2011年4月アルゼンチンの政治情勢(内政・外交)
2011年5月作成
在アルゼンチン大使館
I 概要
(1)内政面では,アルフォンシン下院議員が,次期大統領選挙における急進党の公式候補と認定され,コボス副大統領及びサンス上院議員は,次期大統領選挙への出馬を断念する旨発表した。マクリ・ブエノスアイレス市長は,次期大統領選挙への出馬を保留とする旨述べた。また,サルタ州知事選挙が実施され,キルチネル派の候補が当選した。その他,モジャーノ労働総同盟(CGT)書記長の主催の下,メーデーを祝す式典が開催された他,サンタクルス州の石油業界労組がストを実施した。
(2)外交面では,ティメルマン外相が,日本を訪問して松本外相と会談した。また,同外相は,イスラエルを訪問してリーベルマン同国外相と会談し,ハイチに関する安保理会合に出席するため米国を訪問し,亜・メキシコ戦略的パートナーシップ審議会会合に出席するためメキシコを訪問し,キエフ原子力サミットに出席するためウクライナを訪問し,中南米カリブ諸国外相会合に出席するためベネズエラを訪問した。その他,フラッティーニ・イタリア外相及びメヒーア南米諸国連合(UNASUR)事務局長が訪亜して,それぞれフェルナンデス大統領と会談した。
II 内政
1 急進党の動向
(1)7日,急進党執行部の会合が開催され,アルフォンシン下院議員を次期大統領選挙における同党の公式候補と認定する旨決定された。
(2)同決定に対し,コボス副大統領は,「身内を閉め出す(注:党内の他の大統領候補を無視すること)ような政党が,外部に向けて開かれる(注:野党の他勢力と団結すること)のは難しいだろう。このような状況ならば,私は身を引く」と述べ,次期大統領選挙への出馬を断念する意向を表明した。当地各紙は,アルフォンシン下院議員が,急進党,社会党,GEN等,中道左派勢力のみで協力体制を形成するべきと考えているのに対し,コボス副大統領及びサンス上院議員は,ペロン党反キルチネル派,共和国提案,市民連合等を含め,より広範な野党勢力と協力しなければ,次期国政選挙で与党に勝利することはできないと考えているとして,両者の対立が深まっていると報じた。
(3)28日,サンス上院議員は,「急進党において最も(当選の)可能性が高い大統領候補はアルフォンシン下院議員であることを考慮して,私は,その競争者になることを止め,同下院議員が(同選挙において)急進党全体を代表するのを認めることを決定した」と述べ,次期大統領選挙への出馬を断念する旨発表した。同日,アルフォンシン下院議員は,「我々(同下院議員及びサンス上院議員)が,次期大統領選挙のために協働できるということに,私は安心し,これを嬉しく思う」と述べ,サンス上院議員の上記決定を歓迎した。また,当地各紙は,アルフォンシン下院議員が,デ・ナルバエス下院議員(ペロン党反キルチネル派)やマクリ・ブエノスアイレス市長(共和国提案)と協力体制を形成する可能性も検討し始めていると報じた。
2 マクリ・ブエノスアイレス市長の動向
28日,マクリ・ブエノスアイレス市長(共和国提案)は,「我々は,キルチネル派の横暴を食い止めるために,野党の諸勢力と広範な協力体制の形成を模索している」,「その協力体制の形成に役立つのであれば,私は,(次期大統領選挙への)立候補を保留とする」と述べた。
3 ペロン党反キルチネル派の動向
ペロン党反キルチネル派の大統領候補を選出するための予備選挙(ドゥアルデ元暫定大統領及びロドリゲス・サア・サンルイス州知事の2名が参加)が,3日,ブエノスアイレス市において,また,10日,北東部地方において実施され,両日ともドゥアルデ元暫定大統領が勝利した。しかし,17日,北西部地方において同選挙が実施される予定であったが,投票の実施場所を巡って両候補の見解に齟齬が生じ(注:ロドリゲス・サア知事は,各州の州都のみで実施する旨主張し,ドゥアルデ元暫定大統領は,州都以外の都市でも実施する旨主張),ドゥアルデ元暫定大統領は,同日の選挙は中止されたと発表した。他方,ロドリゲス・サア知事は,ドゥアルデ元暫定大統領が同日の選挙を棄権したとして,自分(同知事)が勝利したと発表した。
