アルゼンチン政治情勢(月1回更新)

令和4年12月13日

アルゼンチン政治情勢(2022年10月)

2022年11月作成
在アルゼンチン日本大使館



1 内政
(1)閣僚3名の交代
 10日、ゴメス・アルコルタ女性・ジェンダー・多様性大臣、サバレタ社会開発大臣及びモロニ雇用・社会保障大臣の3名の閣僚が同時に辞任を発表し、後任としてマシーナ新女性・ジェンダー・多様性大臣、トロサ・パス新社会開発大臣、オルモス新雇用・社会保障大臣がそれぞれ就任した。
(2)国外観光のための外貨購入に対する税率引き上げ
 11日、連邦歳入庁(AFIP)は、クレジット・デビットカードでの国外観光のための外貨購入に対する税率を再び引き上げることを発表した。本措置は、11月からカタールで開催されるFIFAワールドカップを前に、外貨流出につながる国外観光客の抑制を狙ったものとして、巷間では「カタールドル(レート)」と呼ばれている。
(3)マプーチェによる不法占拠の強制退去
 4日、リオネグロ州ビジャ・マスカルディ近くの土地を不法占拠していた先住民マプーチェの強制退去が治安当局により実行された。この作戦により、7名のマプーチェ女性が逮捕されたほか、複数のマプーチェ男性が現場から逃走している。今回の作戦を実行した治安部隊は、連邦警察の4つの組織(連邦警察、空港警察、水上警察及び国境警備隊)から構成される「統一司令本部」であり、4日に発足したばかりの組織であった。
 
2 外交
(1)日本
 25~27日、武井俊輔外務副大臣が訪亜し、第39回国連ラ米・カリブ諸国経済委員会(ECLAC)総会に出席してステートメントを表明した。さらに、カフィエロ外相、テタマンティ筆頭外務副大臣に加え、計11の国々の外相等と会談を行った。
(2)米国:
 12日~14日、マサ経済相は訪米し、IMF・世界銀行年次総会及びG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席。また、13日には、ムーラン仏経済財務省国庫総局長(パリクラブ議長)と会談を行った。
(3)韓国:
 13~15日、亜韓外交関係樹立60周年に合わせてハン韓国首相が訪亜し、フェルナンデス大統領表敬、カフィエロ外相との会談を行った。
(4)ブラジル:
 31日、フェルナンデス大統領は、30日に実施された伯大統領選挙決選投票の結果を受けて訪伯し、勝利したルーラ候補と会談を行った。
(5)国連ラ米・カリブ諸国経済委員会(ECLAC):
 24~26日、当地で第39回ECLAC総会が開催され、パネルディスカッションや活動報告等が行われた。また、最終日の閣僚級ハイレベル対話には、日本から武井外務副大臣が出席し、スピーチを行った。
(6)ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC):
ア 第23回CELAC外相会合
 26日、当地でCELAC外相会合が開催され、会議後には共同宣言が発出された。
イ 第3回EU・CELAC外相会合
 27日、当地でEU・CELAC外相会合が開催され、会議後には共同コミュニケが発出された。
(7)IAEA:
 17~21日、グロッシーIAEA事務局長が訪亜し、18日にフェルナンデス大統領との会談、19日にカフィエロ外相と亜国内原子力関連施設の視察を実施した。また、20日には亜・IAEA間の2つの協定(「希望の放射線」イニシアチブの実施に向けた協力に関するもの及び南極大陸におけるプラスチック汚染防止のための原子力技術イニシアチブにおける協力に関するもの)に署名した。
(8)パリクラブ:
 28日、マサ経済相は、亜政府がパリクラブとの約24億ドルの債務のリスケについて合意に達したと発表した。マサ経済相は、亜から電話を通じてパリクラブとの会議に参加し、現地ではテクニカルチームのマルコ・ラバーニャ経済副大臣(国際経済金融担当)及びマドクール経済大臣首席補佐官がリスケ合意の詳細につき最終調整を行った。
(9)要人往来
ア 往訪
 米国:マサ経済相。
イ 来訪
 日本:武井俊輔外務副大臣。
 韓国:ハン首相。
ウ ECLAC及びCELAC関連会合来訪者等
 ボレルEU外務・安全保障政策上級代表、ロドリゲス・キューバ外相、サラサール=キリナックスECLAC事務局長、ヒル・エルサルバドル外相、アンドレ・コスタリカ外相、ブカロ・グアテマラ外相、テワニー・パナマ外相、ジョンソン=スミス・ジャマイカ外相、ミッチェル・バハマ外務・公共サービス相、ウレホラ・チリ外相、ランダ・ペルー外相、オルギン・エクアドル外相、マイタ・ボリビア外相、アリオラ・パラグアイ外相、レイバ・コロンビア外相、ファリア・ベネズエラ外相、アルバレス・スペイン外相、ゴメス・クラヴィーニョ・ポルトガル外相、アセルボーン・ルクセンブルク外相、リンケービッチ・ラトビア外相、ファヨン・スロベニア副首相兼外相
 

(了)