アルゼンチン政治情勢(月1回更新)
アルゼンチン政治情勢(2022年1月)
2022年2月作成
在アルゼンチン日本大使館
アルゼンチン定期報告(2022年1月)
1 内政
(1)政府:
ア 新型コロナウイルス関連
25日、政府は行政決定を発出し、非居住外国人の入国を含む出入国措置の変更について発表した。今次措置により、亜入国14日前までにワクチン接種を完了(2回)した亜国籍人及び亜居住外国人の入国前のPCR検査陰性証明書等の条件が免除された。
イ クリスティーナ・フェルナンデス副大統領の書簡
18日、クリスティーナ・フェルナンデス副大統領は、自身のホームページに書簡を発出し、マクリ前政権期のIMFからの融資を「マクリ派のパンデミック(pandemia macrista)と評した。
ウ IMFとの債務再編合意の発表
28日、フェルナンデス大統領は、債務再編交渉でIMFと合意(acuerdo)したと発表した。同日、グスマン経済相は、本件に関しマンスール内閣官房長官とともに記者会見を行った。他方、IMF側は理解(understanding)という表現を用いるとともに、最終合意に向け作業が残っている旨発表。
エ マクシモ・キルチネル下院与党会派会長の辞任
31日、マクシモ・キルチネル下院与党会派会長が、政府とIMFとの債務再編交渉結果に同意できないとして辞任した。従前からキルチネル会長は債務負担の増大を招いたマクリ前政権の責任を訴え、IMFによる調整政策は国民に多大なる負担を強いるとしてフェルナンデス大統領の方針に異を唱えていた。
オ レスタニ新農業副大臣(農業・牧畜業・漁業担当)の就任
6日、9月から空席となっていた新農業副大臣(農業・牧畜業・漁業担当)ポストへのレスタニ亜農村連合(CRA)会長の就任が発表された。
カ 国政調査
25日、政府は、5月18日に国政調査を実施する旨発表した。同調査は、コロナ感染を受けて2020年から延期されていたものであり、調査実施日は祝日となる。
(2)国会:
25日、臨時国会を召集する政令が官報に掲載され、臨時国会が2月1日~28日まで開催されることが決定した。臨時国会では、主に司法審議会(Consejo de Magistratura)改革及び財政協定(Consenso Fiscal)について議論される他、ポストコロナの生産回復に向け、エレクトロモビリティ、医療用大麻産業、自動車産業振興、農産業促進等、計18の法案が審議される予定である。
2 外交
(1)米国:
ア 18日、カフィエロ外相は、訪問先の米国においてブリンケン米国国務長官及びペロシ米国下院議長等とそれぞれ会談を行った。また、19日には、同じく米国滞在中のアルバレス西外務・EU・協力相と会談した。
イ 24日、フェルナンデス大統領は、スタンリー駐亜米国大使の信任状捧呈を受けた。当地各紙は、IMFとの債務再編交渉と関連付け、20日に当地に到着したばかりの同大使の信任状捧呈が異例の早さで実現した点を大きく報じた。
(2)中国:
ア 12日、外務省は、中国との原子力分野における協力の進展に関するプレスリリースを発出した。
イ 13日、マルティネス経済副大臣(エネルギー担当)及びバスアルド経済次官(電力担当)は、11億ドル超の投資を伴う首都圏の電力インフラ整備事業について、中国企業と契約形成に向けた会合を開催した。
ウ 14日、ゲレラ運輸相は、サン・マルティン貨物鉄道の復興計画について、中国企業と会談を行った。また19日には、ゲレラ運輸相及びマリヌッチ鉄道インフラ局長は、ブエノスアイレス州の3つの鉄道の近代化計画への投資に係る中国企業との署名を行った。
エ 25日付当地各紙は、フェルナンデス大統領が、2月3日に訪露しプーチン大統領と会談した後、4日~6日に訪中し、北京冬季五輪開会式出席、習近平国家主席との会談、視察(万里の長城、毛主席記念堂、紫禁城)、中国共産党との会合等が予定されている旨報じた。また訪中後にバルバドスを訪問することが新たに決定された。
オ 27日、カフィエロ外相は、亜中第5回経済協力・調整のための戦略的対話にオンライン形式で出席した。
(3)ロシア:
29日、ビソッティ保健相は、訪問先のロシアにてムラシュコ露保健相と会談した。
(4)英国:
11日、外務省は、ウォレス英国防相が、フォークランド(マルビーナス)諸島を含む領域の主権を「乱暴者たち(bullies)」から武力で守る旨の発言を行ったことに対し抗議の声明を発出した。また29日には、英国が同諸島に対空ミサイルシステム「スカイセーバー(Sky Sabre)」を設置したことに対し抗議の声明を発出した。
(5)インド:
