は,フェルナンデス大統領出席のもとバリローチェで開催されたインスティチュート・バルセイロの図書館開館式に列席した他,INVAP社の施設を見学した。

 

(7)エジプト
3日,亜外務省は,「亜政府は,民主主義のプロセスを中断し,合法的に成立した権力を破壊し,社会的・政治的状況を不安定にしているエジプトの状況に対する懸念を表明する。亜は,憲法の規定に基づき,投票及び人権を尊重した上で,各社会・政治セクター間の対話により(問題が)解決されることを支持する」という内容のプレスリリースを発出した。

 

(8)パラグアイ
4日,フランコ・パラグアイ大統領は,亜・パラグアイの国境地帯にあるフォルモサ州における亜の原子力発電所の建設に対し,拒絶の意を表明した。

 

(9)OAS
3日,上院本会議は,ガレー前治安大臣をOAS代表部大使に任命した。

 

(10)要人往来


(ア)往訪
●1日:ティメルマン外務大臣のオーストリア訪問(原子力の安全に関する大臣会合出席)
●2日:ロレンシーノ経済・財政大臣のペルー訪問(アンデス開発公社(CAF)会合出席)
●8日〜10日:ジョルジ産業大臣訪日
●11日〜12日:フェルナンデス大統領及びティメルマン外務大臣ウルグアイ訪問(第45回メルコスール首脳会合出席)
●17日〜18日:ロレンシーノ経済・財政大臣及びトマーダ労働大臣ロシア訪問(G20大臣会合事前会合出席)
●17日〜18日:フェルナンデス大統領のコロンビア訪問
●22日〜23日:ランダッソ内務・運輸大臣スペイン訪問
●22日〜23日:アリシア・キルチネル社会開発大臣ベネズエラ訪問
●27日〜28日:フェルナンデス大統領ブラジル訪問(「ワールド・ユースデー」でのフランシスコ法王によるミサ列席)


(イ)来訪
●1日〜2日:エスピノサ・エクアドル防衛大臣
●22日〜23日:ピント・アンゴラ外務大臣
●26日:ロンバルディ・スイス上院議長

 

(11)今後の主要外交日程(予定等)


●8月5日〜6日:フェルナンデス大統領米国訪問(国連安全保障理事会出席)