4 サルタ州知事選挙
(1)10日,サルタ州において,知事,副知事,州議会議員(上院23議席中11議席及び下院60議席中30議席),市長(59の市),市議会議員等の選挙が実施された。
(2)知事選挙には,ウルトゥベイ候補(現同州知事)(ペロン党キルチネル派),オルメド候補(下院議員)(マクリ派)及びワイヤー候補(下院議員)(ペロン党キルチネル派)等が出馬していたが,開票の結果,ウルトゥベイ候補が当選(再選)した(得票率は,ウルトゥベイ候補が59.6%,オルメド候補が25.1%,ワイヤー候補が8.5%)。
(3)当選したウルトゥベイ候補は,「サルタ州民の大部分はフェルナンデス大統領に好感を抱いており,これまで同様,私は同大統領を支持する」と述べ,同大統領の再選を支持する姿勢を示したが,他方,今回のサルタ州知事選挙での勝利については,「連邦政府の代表者ではなく,一人の州知事」としての勝利である等述べた。
(4)ランダッソ内相は,ウルトゥベイ候補の再選を祝福した上で,「ウルトゥベイ知事は,フェルナンデス大統領の政策に敬意を表している」と述べた。
5 政治改革法の実施細則公布
(1)15日,政治改革法の実施細則を定める3点の政令が公布された。同政令の要点はそれぞれ以下の通り。
(ア)政令第443/2011号:
国政選挙の予備選挙(8月)について,立候補の条件,候補者リスト提出の手順等を規定。また,本選挙(10月)において,選挙連合を形成せずとも,他の政治勢力の候補者と,投票用紙の上で協力関係を形成することができる旨規定。
(イ)政令第444/2011号:
国政選挙の予備選挙で用いられる投票用紙の色,書式,重量等を規定し,また,同投票用紙に候補者の写真を掲載することについて規定。
(ウ)政令第445/2011号:
マスメディア(国営放送)を通じた選挙キャンペーンのために各選挙・各政治勢力に割り当てられる放送時間帯等について規定(注:政治改革法により,民間放送局を通じた選挙キャンペーンは禁じられている)。
(2)上記政令第443号により,高い支持率を有するフェルナンデス大統領と同一の投票用紙に名前を連ねることが,ペロン党キルチネル派だけの特権ではなくなったため(注:同大統領は,次期大統領選挙への出馬を未だ表明していないが,出馬することを前提として語られることが多い),ブエノスアイレス州のペロン党キルチネル派の市長の一部は,自身の再選に支障が生じる可能性を懸念していると,当地各紙は報じた。
(3)また,上記政令第445号により,選挙キャンペーンのために各政治勢力に割り当てられる放送時間が規定されたが,他方,政府による行政関連の放送時間は規制されていないため不公平であるという意見が,野党から生じた。
6 所得税の課税最低限の引き上げ
(1)1日,大統領府において,フェルナンデス大統領は,モジャーノ労働総同盟(CGT)書記長と会談した(ブドゥー経済相,トマダ労働相及びエチェガライ連邦歳入庁(AFIP)長官同席)。同会談の後,ブドゥー経済相及びトマダ労働相が記者会見を行い(エチェガライ長官及びモジャーノ書記長同席),所得税の課税最低限を20%引き上げる旨発表した。本措置は,AFIPの庁令として,4日付官報に掲載され,同日より発効した。
(2)上記発表を受け,アルフォンシン下院議員(急進党)は,「フェルナンデス政権は,国会での審議を避けて,政府の手柄にすることを選んだ」と述べた(注:野党は,所得税の課税最低限をより大幅に引き上げるための法案を提出していた)。ソラナス南プロジェクト党首は,「フェルナンデス政権が,国会における民主的な議論を拒否していることが再び示された」と述べた。