14日、カフィエロ外相はジャイシャンカル印外相と電話会談を行った。
(6)ニカラグア:
11日、外務省は、10日に開催されたニカラグア大統領就任式に、1994年に当地で発生したイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件で起訴されているモフセン・レザーイー・イラン経済担当副大統領が出席したことに対して抗議するプレスリリースを発出した。
(7)ホンジュラス:
27日、クリスティーナ・フェルナンデス副大統領は、ホンジュラス大統領就任式に出席した。また26日には、ホンジュラス国立自治大学にて「人民は常に戻ってくる(Los pueblos siempre vuelven)」と題する講演を行った。本件講演の後、ルーラ元伯大統領、モラレス元ボリビア大統領、コレア元エクアドル大統領等はIMFに対し、2018年のマクリ前政権に対する融資の責任を取るように求める共同声明に署名した。
(8)ハイチ:
21日、カフィエロ外相は、カナダ政府が主催したハイチ情勢に関する閣僚級オンライン会合に出席した。
(9)アラブ首長国連邦:
18日、外務省は、アブダビ国際空港への攻撃に対する非難声明を発出した。
(10)ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC):
6~7日、ブエノスアイレスにおいて第22回ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)外相会合が開催され、亜が2022年の議長国に正式に就任した。6日、カフィエロ外相は、アルバレス・ドミニカ共和国外相、オルギン・エクアドル外相、ジェネウス・ハイチ外相、ラムディン・スリナム外相、ロドリゲス・キューバ外相、マイタ・ボリビア外相、ブスティージョ・ウルグアイ外相、ピータース・セントビンセント首相府付外務・外国貿易担当国務大臣及びブラウン・トリニダード・トバゴ外相と各々バイ会談を行った。また6~7日、テタマンティ筆頭外務副大臣は、バルディビア・チリ外務次官、ロンドーニョ・コロンビア外務副大臣、チャベス・ペルー外務副大臣、カストロ・パナマ外務省多国間問題・協力次官代行及びミラ・エルサルバドル外務副大臣と各々バイ会談を行った。
(11)米州機構(OAS):
19日、亜及び米国は共同で、米州機構(OAS)常設委員会において、1994年に当地で起こったイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件で起訴されているイラン人容疑者らに対するインターポールの国際手配(赤手配書)を尊重するよう求める声明を提出し、これが採択された。
また、20日、亜検察はインターポールに対して、1994年に当地で起こったイスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件で起訴されているレザーイー・イラン経済担当副大統領が来週ロシアに渡航予定であるとして、右機会に同イラン副大統領の逮捕を要請した。
(12)経済協力開発機構(OECD):
26日、当地各紙は、亜は、伯、ペルー、ブルガリア、クロアチア及びルーマニアとともに、経済協力開発機構(OECD)への加盟手続き開始が承認を受けた旨報じた。同申請は、マクリ前政権下の2016年1月、世界経済フォーラムにおいて発表されていたもの。
(13)国連人権理事会:
25日、亜が議長を務める国連人権理事会第40回普遍的・定期的レビュー(UPR)において、対ベネズエラ審査が開催され、亜は、ベネズエラに対し、国連人権理事会に完全に協力し、バチェレ国連人権高等弁務官の報告書にある推薦事項を完全に実行するよう要請した。
(14)要人往来:
ア 往訪
米国:カフィエロ外相。
ホンジュラス:クリスティーナ・フェルナンデス副大統領(大統領就任式)。
イ 来訪
ドミニカ共和国:アルバレス外相(CELAC外相会合)。
エクアドル:オルギン外相(CELAC外相会合)。
ハイチ:ジェネウス外相(CELAC外相会合)。
スリナム:ラムディン外相(CELAC外相会合)。
キューバ:ロドリゲス外相(CELAC外相会合)。
ボリビア:マイタ外相(CELAC外相会合)。
ウルグアイ:ブスティージョ外相(CELAC外相会合)。
セントビンセント:ピータース首相府付外務・外交貿易担当国務大臣(CELAC外相会合)。
トリニダード・トバゴ:ブラウン外相(CELAC外相会合)。
(了)
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