日本・アルゼンチン関係

2017/6/2

全般

1 日・アルゼンチン二国間関係の過去の経緯
(1)日本とアルゼンチンの最初の接触は古く,1597年日本人が奴隷ではないと申し立てたという記録が古都コルドバ市に残っています。外交関係は,1898年にワシントンで調印された修好通商航海条約により樹立されました。その後,日本人のアルゼンチンへの移住もあり両国関係は強まりましたが,第二次大戦に伴うアルゼンチンの対日断交(1944年1月),対日宣戦布告(1945年3月)により両国関係は一時断絶しました。1952年の平和条約締結によって外交関係が再開された後,移住協定(1963年発効),友好通商航海条約(1967年発効),文化協定(1981年発効),技術協力協定(1981年発効)が締結されました。
 
(2)日本とアルゼンチンの友好関係を示すエピソードとして,日露戦争の時,アルゼンチンはイタリアに発注していた2隻の軍艦(「日進」と「春日」)を日本に有償で譲渡し,それぞれ「日進」,「春日」と命名されて日本海海戦で活躍したことや,第二次大戦後にエバ・ペロン大統領夫人(通称エビータ)がリオ・イグアス号に満載した救援物資を日本に送付したことで知られています。
 
2 現在の日・アルゼンチン関係(マクリ現政権下:2015年12月以降)
(1)マクリ大統領が就任した2015年12月以降,二国間関係は政治・経済・国民交流とあらゆる面で拡大しています。政治関係では,同12月に鳩山邦夫特派大使がマクリ大統領就任式に参加し,翌2016年5月にはミケティ副大統領が経済関係副大臣と共に訪日し,特に両国経済関係の強化を日本の政財界に広く訴えました。また,同2016年には,7月にマルコーラ外務大臣,9月にディエトリッチ運輸大臣,10月にブルリッチ教育スポーツ大臣が訪日し,それぞれの分野における関係促進が図られました。
 
(2)これに対し,日本側からも2016年には黄川田政務官や水落文部科学副大臣がアルゼンチンを訪問しましたが,何よりも同年11月には,57年ぶりの日本の現役総理大臣による公式訪問として,安倍晋三内閣総理大臣のアルゼンチン訪問が実現しました。安倍総理訪問の際には,両首脳の間で両国が「戦略的パートナー」となる旨謳われると共に,二国間で日・亜共同声明が発出されました(別添)。

(3)その後,2017年5月にはマクリ大統領も関係閣僚を伴って我が国を公式に訪問し,安倍総理との首脳会談において,前年の共同声明に関するフォローが行われると共に,今後の二国間関係のあり方に関する確認がなされました。その内容は両国で発出した共同プレス声明において確認頂けます(別添)。


(4)なお,上記の相互往来等を通じ,各分野では次のように協力関係が促進されています。
 a. 政治分野・国際場裏における協力の促進
 上記のとおり,マクリ大統領就任以降,両国では要人往来が活性化しており,それに伴い両国のアジェンダも拡大しています。特に,首脳の往来が毎年続くここ数年というのは,日亜関係史上初めての出来事でもあり,集中的な両国関係活性化が期待されます。
 また,両国は「戦略的パートナー」として相互の対話を深めており,一次中断していた政策協議が昨年より再開し,あらゆる分野に関する協力強化に向けた協議が行われています。
 更に,アルゼンチンは2017年末にWTO閣僚会合を主催し,その後2018年にはG20主催国となることもあり,国際社会においてそのプレゼンスを急速に拡大しています。我が国としては,国際社会における重要なプレーヤーとしてのアルゼンチンと国際場裏においても密接に協力をし,国際社会の共通の課題に共に対処していきたいと考えています。

 b. 経済分野
 2016年5月には双方でビジネス環境委員会及び日亜貿易投資促進委員会の設置が合意され,その後定期的な開催を通じて両国の投資やビジネス関係の促進が図られています。
 また,日亜経済フォーラムが2016年5月,11月及び2017年5月に大々的に実施された他,日亜経済合同委員会も2016年11月に開催されました。 
 それだけでなく,両国では経済分野における法的枠組みの構築に向けた取り組みが行われており,2017年5月には二国間投資協定の実質合意が発表されました。
 更に,我が国の政府関係機関の活動も活発化しており,JETROが2017年1月から日本からの所長派遣を再開した他,JBICが他の欧米諸国に先駆けて約20年ぶりに,対亜融資を再開し,JICAが中小企業向け日本式経営に関する「改善プロジェクト」等の実施を決め,NEXI(日本貿易保険)が対亜保険引き受けを再開しました。
 また,農牧業分野ではお互いに農産品輸出に関する動植物検疫の協議が進んでいる他,2017年5月には農林水産業・食料産業対話の設置が決定します。
 そして,2017年5月には第4回日・メルコスール経済関係緊密化のための対話も実施され,双方の対話が進捗しています。
 
 c. 国民交流分野

 スポーツや文化,人物交流,観光,青少年交流,といった分野でも両国の交流が推し進められています。
 例えば,スポーツ分野では,2016年10月にブルリッチ教育スポーツ大臣が訪日した際に両国政府のスポーツ当局間で協力覚書が署名された他,我が国のスポーツ分野の国際貢献策である"Sport for Tomorrow"に基づいた協力事業が実施されるなど具体的な進展がみられます。また,今後はサッカーに関する協力の促進が望まれます。
 また,2015年にアルゼンチンからの訪日外国人旅行者が2万人を超えるなど観光分野でも大きな躍進がみられ,国費留学生制度や大学間交流プログラム等を通じた教育・研究分野での交流,日本のTV番組提供によるメディア協力なども盛んに行われています。
 更に,2017年5月には両国でワーキングホリデーに関する覚書が結ばれ,今後の若者を中心とした交流と相互理解の進展が強く期待されます。

 その他,アルゼンチンでは,日本祭りや日本語,日本食,アニメ,日本映画,邦楽・茶道・華道・書道等の伝統文化など様々な日本文化を取り扱った事業が年間100件以上開催されており,日本とアルゼンチン両国国民の相互理解が進んでいます。
 なお,約6万5千人にのぼるとされる当国日系人は,その勤勉さをもってアルゼンチン国民の信頼を勝ち取り,両国の友好関係の礎となっています。今後日本政府は当国日系人と共に日アルゼンチン二国間関係の発展に努めていく所存です。