7 メーデーを祝す式典
(1)29日,ブエノスアイレス市において,モジャーノ労働総同盟(CGT)書記長の主催の下,メーデーを祝す式典が開催された(注:より多くの人員を動員するため,日曜日に当たる5月1日を避け,その2日前に開催された)。同式典には,フェルナンデス政権の主要閣僚,シオリ・ブエノスアイレス州知事,大統領支持派若手グループ「ラ・カンポラ」,モジャーノ派労組幹部等が出席した。
(2)フェルナンデス大統領は,27日よりサンタクルス州に滞在していたため(注:同日はキルチネル前大統領の6か月目の命日であり,フェルナンデス大統領は,同州で墓参等を行っていた),本式典には欠席した。同大統領は,本式典のために,「これまでに達成されてきたことを大切にして,一層の努力を成すよう,彼(キルチネル前大統領)の名において(国民に)お願いする」等のメッセージを送付し,同メッセージは式典において読み上げられた。
(3)モジャーノCGT書記長は,本式典において演説を行い,「我々は,フェルナンデス大統領に対し,次期再選に向けて立候補するよう求めたい」と述べた。また,フェルナンデス政権によって成された民間年金基金(AFJP)の国営化や失業者世帯向けの児童手当の支給を評価するとともに,より一層の改善を求めた。他方,同書記長は,次期国政選挙において,キルチネル派の候補者名簿の中に労組関係者をより多く含めるよう要求した他,昨年CGTが推進していた企業利益分配法案(注:企業利益(再投資に回す場合は,利益の50%まで控除可能)のうち10%を労働者に分配するよう義務付ける法案)を今年の国会で成立させるよう要求した。
(4)ランダッソ内相は,「(本式典での)モジャーノ書記長は,総じてとても良かった」と述べた。また,モジャーノ書記長が,キルチネル派の候補者名簿の中に労組関係者をより多く含めるよう要求したことについて,同内相は,「労働者らが役職を求めるのは良いことであるし当然だ」と述べた。そして,モジャーノ書記長が企業利益分配法案の推進を要求したことについて,同内相は,「法案は国会で審議されるべきものである」と述べた。
8 サンタクルス州の石油業界労組のスト
(1)1日,サンタクルス州民間石油ガス会社労組が,賃上げ等を要求し,同州北部における石油採掘活動等を停止するストを開始した。
(2)3日,セゴビア同労組書記長は,企業側と特別手当に係る合意に至ったことから,上記ストを中止する旨発表した。しかし,同合意に反対して更なる賃上げ等を求めるレタモソ同労組副書記長(反セゴビア派)等の組合員らにより,上記ストは継続された。
(3)15日,レタモソ副書記長は,企業代表,州政府代表及び中央政府代表と会談して,賃上げ等に係る合意に至ったことから,上記ストを中止する旨発表した。しかし,上記ストを継続していた組合員らは,ストを中止するための条件として,セゴビア書記長の辞職を要求した。
(4)24日,中央政府及び州政府は,上記ストを中止させるために,セゴビア書記長を始めとする同労組幹部に辞職を要求し,フラキエル新書記長を始めとする新しい幹部が任命されたが,セゴビア派の幹部は,同要求を拒否した。しかし,25日,フラキエル新書記長等の就任が発表され,これを受けて,27日,上記ストは中止された。
9 国会の動向
(1)13日,下院本会議において,強制失踪厳罰化法案が審議されたところ,賛成票157,棄権1により可決され,法律として成立した。本法は,刑法を改正して,国家機関や政府関係者等が強制失踪に関与した場合の刑罰を強化するもの。
(2)14日,下院の刑事法制委員会及び金融委員会の合同委員会において,マネーロンダリング対策法案が審議され,与党による多数派の意見書及び野党による少数派の意見書が採択された。本法案は,刑法を改正してマネーロンダリングの取り締まりを強化するもの。与野党の意見書は,金融情報機構(UIF)(注:客年12月に発出された政令により,亜におけるマネーロンダリング対策のコーディネーターと位置づけられた機構)の代表の任命方法等において相異なる内容となっている。
III 外交
1 日本
10〜11日,ティメルマン外相は,東日本大震災を踏まえ,亜政府及び亜国民の弔意と連帯を表明するため日本を訪問し,11日,松本外相と会談した。両外相は,国連改革,種々の国際機関における協力,二国間経済関係の更なる緊密化等につき意見交換を行った。また,ティメルマン外相は,佐々木日亜経済合同委員会委員長及び在留アルゼンチン・コミュニティーとそれぞれ会合した。
2 イタリア
3月31日〜4月1日,訪亜したフラッティーニ・イタリア外相は,フェルナンデス大統領と会談した。同訪亜を機に,観光,貿易・投資,原子力協力,科学技術協力等の分野における計12件の二国間協力協定等が署名された。
3 英国
(1)2日,フェルナンデス大統領は,サンタクルス州リオガジェゴス市で行われたフォークランド(マルビナス)戦争29周年戦没者追悼式典に出席し,植民地主義に対する闘いにおいてマルビナス諸島の主権を中南米諸国の手に取り戻す,英国に対して国連決議に従い交渉の席に着くよう要請し続ける等述べた。
(2)6日,ハイチ情勢に関する安保理会合に出席するため米国を訪問したティメルマン外相は,潘国連事務総長に対して,マルビナス諸島領有権問題に関し,亜の合法的権利の支持と交渉再開への地域の関心を表明した南米諸国連合(UNASUR)12カ国の大統領の署名入り書簡を手交した。
4 イスラエル
4〜5日,ティメルマン外相は,イスラエル共済組合(AMIA)会館爆破事件の遺族や亜企業関係者等と共にイスラエルを訪問した。4日,ティメルマン外相は,リーベルマン・イスラエル外相と会談し,二国間アジェンダ,中南米情勢,中東情勢,亜によるパレスチナ国家承認,AMIA会館爆破事件の調査等につき協議したほか,二国間投資促進協力趣意書に署名した。また,5日,ティメルマン外相は,ネタニヤフ首相と会談し,中南米情勢及び中東情勢,地域紛争における国連の役割,国際テロに対する闘い等につき協議した。更に,ティメルマン外相は,イスラエル企業関係者との会合及び二国間貿易投資セミナーの開会式に出席した。
5 ハイチ
6日,ティメルマン外相は,米国を訪問し,ハイチ情勢に関する安保理公開会合に出席し,亜のハイチ支援の意志を再表明するとともに,国連平和維持活動に派遣されている亜要員のうち,70%がハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)に従事していること,UNASURの枠組みによる対ハイチ支援基金設置への亜の積極的参加等につき述べた。
6 メキシコ
12〜15日,ティメルマン外相は,メキシコを訪問し,13日,エスピノサ・メキシコ外相とともに第2回亜・メキシコ戦略的パートナーシップ審議会会合の議長を務めた。同審議会の下には政治委員会,経済・貿易・投資委員会及び協力委員会の3つの委員会が設置されており,今次会合では,それぞれの委員会から成果報告がなされた。会合後に共同コミュニケが発表されたところ,概要以下のとおり。なお,14〜15日,フェルナンデス大統領のメキシコ訪問が予定されていたが,同大統領の健康上の理由により5月30日に急遽延期された。
(1)本年2月8日に開催された政治委員会会合において,二国間パートナーシップ関係強化に進展があったことにつき確認されたほか,人権擁護を推進する両国の意志が強調された。また,メキシコは,マルビナス諸島領有権問題における亜の合法的権利への支持を表明し,亜は,メキシコの組織犯罪に対する取り組みを評価した。
(2)本年4月12日に開催された経済・貿易・投資委員会会合において,戦略的パートナーシップにより2010年の二国間貿易額が過去最高を記録したことが強調されたほか,二国間貿易・投資を引き続き促進することにつき合意がなされた。
(3)本年4月12日に開催された協力委員会会合において,二国間科学技術協力をより一層強化する意志が再確認された。また,6分野(公共政策,保健,環境,水産開発,エネルギー・産業,科学技術)における16のプロジェクトから成る二国間協力計画2011〜2013年が採択されたほか,二国間バイオテクノロジー・ナノテクノロジーセンター設立議定書に署名がなされた。更に,安全保障及び金融インテリジェンス分野における技術協力,及び南極における科学技術協力を推進することが合意された。
7 ブラジル
12〜13日,ブラジルを訪問したプリチェリ国防相は,13日,ジョビン・ブラジル国防相と会談し,ブラジルのエンブラエル社が開発を進めているKC390輸送機の部品の亜における製造に関する合意文書に署名した。
8 ベネズエラ
12日,ベネズエラを訪問したテビード公共事業相は,ラミーレス・ベネズエラ・エネルギー石油相及びモリーナ・ベネズエラ住宅相と会談し,石油・天然ガス共同開発に関する複数のプロジェクトの進捗状況をレビューしたほか,住宅政策分野における両国の経験を共有した。
9 リトアニア
15日,スカイスギリーテ=リャウシキエネ・リトアニア外務副大臣が訪亜し,ダロット筆頭外務副大臣とともに,第1回亜・リトアニア政策協議の議長を務めた。同政策協議において,文化,経済,スポーツ,観光等の分野における二国間協力のレビューがなされたほか,地域統合プロセス,G77議長国としての亜の優先事項,欧州安全保障協力機構(OSCE)議長国としてのリトアニアの優先事項等に関し意見交換がなされた。
10 リビア
16日,ティメルマン外相は,国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からの要請を受け,リビアとチュニジアの国境地帯で実施中の亜ホワイト・ヘルメット委員会(注:国連の下で活動する当国緊急援助隊)による人道支援の期限を4月27日まで延長することを決定した。
11 キエフ原子力サミット
19〜20日,ティメルマン外相は,ウクライナを訪問し,キエフ原子力サミットに出席した。ティメルマン外相は,同サミットにおいて演説し,原子力安全強化の重要性,原子力の安全に関する条約等を遵守する必要性,亜における原子力の平和利用の伝統,原子力エネルギーの安全性と責任ある利用との適切なバランスの重要性,IAEAによる技術的観点に基づく原子力安全基準作成の重要性等につき述べた。
12 ウクライナ
(1)19日,キエフ原子力サミットに出席するためウクライナを訪問したティメルマン外相は,リトヴィン・ウクライナ最高議会議長と会談し,二国間アジェンダ,亜及びウクライナにおける民主主義の定着等につき協議した。また,ティメルマン外相は,約30万人に上る在亜ウクライナ・コミュニティーによる亜の文化的多様性への貢献にも言及した。
(2)20日,ティメルマン外相は,アザーロフ・ウクライナ首相と会談し,キエフ原子力サミットの成果につき意見交換した。アザーロフ首相は,ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領が訪亜を希望している旨述べた。
(3)20日,ティメルマン外相は,グリシチェンコ・ウクライナ外相と会談し,二国間関係強化,G20のアジェンダ,国連平和維持活動,貿易ミッションの相互派遣予定,メルコスール・ウクライナ自由貿易協定締結のための協議を開始することの可能性等につき意見交換した。また,グリシチェンコ外相は,亜産の農業機械,船舶,航空機部品等や,石油共同開発に対する関心を表明した。
13 アゼルバイジャン
19日,キエフ原子力サミットに出席するためウクライナを訪問したティメルマン外相は,メメディヤロフ・アゼルバイジャン外相と会談し,在亜アゼルバイジャン大使館の開設を祝したほか,二国間関係を強化していく旨合意した。メメディヤロフ外相は,亜の農業機械及びエネルギー技術に対する関心を表明した。
14 カタール
19日,キエフ原子力サミットに出席するためウクライナを訪問したティメルマン外相は,アルサダ・カタール・エネルギー相と会談し,二国間アジェンダ,エネルギー分野における協力の可能性等につき協議した。アルサダ・エネルギー相は,原子力の平和利用に関する亜の科学技術に対する関心を表明した。
15 コロンビア
19日,ガルソン・コロンビア副大統領が訪亜し,アラク司法相と会談した。両者は,司法分野における両国の経験についての意見交換をより一層活発化させることにつき協議した。
16 エクアドル
25日,ダロット筆頭外務副大臣は,エクアドルを訪問し,キント・エクアドル外務副大臣とともに,第1回亜・エクアドル政策協議の議長を務め,移民,文化,教育,貿易等の二国間アジェンダを協議したほか,地域テーマ及び多国間テーマにつき意見交換を行った。また,キント副大臣から,昨年9月30日にエクアドルで生じた警察との問題につき,亜及びUNASURの協力に対する謝意が表明され,他方,ダロット副大臣から,マルビナス諸島領有権問題に関するエクアドルの従来からの支持に謝意が表明された。
17 中南米カリブ諸国共同体
25〜26日,ベネズエラを訪問したティメルマン外相は,26日,中南米カリブ諸国外相会合に出席した。同会合は,本年7月にベネズエラで開催される中南米カリブ諸国首脳会合の準備会合として開催された。同会合では,中南米カリブ諸国共同体規約作成に向けた協議が行われ,ティメルマン外相は,同規約に民主主義条項を盛り込むことを提案した。
18 中東・アフリカ
28日,亜政府は,中東・アフリカ情勢に関し,外務省プレスリリースを通じ,中東・アフリカ諸国の国民の政治参画は完全に保障されるべきである,また,中東・アフリカ諸国の政府は個人の自由と人権を尊重すべきである旨表明するとともに,平和的にデモを行う国民に対する暴力と弾圧を拒絶し,外国の介入なしに対話により解決すべきである旨表明した。
19 要人往来
(1)往訪
4〜5日 |
ティメルマン外相のイスラエル訪問(リーベルマン・イスラエル外相と会談) |
6日 |
ティメルマン外相の米国訪問(ハイチ情勢に関する安保理会合に出席) |
10〜11日 |
ティメルマン外相の日本訪問(松本外相と会談) |
12〜15日 |
ティメルマン外相のメキシコ訪問(第2回亜・メキシコ戦略的パートナーシップ審議会会合に出席) |
12〜13日 |
プリチェリ国防大臣のブラジル訪問(ジョビン・ブラジル国防大臣と会談) |
12日 |
テビード公共事業相のベネズエラ訪問(ラミーレス・ベネズエラ・エネルギー石油相及びモリーナ・ベネズエラ住宅相と会談) |
14〜17日 |
ブドゥー経済相の訪米(IMF・世銀年次総会に出席) |
18日 |
ダロット筆頭外務副大臣のコスタリカ訪問(亜・コスタリカ政策協議に出席) |
19〜20日 |
ティメルマン外相のウクライナ訪問(キエフ原子力サミットに出席) |
25日 |
ダロット筆頭外務副大臣のエクアドル訪問(第1回亜・エクアドル政策協議に出席) |
25〜26日 |
ティメルマン外相のベネズエラ訪問(中南米カリブ諸国外相会合に出席) |
(2)来訪
3月31日〜4月1日 |
フラッティーニ・イタリア外相(フェルナンデスと会談) |
7日 |
メヒーアUNASUR事務局長(フェルナンデス大統領と会談) |
15日 |
スカイスギリーテ=リャウシキエネ・リトアニア外務副大臣(第1回亜・リトアニア政策協議に出席) |
19日 |
ガルソン・コロンビア副大統領(アラク司法相と会談) |
25日 |
キント・エクアドル外務副大臣(第1回亜・エクアドル政策協議に出席) |